2021年の住宅市場は、新築・中古、マンション・戸建て住宅にかかわらず売行きが好調で、価格が上がり続けてきました。2022年も当面はその傾向が続きそうですが、そろそろ上昇一辺倒から、潮目の変化が訪れる可能性もあります。2022年に住宅購入を考えている人は、その見極めが大切になりそうです。

中古マンションは10年間で4割以上の上昇

首都圏では新築マンションの供給量が減少し、特に都心やその周辺では希少性が高まり、価格が上がり続けてきました。それを追うように、中古マンションの成約価格も上昇しました。図表1にあるように、新築マンションは2010年度には4,686万円だったのが、20年度は5,994万円で、10年間の値上がり率は27.9%です。中古マンションも2,581万円から3,668万円ですから、こちらは42.1%も上がっています。
2022年もこの状態が続くのでしょうか。あるいは、そろそろ曲がり角になるのでしょうか。(1)地価や建築費の見通し、(2)税制などの住宅取得支援策の動向、(3)市場の需給見通し――の3点から展望してみましょう。

首都圏マンション価格の推移グラフ
出典:新築は不動産経済研究所,中古は東日本不動産流通機構調べ

ウッドショックの影響はこれから本格化する

まず地価や建築費の見通しからすると、コストアップ要素が大きく、当分の間は価格高騰が続きそうな気配です。

コロナ禍で2021年には公示地価、基準地価などの公的指標は下落から横ばい傾向でしたが、実は、2020年後半と2021年前半を比較すると、2020年後半より2021年前半の上昇率が高くなっています。特に、マンション適地といわれる人気エリアの駅前、駅近は土地の出物が少なく、出たとしても価格は高い状態が続き、分譲価格の押し上げ要因になっています。

建築費についても、海外発のウッドショック、アイアンショックの影響がやまず、特に木造住宅については図表2にあるように、建築費の高騰が続いています。この建設工事費デフレーターというのは、基準年度(2015年度)に対する現在の相場を示す指数です。この場合には、木造住宅は2015年度から15.5ポイント上がっていることになります。

住宅メーカーの幹部によると、「欧米ではそろそろ上昇が止まりつつありますが、これから高値で契約した木材が入ってくるので、3,000万円台の注文住宅で200万円ほどのコストアップになるのではないか」としているほどで、建築費の動向も価格アップの要因になりそうです。

建築工事費デフレーターの推移グラフ
出典:国土交通省「建設工事費デフレーター」

2022年の住宅ローン減税、控除額は縮小

2019年の消費税引上げ、2020年からの新型コロナウイルス感染症拡大に対応して、住宅取得を促進し、景気を刺激するための施策が実施されてきました。具体的には住宅ローン減税の拡充を初めとする住宅取得支援策です。

2022年にはそれが一段落、住宅ローン減税は縮小されます。図表3にあるように、2021年は一般住宅の最大控除額は480万円だったのが、2022年には273万円に減少する予定です。

ただでさえ、新型コロナウイルス変異株に対する不安感が続いているだけに、消費者も先行き不安から住宅購入をためらう可能性が高くなっています。加えてローン減税の縮小となれば、消費者の購入意欲は一段と冷え込みそうです。

住宅ローン減税制度の変化一覧表
出典:国土交通省などの資料をもとに著者作成

新規売出し価格では成約しにくくなっている

最後に(3)の市場の需給見通しをみると、住宅価格が高くなり過ぎているため、一般消費者はそろそろ高値についていけなくなりつつあるのではないでしょうか。

新築マンション市場をみると、首都圏の月間契約率は好不調のボーダーラインといわれる70%ラインを維持する月が多いのですが、近畿圏では下回る月が増えています。首都圏の契約率も下がる可能性がありそうです。

首都圏の中古マンションの成約件数をみると2021年後半は前年と比べて減少傾向で、中古戸建て住宅も2021年前半は毎月のように過去最高の成約件数を更新してきたのが、2021年後半には減速しています。

その結果、図表4にあるように、新規登録(新規の売出し)価格と成約価格の差が開きつつあります。つまり、新規売出し価格では成約が難しく、ある程度の値引きが行われるようになっているのではないかと推測されます。

首都圏中古マンションの1平方メートル単価の推移グラフ
出典:東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」

2022年半ばには価格も頭打ちになる可能性

これまでは相場の先行きが高いと予想され、売主の売り控え、売り惜しみが目立ち、中古住宅市場では新規登録(新規の売出し)件数、在庫件数ともに急速に減少してきました。それが、住宅価格を押し上げていた面もありました。

その新規登録が2021年11月には増加に転じたのです。売主のなかには、「そろそろ価格もピークかもしれない。いまのうちに売っておいたほうがいいかも」と考える人が出てきたのではないでしょうか。

以上のような点を考え合わせると、すぐにもというわけではないでしょうが、住宅価格の上昇一辺倒に歯止めがかかり、2022年半ばあたりまでには価格が頭打ちになるかもしれません。すぐに、下落ということではなく、高止まりかもしれませんが、潮目の変化が訪れる可能性が高いのではないかと考えられます。

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(最終更新日:2022.05.18)
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