この数年、マンション価格は新築、中古ともに上がり続けていますが、そのなかには、築5年で6割近い上昇率を記録した物件もあります。できることなら、資産価値アップを期待できる物件を手に入れたいものですが、どのような物件を選べばいいのでしょうか。

平均でも10年前の分譲価格より高くなっている

この数年、首都圏を中心にマンション価格が上昇、上手な選択を行えば、購入後に価格が上がり、資産価値のアップが期待できるようになっています。

民間調査機関の東京カンテイでは、10年前に分譲されたマンションが、現在中古マンションとしていくらで取引されているかを調査、リセールバリュー(再販価値)を算出しています。10年前に坪単価500万円で分譲されたマンションが、現在600万円で取引されていれば、リセールバリューは120%で、400万円なら80%ということです。リセールバリューの数値が大きいほど、価値が高くなっていることになります。

首都圏のリセールバリューは、図表1にあるように、2018年には91.4%、2019年には94.3%だったものが、2020年には101.9%になっています。平均でも分譲価格以上の資産価値になっているわけです。首都圏の中古マンションがいかに高くなっているかがわかります。

新築・中古マンションの平均坪単価とリセールバリュー
出典:株式会社東京カンテイ「2020年 中古マンションのリセールバリュー(首都圏)」

上昇率1位は「ザ・パークハウス新宿御苑」

これはあくまでも平均で、物件によってはもっと上がっています。

マンションの比較サイト「マンションレビュー」を運営するワンノブアカインドでは、築5年以内のマンションの値上がり率を調査して、地域別にランキングを作成しています。その2021年の関東版のベスト10は図表2にある通りです。

最も上昇率が高かったのは、三菱地所レジデンス株式会社が分譲した「ザ・パークハウス新宿御苑」の57.3%でした。2017年10月竣工なので、4年あまりで6割近くも資産価値が高まったことになります。

この物件、著者も竣工時の内見会に出席させていただきましたが、新宿御苑の豊かな緑を眼下に臨む恵まれた環境ながら、東京メトロ丸ノ内線の新宿御苑前駅徒歩1分という交通アクセスに恵まれた物件で、仕様・設備も充実しています。

専有面積55平方メートル台~100平方メートル台、分譲価格は6,400万円~2億6,900万円台で、平均坪単価は570万円という高額物件でしたが、2016年5月の第一期販売は平均倍率2.1倍、最高倍率8.0倍で即日完売しました。その人気の高さがいまも続き、値上がり率トップにあがっているわけです。

「築5年以内の値上がりマンション」ランキング
出典:株式会社ワンノブアカインド「マンションレビュー」調べ

値上がり率5位までを不動産大手2社が独占

2位には、三井不動産レジデンシャル株式会社の「パークマンション三田綱町ザ フォレスト」が入り、上昇率は56.5%なので、トップとの差は僅差です。

三井不動産レジデンシャルの「パークマンション」は、同社の数あるブランドのなかでも、都心の一等地の立地で、外観、エントランス、パブリックスペースなどすべてにおいて最上級を目指す物件にのみ許されたブランドです。

しかも、「パークマンション三田綱町ザ フォレスト」が立地する三田綱町は「パークマンション」シリーズの第一号が誕生した場所であり、三井不動産レジデンシャルもひとかたならぬ力を入れたといわれています。値上がり率の高さもうなずけるところです。

この2物件に続く3位の「ザ・パークハウスグラン南青山」、5位の「ザ・パークハウス西新宿タワー60」は三菱地所レジデンスで、4位の「ザ・タワー横浜北仲」は三井不動産レジデンシャルの物件です。

不動産業界最大手の三井不動産株式会社、2位の三菱地所株式会社のグループ企業らしく、大手ならではのブランド力が発揮されているようです。

中堅デベの物件にも値上がり率の高い物件が

この上位5物件に続く6位、7位にはやはり東京建物株式会社の2物件が入っているのですが、8位以下には大手以外の物件がランクインしています。

8位は株式会社モリモトの「ピアーズ赤坂」の上昇率33.1%。モリモトは都心部やその周辺で、デザイナーズマンションなど、特徴ある中規模クラスのマンション供給に定評があります。

9位は株式会社コプラスの「BOTA三宿」の32.7%で、入居者と建築家が共同で建てるコーポラティブハウスです。最寄り駅からの徒歩時間12分ながら、個性的な外観や仕様・設備が評価されて値上がりしているようです。

10位がリストデベロップメント株式会社の「リストレジデンス上野黒門町」の32.5%となっています。同社は都市型の超高層マンション、ハイグレードマンションを中心に手がけています。

徒歩時間の短い超高層マンションが有利に

物件の条件による違いもあります。図表3にあるように、階建でみると、19階建て以下は関東全体では917物件、うちランキング100にランクインしている物件は75物件で、関東全体の8%にあたります。20階建て以上は関東全体では69物件、うちランキング100にランクインしている物件は26物件で、関東全体の37%にあたります。超高層マンションには値上がり率の高いマンションが多いといっていいでしょう。

最寄り駅からの徒歩時間については、徒歩5分以内の合計が62物件で、101物件に対して61.3%になります。関東全体では徒歩5分以内の割合は44.3%なので、やはり徒歩時間の短い物件は、値上がり率が高い傾向にあるといってよさそうです。

「築5年以内の値上がりマンション」ランキング100
※100位が2物件あったため合計は101になる
出典:株式会社ワンノブアカインド「マンションレビュー」調べ

大手以外の物件にも資産価値アップの可能性

大手不動産会社の分譲物件を取得できれば、値上がり率が高くなることを期待できそうですが、大手のマンションは分譲価格が高い傾向にあるので、取得は簡単ではないかもしれません。

しかし、大手の物件でなくても、中堅の不動産会社のなかにも、特徴ある物件を供給して、値上がり率の高い会社もあります。

また、20階建て以上の超高層マンションで、かつ徒歩時間が5分以内の物件であれば、分譲時の価格より仲介市場での取引価格が高くなる可能性が高いのではないでしょうか。

購入したマンションに永住することが前提であれば、資産価値にはさほどこだわらなくてもいいかもしれませんが、いつ考え方が変わるかわかりませんし、転勤、転職など外的要因で買い替えが必要になることがあるかもしれません。マンション選択においては、将来の値上がりの可能性にも注目しておいたほうがいいのではないでしょうか。

(最終更新日:2022.02.21)
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