加湿器の掃除にはクエン酸が最適! しつこい水垢を落とす方法

加湿器はどのように掃除すればいいか迷っている人もいるでしょう。加湿器の掃除は大変そうに思えますが、クエン酸を使用すれば簡単にきれいにできます。

この記事では、クエン酸を使った加湿器の掃除方法について説明します。掃除の注意点についても解説するため、ぜひ参考にしてください。

加湿器は意外と汚れやすい

加湿器は意外と汚れがたまりやすい機器です。ここでは、加湿器には具体的にどのような汚れがつきやすいのか説明します。

汚れやすい加湿器

基本的に、加湿器には水道水しか入れません。そのため、汚れがたまりにくいとイメージしている人もいるでしょう。しかし、常に水があるということは、水垢がたまりやすいということもでもあります。

水垢を放置していると、知らないうちにカビや雑菌の温床になることがあります。加湿を清潔に保つためには、こまめに掃除を行うことが大切です。加湿器は意外と汚れやすいという意識を常にもっておきましょう。

汚れた加湿器が病気を招くことも

加湿器が汚れた状態で使用し続けていると、加湿器の内部で繁殖したカビや雑菌が部屋中に広がるおそれがあります。近年、加湿器のカビや雑菌が原因となって起こる「加湿器肺炎」が報道されています。(参考元:NHK「加湿器で肺炎!? 正しく使って」)

ウェザーニュース「命にかかわることもある加湿器肺炎、どう予防する?」の中で、吉田勝明横浜相原病院院長は「加湿器肺炎は加湿器の中に発育したカビや、場合によってはレジオネラ菌などを吸い込むことで起こります。カビ自体は病原性が弱く肺に直接炎症を起こさせることはありませんが、肺や気管支がカビによるアレルギー反応を起こすことが加湿器肺炎の原因となっています」と述べています。

また、吉田院長は「軽症の例では加湿器の使用をやめれば、加湿器肺炎は自然に改善します」と指摘しているものの、レジオネラ菌が原因のレジオネラ肺炎による死亡例もあることに警鐘を鳴らしています。

こんなことが起きないように、加湿器はこまめに掃除をしましょう。

加湿器の汚れの種類

意外と汚れやすい加湿器
利用するのは「水だけ」だが意外と汚れやすい加湿器(画像素材:PIXTA)

加湿器にたまる汚れは、カビ・雑菌と水垢の2つに大別されます。加湿器でカビや雑菌が繁殖すると、黒ずみやぬめりが発生します。すでに説明したとおり、ぬめりはレジオネラ菌を繁殖させる原因にもなるため特に注意が必要です。こまめに掃除をして黒ずみやぬめりがたまらないようにしましょう。

また、水垢の原因は、水道水に含まれているカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分です。ミネラル成分が加湿器のフィルターやタンクに付着すると、水垢となります。水垢の主成分は炭酸カルシウムなので、アルカリ性です。そのため、酸性の成分を使用すると洗浄できます。

加湿器の掃除にはクエン酸がぴったり

クエン酸は弱酸性であるため、加湿器にたまる汚れを掃除するのに適しています。レモンに含まれている成分ですが、ドラッグストアや100円ショップなどでは掃除用のクエン酸も販売されています。

ここでは、クエン酸による加湿器の掃除方法を確認しましょう。

用意するもの

加湿器を掃除するためには、クエン酸のほかにもいくつか用意しておくべきものがあります。加湿器の掃除に必要なものをあげると、以下のとおりです。

・クエン酸
・ぬるま湯
・洗面器
・タオル
・歯ブラシ

洗面器ではなく、バケツを使用しても構いません。

パーツを外して水洗い

加湿器のパーツを外して水洗い
まずは加湿器のパーツを外して水洗い(画像素材:PIXTA)

まずは加湿器のパーツを本体から外し、水洗いしましょう。流水で汚れをある程度落としておけば、細かい部分にたまっている頑固な汚れも確認しやすくなります。また、あらかじめ大きな汚れを落としておくと、クエン酸がより浸透しやすくなります。加湿器の汚れをきちんと落とすためにも、なるべく丁寧に水洗いをしておきましょう。

クエン酸水を作る

洗面器にぬるま湯を入れ、クエン酸を溶かしてクエン酸水を作りましょう。クエン酸水の濃度は、購入したクエン酸のパッケージに従ってください。目安がわからない場合は、1%程度の濃度になるように調整しましょう。クエン酸水は、加湿器のパーツがすべてしっかりつかる程度の量が必要です。

パーツをクエン酸水に入れてつけおき

水洗いしておいたパーツを洗面器に入れ、クエン酸水につけおきまします。つけおきする時間の目安は、30分から1時間程度です。汚れたパーツをクエン酸水でつけおきすると、汚れがしっかり浮き上がります。実際につけおきする時間は、汚れの具合にあわせて調整してください。

ぞうきんや歯ブラシで洗う

つけおきすれば大半の汚れが落ちていますが、頑固な汚れが残っていたり、細部に汚れがたまっていたりする可能性があります。つけおきしていたパーツを取り出したら、タオルや歯ブラシを使ってさらに洗いましょう。溝や接合部分についている汚れはとれにくいため、特に入念に洗う必要があります。細かい部分までしっかりチェックすることが大切です。

水ですすぐ

全体の汚れを落とせたら、最後に流水でクエン酸の成分をしっかりすすぎます。クエン酸の成分が残った状態でパーツを加湿器に戻すと、故障や臭いの原因になる可能性があるため注意が必要です。2分程度かけて流水でパーツをすすぎましょう。素手でパーツを触りながらすすぐと、洗い残しを防げます。

乾燥させる

パーツを水ですすぎ終わった後は、よく乾燥させる必要があります。水分が残っていると雑菌が繁殖しやすくなり、すぐに汚れがたまってしまうでしょう。

まずはタオルで全体の水気を拭き取ります。そのうえで自然乾燥させ、十分に乾いたところで本体にパーツを戻します。細かいパーツもありますが、正しい場所にきちんと戻すようにしてください。

クエン酸を使った掃除の注意点

クエン酸を使って加湿器を掃除する際は、気をつけるべきこともあります。ここでは、具体的な注意点について解説します。

酸性に弱い素材には触れさせない

クエン酸を使用するときは、加湿器だけでなく周囲のものの素材にも注意すべきです。たとえば、大理石にはカルシウムが含まれており、クエン酸が触れると溶けるおそれがあります。大理石が使用されているキッチンや浴室などで加湿器を掃除する場合は、特に注意が必要です。

また、金属にクエン酸が触れると、錆びる可能性があります。クエン酸を使用するときは、金属が使用されている部分にも気をつけましょう。クエン酸が触れる可能性があるものの素材を確認したうえで使用してください。

塩素系漂白剤とは併用しない

クエン酸は弱酸性であり、塩素系漂白剤と同時に使用すると有毒ガスが発生します。掃除の際に両方を同時に使用しないように気をつけましょう。

加湿器にカビが発生した場合、塩素系漂白剤を使用して掃除する人も多く見られます。塩素系漂白剤を使用してすぐにクエン酸を使うと、成分が混ざる危険性があります。加湿器の掃除に限らず、クエン酸は塩素系漂白剤と併用してはいけません。塩素系漂白剤のパッケージにも「混ぜるな危険」と記載されているため、必ず確かめましょう。

クエン酸がない場合は

クエン酸がない場合は、酢・重曹を活用
クエン酸がない場合は、酢・重曹を活用しよう(画像素材:PIXTA)

クエン酸は100円ショップやドラッグストアなどで簡単に手に入りますが、使いたいときに手元にない場合もあるでしょう。ここでは、クエン酸がない場合に代用できるものを紹介します。

酢で代用

クエン酸がない場合は、同じ酸性の酢を使用して掃除することも可能です。水1リットルあたり25ミリリットルの酢を混ぜましょう。酢は独特な臭いがあるため、つけおきは短時間で簡単に済ませる程度にするのがおすすめです。

重曹で代用

重曹の成分は炭酸水素ナトリウムであり、弱アルカリ性です。加湿器のカビや雑菌を除去したい場合は、重曹できれいにできます。ただし、水垢には効かないため、水垢もきれいにしたい場合は酢を併用しましょう。

重曹を使って加湿器を掃除する際も、クエン酸を使用する際と同じようにつけおき洗いをします。最初に流水で汚れを落としておくと、重曹の成分をしっかり浸透させやすくなります。

まとめ

加湿器を使用していると、知らないうちに汚れがたまってしまいます。汚れを放置していると、病気につながるリスクがあるため注意が必要です。加湿器を清潔に保つためには、こまめに掃除をしなければなりません。今回紹介した方法でクエン酸を使用すれば、加湿器にこびりつく水垢をきれいにできます。加湿器の掃除を習慣にして、汚れをためないようにしましょう。

(最終更新日:2021.12.15)
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