1人暮らしでも無理なく貯金ができるようになる!継続しやすい節約術5選

将来のために蓄えは欲しいけれど、貯金は苦手という人も少なくないでしょう。特に1人暮らしを始めたばかりでは、家賃や生活費など思いのほかお金がかかることに気づき、普段から貯金する難しさを痛感しやすくなります。そこで今回は、1人暮らしでも無理なく貯金をするために実践したい5つのおすすめ節約術を紹介していきます。

1人暮らしにかかる生活費の目安

1人暮らしにかかる生活費の目安
出典:「家計調査|総務省統計局(2019年)」

上の表は、1人暮らしでどのような費用がかかるのか、主な費目について家計調査を元にまとめたものです。

1人暮らし世帯と2人暮らし世帯を比較すると、支出額全体では持ち家比率が関係していると考えられる住居費以外のすべての費目で2人暮らしが上回っています。ただし、1人当たりに換算すると1人暮らしの負担が重くなっているのがわかります。

特に支出が大きいのは、食料費、住居費と交通・通信費。なかでも食料費はウェイトが大きく、1人暮らしにおける消費支出合計の約1/4を占めています。

家計調査の内容をさらに細かく見ていくと、1人暮らしでは食料費のうち外食費が11,060円となっており、2人暮らしの9,478円を上回っているのが特徴です。普段の食事が外食中心なのか自炊中心なのかによって、食料費は大きく変わってくるといえるでしょう。

単身者の貯蓄額

それでは1人暮らしの人は、実際どれくらい貯蓄をしているのでしょうか。金融広報中央委員会が行った「家計の金融行動に関する世論調査(2020年)」によると、単身世帯の金融資産保有額の中央値は50万円。金融資産をいずれも保有していないと回答した世帯も5.1%あり、1人暮らしで貯金をするのは難しいことがわかります。ここからは、1人暮らしでも無理なく貯金する方法について詳しく解説していきます。

継続しやすい 1人暮らしの節約の順序とは?

1人暮らしで無理なく貯金をするためには、家計を適切に節約することが大切。節約は次の順序で進めていくのがおすすめです。

1. 家計簿等を付けて支出を把握する
2. 特に支出の割合が高く、一度で大きな効果が期待できる固定費を見直す
3. 変動費を見直す

無理なく貯金できる状態を作るためには、変動費ではなく支出に占める割合の大きい固定費に着目して節約していくとよいでしょう。

固定費と変動費の違い

支出には大きく分けて固定費と変動費があります。固定費とは、毎月・毎年固定で支払う必要のある費用のこと。たとえば家賃や住宅ローン、駐車場料金、水道光熱費の基本料金、通信費の基本料金、保険料などが該当します。

対する変動費は、日や月によって金額が変動する費用のこと。食費、医療費、日用品代、水道光熱費や通信費の使用料金部分、交通費、交際費などは変動費に分類できます。

固定費の見直しは節約効果が持続する

外食をやめて自炊にする、電気をこまめに消す、お風呂は浴槽に浸からずシャワーで済ませる、エアコンを極力使わないなど、世間ではさまざまな節約法が紹介されています。しかし、それらの多くは変動費を抑える方法です。どれも一定の我慢が必要な割に、節約の効果は一時的で決して大きくありません。

その反面、家賃をはじめとした固定費は、一度見直すと節約効果が長期間持続するのがポイント。1ヶ月当たりの節約できる金額が小さかったとしても、節約を簡単に継続できるため、結果として節約効果が高くなります。こうしたことから、まずは固定費の節約を検討するのがおすすめなのです。

1人暮らしでも無理なく貯金できる節約術5選

ここからは、1人暮らしでも無理なく貯金するために実践したい節約術を5つ紹介していきます。いずれの方法も固定費の見直しに焦点を当てているので、一度見直しをするだけで、その後は楽に節約効果を実感できるでしょう。

(1)家賃は手取り収入の25%程度に抑える

賃貸住宅に住んでいる場合、毎月の家賃支払いは大きな負担になります。よく「家賃は収入の30%以内にするのがよい」などといわれますが、ここでいわれる「収入」とは額面のことではありません。税額や各種控除を除いた手取り額の30%以内を家賃負担の目安としたいところです。

多くの人にとって家賃は消費支出の大きな割合を占めるため、手取り額の25%程度まで抑えることができれば、家計に余裕が生まれます。家賃を一度見直せば、その家に住んでいる間は継続的に支出を抑えられるので、自然とお金が貯まるようになるでしょう。

(2)通信費を見直す

今や生活必需品といっても過言ではないスマートフォンや、定着しつつある在宅ワークに欠かせないインターネット環境など、通信関連の費用も大きな支出です。家計調査によると、1人暮らし世帯における1ヶ月当たりの通信費は平均6,793円。自身の通信費がこの額を超えているようであれば、見直しを検討するのがよいかもしれません。

通信費を見直す方法としては、次のようなものが挙げられます。

 ・格安スマホや各社の新料金プランに乗り換える
 ・インターネット利用料金込みの住まいを選ぶ
 ・Wi-Fiや固定回線のプランやプロバイダを見直す

特に、最近では携帯キャリア各社が新料金プランを打ち出しているので、スマートフォン料金を見直してみるのがおすすめです。

(3)保険を見直す

1人暮らしでも月額平均7,666円の保険医療費を支払っていることから、人によっては、保険料も大きなウェイトを占める固定費の一つと考えられます。しかし、世帯主として家族の生活を支えている人でない限り、死亡保険をはじめとした多額の生命保険に加入する必要はあまりありません。1人暮らしの場合、何かあった際に個人の収入を補えるだけの保険があれば十分という人が多いはずです。無駄な保険には入らないことが家計の節約につながります。

特に、1人暮らしで月3,000円以上の生命保険料を支払っている場合には、見直しを検討する価値があるといえるでしょう。国民皆保険の日本では、自己負担上限額を超える医療費がかかった際に適用される高額療養費制度など、公的な社会保障制度が充実しています。それでもカバーできない部分を補うという意識で保険を選べば、少ない保険料でも十分に必要な保障を構築することができるでしょう。このように社会保障制度や生命保険についての理解を深め、保険の加入目的を明確化したうえで選び直せば、保険料の削減が期待できるのです。

また、自動車保険などの損害保険も、代理店を通さずインターネットなどで加入する「ダイレクト型」を選べば保険料を減らすことができます。

(4)サブスクリプションサービスを見直す

最近では動画配信サービスや音楽ストリーミングサービスなど、サブスクリプションサービスを利用する人が増えています。サブスクリプションサービスは一度加入すると、自動的に毎月支払いが発生するため、放置してしまうと不要な支出の温床になりかねません。

この記事を読んでいる人のなかにも、ほとんど使っていないサブスクリプションサービスを契約したまま放置している人はいませんか。今一度自身が契約しているサブスクリプションサービスを確認し、本当に必要なもののみに厳選することで、月々の固定費を節約できます。

(5)水道光熱費のプランを見直す

水道光熱費の内、基本料金分は毎月かかる固定費です。2016年4月の電力自由化・2017年4月のガス自由化以降、電気・ガスや通信の契約をまとめると、契約料金がお得になるサービスが各社から提供されています。通信費のプランと同様、電気やガスといったインフラのプランを見直せば固定費節約につながるのです。

また、電力会社によっては契約アンペア数に応じて基本料金が決まるため、アンペア数を下げると基本料金を節約できる場合があります。さらに、変動費でも一度おこなうと効果が持続する節約方法として、シャワーヘッドや浄水器を節約タイプのものに変える方法もあります。このように、普段から自然と水道使用量を減るような工夫を施すとよいでしょう。

家計調査における1人暮らしの月当たり水道光熱費は平均11,652円なので、平均以下に抑えるのを目標に支出を見直してみてはいかがでしょうか。

まとめ

1人暮らしは2人以上の世帯より1人当たりの負担が重く、お金が貯まりにくいというのが実態です。無理なく貯金できるようにするためには、まず固定費の削減から取り組んでいきましょう。継続的な節約効果が見込める固定費を見直せば、年間数十万円の節約につながるケースも少なくありません。固定費の見直しで一定の成果が出たら、次のステップとして無理のない範囲で自炊するなど、変動費の削減に挑戦してみるのもおすすめです。

参照:「家計調査」家計収支編 総世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 4 世帯人員・世帯主の年齢階級別 総世帯・勤労者世帯 年次 2019年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)

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