4月の新入学・就職で始まる新しい生活に向けて、2~3月は引っ越しシーズンです。不要になった古い家電は、「家電リサイクル法」や「小型家電リサイクル法」にのっとって正しく処分しなければなりません。自治体に連絡して回収してもらうのが面倒で、不用品回収業者に自宅に取りに来てもらったことがトラブルになるケースがあります。また、不用品の訪問買取業者への苦情も増えています。

大型家電や家具は決められたゴミ集積所まで運ぶのも一苦労なため、自宅まで引き取りに来てくれる不用品回収業者を利用する人もいるでしょう。「無料で回収します」とアナウンスしながら走っている軽トラックを見ることも日常見かけますが、回収料金等でトラブルに発展するケースが増えています。実際、国民生活センターにも苦情や相談がたくさん寄せられています。

引越請負業者への不用品回収依頼も注意

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一般廃棄物の収集・運搬は市町村の許可を受けた業者しか行えません。安易に廃品回収業者に処分を依頼することは、トラブルのもとになりやすいので注意が必要です。すべての廃品回収業者が許可を受けているとは限りません。悪徳業者の場合、引き取られた不用品は適切に処分されず、人気のない道路や山の中などに不法投棄されてしまうこともあります。結果として不法投棄を助長することになります。市町村の一般廃棄物運搬許可を受けた業者かどうかは、住んでいる自治体に問い合わせてください。

家具のような粗大ゴミと家電類は、事前に自治体に連絡して収集してもらうのが基本です。

「転居時に廃棄物がでることが予想される場合、早めに市町村へ事前に問い合わせるなどして廃棄方法を確認しておきましょう」(国民生活センター)

引越請負業者に廃棄を依頼する場合もありますが、これも同様に、業者が許可を受けていないと運搬や処分はできません。ただし、国民生活センターによれば、以下の2点を依頼者から書面で委任された場合は、許可がなくても可能です。

(1)引越請負業者が管理する場所まで廃棄物を運搬すること
(2)運搬した廃棄物を市町村や一般廃棄物収集運搬業者に引き渡すこと

危ない業者を見極めるポイント

【ケース1】

引っ越し準備のため、不用品回収業者をネットで検索した。「2トンのトラックで詰め放題、5万円、追加料金なし」の業者を見つけた。見積り依頼をお願いしたところ、料金均一のため見積りは取らないと言われた。
引っ越し当日に来てもらい、「量が多くトラック1台で運べないので10万円」と言われた。その日のうちに捨てなければならなかったので、仕方なくその金額で了承した。しかし、結局、2トントラック3台になり、35万円請求された。クレジットカードで支払いを済ませたが、トラック3台が満載になっていたようには見えなかった。契約書はなく、領収書のみもらった。

・ケース1のポイント

引っ越しが急なときや、期日が迫っているときは、業者に依頼せざるを得ないかもしれません。そのときに最も大切なのは見積りを取ることです。上のケース1にあるように、見積りを断る業者には頼まないようにしましょう。そして、電話で相談する際は、見積り後に依頼を断ることができるかどうか確認しましょう。できれば複数の業者から見積りを取るのがベターです。

【ケース2】
ポストに入っていた「不用品回収 見積り無料」のチラシの業者に依頼したところ、作業員2人がその日のうちに訪問した。不用品で大きなものは、冷蔵庫、テーブル、いす、布団、カーペット等々。見積りで15,000円と言われたため、現金を渡し、回収してもらった。領収書の明細には「一式」と書いてあるのみ。そのときは「ちょっと追加料金が発生するかもしれない」と言われ、後日、15万円請求された。

 

・ケース2のポイント

このケース2にあるように、領収書の明細が「一式」というのも避けるべき業者です。見積書をもらって、明細がしっかり書いてなければ依頼を断るべきです。そして、「無料」を宣伝している業者はやめましょう。仮に、本当に無料だったとしても、不法投棄される可能性が考えられます。

高齢者世帯を狙った「訪問購入」に注意

ここまで説明した不用品回収とは別手口の「訪問購入(訪問買い取り)」によるトラブルが最近増えています。これは、リサイクル業者などが、電話または直接訪問して「不用品を買い取る」と勧誘するものです。「押し買い」と呼ばれることもあります。

【ケース3】
県外の業者が突然訪問してきて「不用品を何でも買う」と言うので、古いラジオを出した。しかし、そのラジオには目もくれず、「他に何かないか」と玄関で長時間粘られた。最初は断っていたが、だんだん怖くなってきて、金のネックレスや指輪など3点を見せたところ、「15,000円で買い取る」と現金を置いて出ていった。あまりに査定額が安いので、返してほしい。

訪問購入では、安易に貴金属やブランド品を見せない

国民生活センターでは次のように注意を促しています。

「業者の訪問の際は、不要な勧誘はきっぱり断り、売るつもりのない貴金属やブランド品などを安易に見せることは避けましょう。売却した場合は、契約書面の交付を受けましょう。書面を受けた日を1日目として8日間は、クーリング・オフができるほか、物品の引き渡しを拒むことができます」

また、消費者を守るためのルールや制度として「2013年2月に、特定商取引に関する法律(特商法)が改正され、規制対象に「訪問購入」が加えられました。この法律には、購入業者が守るべきルールや、消費者を保護する制度が定められています。しかし、改正後も訪問購入では貴金属やブランド品等を強引に買い取るトラブルが後を絶ちません。」と解説しています。

なお、消費者から勧誘の要請がないのに、突然訪問して勧誘すること(不招請勧誘)は禁止されており、ケース3も該当します。

「訪問購入では、高齢者の女性が被害に遭うケースが多いです。一時期減ってきた訪問購入トラブルですが、コロナ禍になって家の中を整理している人が増えているのも、相談が増えてきた理由かもしれません」(国民生活センター)

なお、売却したときは、契約書面の交付を求めましょう。購入業者には、「物品の種類や特徴」「購入価格」「クーリング・オフについての説明事項」「申し込みや契約の年月日」「事業者の住所、名称、連絡先、担当者の氏名」を記載した契約書面を消費者に交付する義務があります。

業者との交渉などで必要となる場合があるため、書面を受け取ったら大切に保管しておきましょう。

<取材協力>
独立行政法人 国民生活センター
https://www.kokusen.go.jp/index.html

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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