ユニットハウスにも固定資産税は必要? ユニットハウス建築に必要なことを解説

テレワークの普及により、自宅にワークスペースを作りたいという人が増えています。そこで注目されているのがユニットハウス。仕事場や遊び場として使える便利なスペースですが、ユニットハウスを設置するときに気になるのが固定資産税ではないでしょうか。

この記事では、ユニットハウスの固定資産税について解説します。自宅の敷地にユニットハウスを設置したい人は参考にしてみてください。

ユニットハウスにも固定資産税はかかるのか?

固定資産税は土地や建物に対して発生しますが、ユニットハウスを自宅に建てた場合にも固定資産税はかかるのでしょうか。ここでは、ユニットハウスの固定資産税について解説します。

固定資産税とは

固定資産税とは、土地や家屋の資産価値に応じて課税する財産税で、資産価値は固定資産評価基準によって算出されます。地方税であるため、納付先は国ではなく各自治体です。納付先はその固定資産がある市町村ですが、東京23区は特例で東京都が課税します。

住宅は居住年数が長くなるにつれて資産価値が下がるため、それに応じ固定資産税の支払額も年々減少します。対して、土地の価値は居住年数による影響を受けないという点が特徴的です。

固定資産税は、土地や家屋を所有する限りずっと払い続けるものなので、コンテナハウスがこれに該当するのかどうか設置前に確認しておきましょう。

固定資産税が発生する条件

固定資産税は所有する土地や家屋、および償却資産に課税されます。償却資産とは「土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産」のことです。そのため、土地や家屋以外に、事業用のパソコンなどの機器、テーブルなどの家具にも固定資産税はかかります。

固定資産税が発生するのかどうかは、対象のものが土地、家屋、償却資産のいずれかに該当するのかどうかにかかっています。ユニットハウスの場合、家屋と判別されれば固定資産税がかかることになるでしょう。

ユニットハウスも固定資産税がかかる

結論として、ユニットハウスは家屋と判定されるため、固定資産税がかかります。ユニットハウスに限らず固定資産税の対象家屋の条件は以下のとおりです。

1.外気分断性:屋根や壁等により外気を分断し得る構造になっている
2.土地定着性:物理的に土地に固着して容易に移動し得ない
3.用途性: 天井の高さが1.5m以上で、目的とする用途に供し得る利用空間がある

引用元:宇治市公式ホームページ「家屋とは」

ユニットハウスは壁と屋根があり、基礎工事まで行うことはほとんどないものの、容易には動かせません。また、仕事部屋や子どもの遊び場などの目的に応じて設置されることがほとんどです。したがって、ユニットハウスにも基本的に固定資産税が課されることになります。

ユニットハウスにかかる固定資産税の計算方法と納付時期

家屋の固定資産税は以下の計算式で求められます。

家屋の固定資産税計算方法:課税台帳に登録されている価格 × 税率1.4%

引用:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

課税台帳に登録されている価格は、ユニットハウスの価格によって異なります。納付時期は6月、9月、12月、2月の年4回です。納付先は自分の住所ではなく、ユニットハウスを設置している場所の市区町村(東京23区の場合は東京都)が納付先になります。

更地にユニットハウスを建てれば土地の固定資産税が安くなる?

ユニットハウスには固定資産税がかかりますが、場合によっては設置場所の土地の固定資産税を安くできることもあります。

人が住居目的で利用する土地に対しては特例措置があり、固定資産税が軽減されます。つまり、人が住まない駐車場や更地の固定資産税は宅地よりも高めです。しかし、駐車場や更地であっても、そこにユニットハウスを建てると宅地と判断されるようになります。

そのため、駐車場や更地にユニットハウスを建てれば、ユニットハウスの固定資産税はかかるものの土地自体の固定資産税は安くなります。

東京都では、令和3年時点で住宅1戸あたり200平方メートルまでの部分(小規模住宅用地)に対する税額を、都税条例により2分の1にできるとされています。これらの土地に住宅目的のユニットハウスを建てれば、土地の固定資産税が軽減されるので、建設場所の一つとして検討してみてはどうでしょうか。

ユニットハウス建築時に行うこと

ユニットハウスを建築するときには、ただ建てるだけではなくいろいろな手続きが必要です。ここでは、ユニットハウスの建築時にやるべきことについて解説します。

建築確認申請

建築確認とは、住宅を建築する前に建築基準法に適合する建物や地盤かどうかを確認することです。

建ぺい率や容積率、シックハウス対策、居住スペースの採光などあらゆるチェックをして申請します。ユニットハウスを建てるときにも、基本的には建築確認申請が必要です。ただし、地域によっては建築確認申請が必要ない場合もあるので、ユニットハウスを建てる場所の市区町村に問い合わせてみましょう。

複雑な内容ですが、建築確認申請を施主自身が行うことはほとんどありません。多くの場合、施工業者が手続きを代行してくれるので安心してください。

不動産登記

ユニットハウスも建物や土地のように不動産であるため、不動産登記が必要です。不動産登記とは、建物や土地の状況、所有者・債権者を登記簿に登録することです。

ほかにも、所在地や地目、抵当権の設定などさまざまな項目について登録します。不動産登記も建築確認申請と同じように、施主自身が手続きをすることは少なく、通常は司法書士に依頼します。

この手続きは不動産登記法にもとづき、竣工から1ヶ月以内にしなければなりません。

必要であれば火災保険に加入する

ユニットハウスも、普通の住宅と同じように火災保険に加入できます。火災保険に入れば、火災だけではなく、水害や落雷、風害などでユニットハウスに損害があった際に補償されます。さらに、隣家からの延焼があった場合も補償の対象です。

ただし、中古でユニットハウスを購入し、築年数が古く現在の建築基準法を満たしていない場合、火災保険に入れないかもしれません。条件をよく確認しましょう。

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まとめ

ユニットハウスは一般的な住宅と同じように家屋に該当するため、固定資産税が発生することを覚えておきましょう。税額は、ユニットハウスの価値に応じて算出されます。

また、更地に住宅目的のユニットハウスを設置する場合は、土地にかかる固定資産税を節約できます。ユニットハウスの建築時には、建てる場所についてもよく検討してみましょう。

(最終更新日:2024.04.19)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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