住宅ローン控除(住宅ローン減税)とは、住宅ローン残高の一定の金額が、所得税から控除される制度です。所得税から控除しきれなかった分は、住民税からも一部控除されます。この制度を初めて利用する場合には、必ず確定申告が必要です。2年目以降は、会社員等であれば、年末調整での手続きすることもできます。

住宅ローン控除を受けるために必要な手続きや、必要書類について確認しておきましょう。控除の対象となる住宅等の種類(新築・増改築、一般住宅)によって、準備が必要な書類は異なります。

住宅ローン控除の申請方法(初年度)

住宅ローン控除を受けるためには、初年度に確定申告が必要です。毎年申告する個人事業主の方などはもちろん、通常は確定申告の必要のない、年末調整が受けられる会社員等であっても、確定申告が必要になります。

確定申告の際には、確定申告書に「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」、連帯債務がある場合には「連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書」を添え、控除の種類に応じて異なる必要書類をそろえて、納税地(原則として住所地)を所轄する税務署長に提出します。

確定申告書の提出方法としては、税務署に持参・郵送するほか、パソコンやスマートフォンからマイナンバーカードや税務署で発行されたID・パスワードを利用してe-Taxで送信することもできます。

参考:給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除用の記載例(令和2年分)
※国税庁ホームページ「令和2年分の確定申告に関する手引き等」より。令和3年分は、令和4年1月上旬公開予定

記載例のように、住宅ローン控除を受ける初年度には、確定申告書と「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」を作成し必要書類を添えて、税務署に提出することが必要になります。

住宅ローン控除はいつ申請するの?

 

確定申告は、2月16日から3月15日の間に

住宅ローン控除を受ける場合は、入居した翌年に確定申告を行います。確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、原則として、翌年2月16日から3月15日までの間に行います。
特に、控除を受ける初年度の手続きは年末調整ではできないので、会社員でも確定申告が必要です。

なお、払いすぎた税金の返還(還付)に関する申告書は、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます。したがって、住宅ローン控除を受けるための確定申告ができなかった場合でも、住宅ローン控除を受けるための必要書類を添えて、5年以内に確定申告書を提出すれば、控除を受けることができます。

2年目以降は年末調整での手続きが可能

控除を受ける2年目以降は、会社員等であれば年末調整で控除申請ができるので、勤務先での年末調整の時期(11月ごろ)に手続きを行います。

年末調整の際に住宅ローン控除の申請ができなかった場合には、勤務先で再度、年末調整をして修正してもらうことが可能です。年末調整のやり直しができるのは、翌年1月末までとされていますが、会社によって手続きのスケジュールは異なり、対応してもらえない場合も考えられます。年末調整のやり直しができなかった場合には、自分で5年以内に確定申告をして住宅ローン控除の申請を行えば、控除を受けることができます。

このように、住宅ローン控除を受けるための確定申告は、原則として翌年2月16日から3月15日の間に行います。2年目以降は、会社員等の場合は11月ごろに行われる勤務先での年末調整で手続きが可能です。

住宅ローン控除の手続きの流れ

住宅ローン控除を受けるためには、住宅取得後6ヶ月以内に入居し、翌年の確定申告時に税務署に申告書・添付書類を提出することが必要です。

申告書は、最寄りの税務署で入手することもできますし、国税庁のホームページからダウンロードすることもできます。また、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」を利用し、画面の案内に沿って金額等を入力して申告書などを作成することができます。

<住宅取得から還付金を受け取るまでの流れ>
1. 住宅を取得し、6ヶ月以内に入居する
2. 確定申告書・添付書類を入手する
3. 住宅借入金等特別控除額の計算明細書(以下、計算明細書)を記入する
4. 確定申告書に、収入、所得控除額などを記入する
5. 計算明細書をもとに、確定申告書の住宅借入金等特別控除の欄を記入する
6. 税額(還付税額)の計算を行う
7. 入居の翌年の確定申告時(2月16日~3月15日)に、申告書を提出する(持参・郵送・e-Tax)
8. 還付金が発生した場合は、確定申告時に指定した口座におおむね1ヶ月から1ヶ月半後に振り込まれる
※還付金の受け取りには、預貯金口座への振り込みによる方法とゆうちょ銀行各店舗または郵便局に出向いて受け取る方法とがあるが、預貯金口座への振り込みが薦められている

住宅ローン控除を受けるための確定申告では、先に住宅ローン控除額の計算を行ってから申告書の記入を行うとスムーズに書き進められます。

住宅ローン控除の確定申告での必要書類

住宅ローン控除を受けるための確定申告の際には、住宅取得や住宅ローンに関する次のような書類が必要になります。ここでは一般住宅について控除を受けるための必要書類を紹介します。

<家屋を新築または取得した場合(一般住宅)の必要書類>
・確定申告書A(給与所得者の場合)
・住宅借入金特別控除額の計算明細書
・マイナンバーカード【写し】、もしくはマイナンバー記載の住民票【写し】と本人確認書類【コピー】
・住宅ローンの年末残高証明書(融資額残高証明書)【原本】
・家屋の登記事項証明書【原本】
・家屋の工事請負契約書【写し】または売買契約書【写し】
(敷地の購入に係る住宅ローンについても控除を受ける場合)
・敷地の登記事項証明書【原本】
・敷地の売買契約書【写し】
(補助金等の交付を受けた場合)
・国または地方公共団体からの補助金決定通知書など、補助金等の額を証する原本か写し
(住宅取得等資金贈与の特例を受けた場合)
・贈与税の申告書など、住宅取得等資金の額を証する書類【写し】

※認定住宅を対象とする場合や中古住宅を対象とする場合には、上記の一般住宅を対象とする場合に必要な書類に加え、認定住宅の条件を満たすことを示す書類や、中古住宅の条件を満たすことを示す書類も必要になります。
※確定申告書には給与所得の源泉徴収票等の添付は不要ですが、申告書には源泉徴収票等に記載されている収入などの情報を記載する必要があります。

住宅ローンの年末残高証明書(融資額残高証明書)について

住宅ローンの年末残高証明書(融資額残高証明書)は、住宅ローンを利用している銀行等の金融機関から、10月ごろに郵送されてきます。住宅ローン控除の申告に必ず必要なものなので、なくさないように保管しておきましょう。

住宅ローンの年末残高証明書には、住宅ローンの借入対象者や当初の借入金額、今年の年末残高(予定額)、償還期間などが記載されています。この記載内容に基づいて、「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」に記入し、原本を添付して税務署に提出します。

万が一紛失した場合には、住宅ローンを利用している金融機関に再発行について問い合わせましょう。本人確認書類や通帳、印鑑等、手続きに必要なものを確認し、再発行までにどれくらいかかるかも確認しましょう。金融機関によっては、再発行手数料がかかる場合もあります。

登記事項証明書について

登記事項証明書は、法務局に登録されデータ管理されている内容について、証明する書類を指します。不動産の登記事項証明書には、対象不動産の所在地や面積などの物件に関する情報のほか、所有者の権利関係、抵当権者(住宅ローンを利用している金融機関等)の情報も記載されます。

住宅のみに対する住宅ローンで、住宅ローン控除を受ける場合には、住宅の登記事項証明書を、住宅と土地に対する住宅ローンの場合には、住宅と土地両方の登記事項証明書を用意します。

登記事項証明書は、法務局で入手することができます。各地の法務局へ郵送、あるいは窓口に申請書を提出するほか、オンラインでの請求も可能です。オンラインで請求した場合には、登記事項証明書は郵送されますが、指定した登記所等の窓口で受け取ることもできます。

参考:登記事項証明書 登記簿謄本・抄本 交付申請書 [PDF]

参考:法務局 オンライン請求のご案内(登記事項証明書(土地・建物)、地図・図面証明書を取得したい方)

<登記事項証明書の発行に必要なもの>
・登記事項証明書 登記簿謄本・抄本 交付申請書
・手数料

工事請負契約書または売買契約書について

住宅の新築もしくは購入がいつ、いくらでなされたのかを確認するために、工事請負契約書や売買契約書の写しの提出が求められます。住宅と土地の両方に対して組んだ住宅ローンを住宅ローン控除の対象にする場合には、土地の売買契約書の提出も必要になります。

補助金等の額を証する書類(国や地方公共団体から補助金を受けた場合)や
贈与税の申告書など(住宅取得資金贈与の特例を受けた場合)について

住宅の新築や購入に関して補助金等を受けている場合や、住宅取得資金の贈与を受けて「住宅取得等資金の贈与の特例」の適用を受けている場合には、それぞれの金額を、住宅等の取得価額から差し引いて計算します。

そのため、補助金等を受けた場合には、補助金等の額を証明する書類を、住宅取得資金の贈与を受けた場合には、その贈与税の申告書の写しを、確定申告書に添付して提出することになります。

なお、「住宅取得資金贈与の特例を受けた場合」とは、「住宅取得資金の贈与税の非課税」または「住宅取得資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例」を受けた場合を指します。

マイナンバー(個人番号)の本人確認書類について

確定申告の際には、マイナンバー(個人番号)を申告書に記載します。またマイナンバーが申告者本人のものであることを証明するため、ご自身のマイナンバーカードをコピーして添付してください。

マイナンバーが記載された住民票の写し+運転免許証・パスポート等の本人確認書類(コピー)でも代用が可能です。

2年目以降の手続き方法はどうなる?

住宅ローン控除を受ける2年目以降は、会社員等であれば勤務先で行う年末調整で手続きを終わらせることもできます。もちろん、確定申告によって行うこともできます。

会社員等が年末調整によって控除の適用を受ける場合は、(1)1年目の申告後に税務署から送付される年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書及び給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書兼(特定増改築等)住宅借入金等特別控除計算明細書(以下、「申告書兼証明書」)と、(2)金融機関から送られてくる住宅ローンの年末残高証明書(融資額残高証明書)を勤務先の年末調整の担当者に提出します。

確定申告書を提出して控除の適用を受ける場合は、(1)その年の「申告書兼証明書」と、(2)住宅ローンの年末残高証明書を添付して、確定申告書を所轄税務署に提出します。

このように、2年目以降の住宅ローン控除の手続きは、必要書類も少なく、負担の少ないものになります。

年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書について

初回の住宅ローン控除のための確定申告を行ったあと、税務署から「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書及び給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書兼(特定増改築等)住宅借入金等特別控除計算明細書(以下、「証明書兼申告書」)」が送付されます。

その下部分には「年末調整のための(特別増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」があり、そこには初回の住宅ローン控除の確定申告の際に届け出た居住開始日や家屋や土地の取得額などの情報が記載されています。2年目以降の住宅ローン控除を受けるための手続きは、この年の「申告書兼証明書」と「住宅ローンの年末残高証明書」を提出して行います。

「申告書兼証明書」をなくしてしまった場合などは、税務署に申請書を提出または郵送すれば、再交付を受けることができます。手数料はかかりません。

参考:年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書

まとめ

住宅ローン控除を受けるには、初回には確定申告をすることが必要です。その際には確定申告書に計算書とさまざまな住宅取得や住宅ローンに関する書類を添付して税務署に提出します。

会社員等であれば2年目以降は、税務署から送られてくる年末調整のための給与所得者の住宅借入金等特別控除証明書と、金融機関から送られてくる住宅ローンの年末残高証明書を利用して、年末調整もしくは確定申告で、住宅ローン控除の手続きができます。

住宅ローン控除を受けるための確定申告では、多くの書類が必要ですが、万一紛失しても再発行は可能です。書類の紛失や不足に気づいたら、その書類の発行窓口に問い合わせて早めに再発行の手続きをとりましょう。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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