2021年12月7日に開催された「ARUHI presents 本当に住みやすい街大賞2022」。1都3県の「本当に住みやすい街」TOP10を発表するなか、東京都町田市の多摩境(京王相模原線)が第3位にランクインしました。そこで、町田市の石阪 丈一市長に、受賞への思いや多摩境の魅力、行政としての取り組みなどについてお話を聞きました。

町田市長 石阪 丈一(いしざか じょういち)さん
1947年生まれ。町田市野津田町出身。1971年横浜市総務局就職、横浜市企画財政局、横浜市総務局緊急改革推進本部理事などを経て、2004年4月横浜市港北区長就任(2005年9月退任)。2006年3月より現職。

※撮影時のみマスクを外しています

雇用や生活利便性も含めて開発された街。「リニア新駅の隣」による付加価値も

リニア中央新幹線の新駅ができることにより「『橋本(相模原市緑区)の隣駅』を最寄り駅にすることを選ぶ人が増えるのではないか」と石阪市長

―今回の受賞に対する率直な感想をお聞かせください

タイトルに「本当に」とついていましたが、イメージや憧れではなく、実際に「住みやすい」という評価で第3位にランクインしたことは本当にありがたいと思います。

―授賞式典では選定理由として「少し前は何もなかったおかげで、駅から徒歩圏内に商業施設などが一気にできた」という話が挙がりました

多摩境は、多摩ニュータウンの中で最後の土地区画整理事業で生まれた、新しい街です。旧来の住宅開発ではなく、住宅や工業団地、商業施設、そしてさまざまなサービス業を複合的に立地させ、新しい開発思想のもと、住宅だけでなく雇用や生活利便性も含めた街づくりを行っています。そのコンセプトが最終的に「本当に住みやすい街」につながったのかなと思います。

―リニア中央新幹線の新駅ができる橋本の隣駅で、バスでもアクセスできることから「大化けするのでは?」という選定委員の声もありましたね

最近の例で言いますと、東急と町田市による「南町田拠点創出まちづくりプロジェクト」の一環で再開発を実施し、2019年に「南町田グランベリーパーク」が完成しましたが、オープンする3年ほど前から周辺のマンション価格が上昇したのは、開発に対する期待が分譲価格に表れたのだと思います。橋本にリニア中央新幹線の新駅ができることに対しても、実際の工事がもう少し進めば地価にも影響が出ると思います。

多摩境は「緑と緑の間に住宅がある立地」が都市計画で約束されたエリア

「多摩境には高層マンションはありますが、後ろは緑地ですし、前面道路の向こうも緑地で緑に囲まれています。住んでいる人にとって、日常風景から感じる心理的な効果は大きいのではないでしょうか」と石阪市長

―石阪市長の思う、多摩境の魅力を教えてください 

まずは「交通利便性」です。隣の橋本駅で利用できる京王相模原線やJR横浜線、リニア中央新幹線(建設中)といった鉄道の利便性も大切ですが、圏央道の相模原ICや中央自動車道の八王子ICが近く、圏央道経由で東名高速道路や新東名高速道路(開通予定)も利用でき、電車でも自動車でも移動しやすい環境です。
また、「商業施設の充実」は周知のとおりで、広域から人が集まっています。保育所や幼稚園、学校が至近にあり、「保育・教育環境」も申し分がありません。大きな劇場やホールはありませんが、隣の南大沢や橋本に行けば「文化的活動」にも触れることができます。

そして、多摩境には「豊かな自然」があります。多摩境駅前の地区計画として、住宅の前面と道路の間をセットバックすることや、緑地を保全するといった決まりがあり、学校や工場、店舗などの一部民有地は、自分の土地であっても緑を保全しなければならない「民有緑地」を抱えています。つまり「緑と緑の間に住宅や工場がある」という立地が都市計画で定められたエリアです。都心の利便性は魅力ですが、緑豊かな環境を整備することで「多摩境を住む街に選ぶ」ことにひとつの意味を感じていただけるのではないでしょうか。

多摩境の街の魅力を記事で詳しく読む:【本当に住みやすい街大賞2022】第3位 多摩境:商業施設と緑豊かなエリアが調和、リニア新駅でさらなる発展が期待される郊外型ニュータウン

ライフステージに合わせて、さまざまな取り組みを実施

市長自ら子どもの声に耳を傾ける機会が多いとのこと。「子どもたちは大人のようにさまざまな事情を考慮せずに発言するため、忖度がありません。厳しい意見ばかりですが、そうした発言にたくさんのヒントがあります」

―「住みやすい街」となるために、これまでに行政として取り組んできたことを教えてください 

多摩境に新しく転入してくる多くが、乳幼児・児童のいる家庭です。子どもたちの転入超過に合わせて保育所や小学校、学童保育クラブを作ることに10年来追われてきました。働きざかりの年代に向けては、小さな児童館をマンション内につくる取り組みも実施しています。
そのほかに、土地区画整理事業用地のなかに特別養護老人ホームを2つ新設しました。市民サービスの充実はもちろんのこと、東京23区など、介護サービスを受けたくても受けることができないケースが多いエリアの方々を受け入れることができる施設を新設できた意義は大きいと思っております。

―子どものために、ほかにはどのような取り組みが進められていますか

町田市では、子どもや若者が行政に参画する取り組みを行っています。毎年子どもセンターに市長が行き、「若者が市長と語る会」の中で中高生から直接意見を聞いています。また、「市民参加型事業評価」という取り組みでは、2017年度から評価人として高校生を迎え、政策提言をもらっています。
こうした子どもの参画に関する取り組みが評価され、公益財団法人 日本ユニセフ協会CFCI委員会から「子どもにやさしいまちづくり事業実践自治体」として承認され、日本で初めて本格的に事業をスタートすることになりました。また、2019年にはドイツのケルン市で行われた「子どもにやさしいまち(CFC)サミット」に、町田市が日本を代表して参加するなど、子どもにやさしい街づくりを進めてきました。子どもにやさしい街ということは、すべての人にやさしいということに繋がります。このコンセプトを、これからもっと周知していきたいですね。

「子育てナンバーワン」で「子どもにやさしい」 子育て世代に選ばれる街へ

子育て世代にターゲットを絞り、さまざまな取り組みを推進してきた石阪市長

―最後に、引っ越し先を探している人や検討中の人に向けてメッセージをお願いします

町田市では、保育所などを整備することにより待機児童数が2桁まで減少しました。また、子どもセンター・子どもクラブ(児童館)や冒険遊び場(プレーパーク)を積極的に新設することで、子どもの居場所づくりを進めてきました。子育てしやすいまちづくりに取り組んできた結果、毎年500~600人、転出者よりも転入者が多い状況で、14歳以下の子どもの転入超過数は全国でも常に上位です。「子育てナンバーワンの都市」「子どもにやさしい都市」を自負しており、これからも多くの子育て世代に選ばれる街となるよう、尽力していきます。

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