子育て世代の移住者に人気! 香川県三木町の暮らしやすさと魅力

コロナ禍のリモートワークもきっかけとなり「都心の喧騒を離れ、自然豊かな場所で子育てしたい」と考える人が増えているようです。そんな中、子育て世代の移住希望者の注目を集めている地域の一つが香川県木田郡三木町。今回はその理由を探ります。

子育てしやすい、仕事に便利。理想的な“トカイナカ”

瀬戸内海を望む香川県は一年を通じて温暖な気候が特徴です。三木町は県庁所在地である高松市に隣接しており、高松市中心部までは自家用車や公共交通機関で30分ほど。通勤や通学に便利な高松市のベッドタウンとして知られています。また神戸や大阪など阪神方面へも車で2時間と日帰りも十分可能で、高松空港を使えば東京まで1時間半。都会と心地よい距離感を保てる理想的な「トカイナカ」なのです。

大型スーパーや衣料品なども充実したショッピングモールなどもコンパクトに揃っているため、日々の暮らしに必要なものはほぼ町内で調達できます。町の中心部から離れた地域に住まう場合もコミュニティ・バスを利用できるので不便を感じることはないでしょう。

子育て世代にとって気がかりな、子どもの急な発熱やケガなどへの対応も、香川大学医学部附属病院をはじめ、10数件の医療機関があるため安心です。

個性の異なる4つのエリア

三木町は北から南に延びる縦に長い地形で4つのエリアに分けることができます。それぞれの特徴を見てみましょう。

三木町の全景とエリア区分
三木町の全景とエリア区分(香川県三木町提供/香川県三木町魅力発信サイト「KIT*MIKI」より)

・平井地区

“ことでん”の愛称で親しまれている高松琴平電気鉄道が東西に走る平井地区。高速バス停「獅子の里 三木」「さぬき三木IC」などを備えた三木町の入り口にあたります。創業30年を迎えた地域の人々に親しまれているショッピングセンター・ベルシティや香川大学農学部、医学部もあり賑やかなエリアです。

・氷上地区

三木町の中心に位置し、スーパー、ショッピングモール、産直の「とれとれ市」など生活を支える施設が充実しています。カルチャー講座の開催やトレーニング室を備えた「サンサン館みき」は住民同士の交流の場としても親しまれています。エリア南部の三木町総合運動公園には、大型遊具を設置した「ぼうけんパーク」もあり、子育て世代が親子で楽しめるスポットです。買い物などの利便性も高く、移住者にも人気のエリアです。

・白山地区

香川県に点在する讃岐七富士のひとつ「白山」がシンボルの白山地区。白山のふもとにある白山神社は桜の名所としても知られています。県内唯一のアイスアリーナを有する「トレスタ白山」では冬はアイススケート、夏はウォータースライダーのあるプールがにぎわいます。

・田中地区

平野部から徳島県との県境、山林が広がる自然豊かなエリアです。虹が現れることで知られる「虹の滝」周辺にはキャンプ場があり、アウトドアライフを満喫できます。南部の高仙山からは讃岐平野を一望する絶景を見ることができます。

「ぼうけんパーク」
「ぼうけんパーク」の大型遊具(香川県三木町提供/香川県三木町魅力発信サイト「KIT*MIKI」より)

移住を考える人に向けての情報を発信

移住を考えた時、最も知りたいのは“住む場所”と“仕事”ではないでしょうか? 三木町に移住を考える人に向けた公式サイト「KIT*MIKI」(キットミキ)」には移住を考えている人に向けての様々な情報を掲載しています。中でもユニークなのが「3カ月移住計画」と題されたコンテンツ。住まい探し、仕事探しから移住を完了するまでの3カ月間の様子を、実際に移住してきた「獅子一家」がシミュレーションしながら紹介しています。

その他にもサイトでは移住コーディネーターへの相談方法の紹介から、町内の中古売物件や賃貸物件の紹介、仕事探しに至るまで移住者にとって必要なサポートや情報が網羅されています。

香川県三木町魅力発信サイト「KIT*MIKI」
香川県三木町魅力発信サイト「KIT*MIKI」(香川県三木町提供)

移住者への助成金も魅力

移住者に向けてのサポートのひとつに「三木へきーまい助成金」があります。定められた条件を満たし、空き家バンク登録物件を利用する場合リフォーム費用100万円(特例あり)、残っている物件の家財道具の処分費用、物件購入費、家賃補助(36ヶ月)、引っ越し費用などについて助成金が支給されます。さらに移住検討のため三木町に宿泊する場合にも、1泊につき2,000円を補助してもらえるなどのサポートが得られます。

香川県三木町魅力発信サイト「KIT*MIKI」で紹介されている住宅物件の例
香川県三木町魅力発信サイト「KIT*MIKI」で紹介されている住宅物件の例(香川県三木町提供)

何かと手厚い、三木町の子育て支援

子育て世代の移住が増えている理由に、手厚い子育て支援が整っていることが挙げられます。妊娠から出産、育児と子育てをしていく中で、保護者や子どもたちに寄り添った細やかなサービスが充実しているのです。

・妊娠~出産まで

三木町では出産を控えた人に向け、妊娠から出産、子育てのための情報を網羅したハンドブック「MIKI IKUBON(みき育ぼん)」を配布(三木町ホームページからダウンロード可能)しています。

・産後ケア事業

産後、母親の体力が回復しないまま赤ちゃんのお世話が始まり、心や体が不安定になる場合があります。そんな時に利用できるのが、助産院や自宅で赤ちゃんのお世話や授乳について教えてもらえる宿泊、デイサービス、訪問型のサポート。母体ケア、乳児ケア、育児相談、沐浴指導などを受けることができ、「出産で疲れた体を休めることができた」「出産後の不安を解消することができた」など、利用者からも好評です。

・子育てホームヘルプサービス

妊娠中の人、3歳未満の子どもを養育している保護者を対象に炊事、洗濯、掃除、買い物などの家事援助が受けられるサービスです。出産したばかりで赤ちゃん同伴の外出がままならない、まだ小さい兄弟がいて手がかかる、近所に頼れる親族がいないといった場合にありがたいサービスです。三木町のシルバー人材センターと提携し、1時間あたり200円の料金で利用できます。

・放課後児童クラブ

町が運営する「放課後児童クラブ」が町内11ヶ所に開設されています。一般的な学童保育と異なり、小学3年生までといった年齢制限はなく、1年生から6年生まで対応してもらえます。月~金曜の放課後と、学校行事で振替休業日となる日、長期休業日に開設。安心して預けられて仕事ができると共働き世帯にも好評です。

放課後児童クラブの様子
放課後児童クラブの様子(香川県三木町提供/香川県三木町魅力発信サイト「KIT*MIKI」より)

・まんでがんふれあいホーム

保護者がリフレッシュするための時間や、冠婚葬祭、通院、介護などの際に子どもを預かってくれる施設「まんでがんふれあいホーム」。三木町に住民票のある人なら、生後6ヶ月~就学前の児童を預かってもらえますが、特筆すべきは利用時間。午前7時30分から深夜12時まで利用できるので、遠方に出かけなくてはならない場合にも安心です。深夜12時まで対応しているのは香川県内でも稀で、年間で延べ1000人の利用があります。

・その他の子育て支援

病気中や回復期の子どもを一時的に預かってもらえる「病児病後児保育」は、生後6ヶ月から小学6年生まで対応。病気中、病気回復中に集団保育が困難な場合や保護者の勤務など、家庭で保育が難しい場合に利用できます。

また「子育て支援センター」は、就学前の子どもたちと保護者が自由に利用できる施設。子どもが遊びを通じてさまざまな体験ができる場所としてだけでなく、保護者同士が子育ての情報交換や交流ができる場としても好評です。「ファミリーサポートセンター」では「子育ての支援をしてほしい人」と「子育ての援助をしたい人」それぞれが会員となり、一時的な子育てを助け合う有償ボランティア組織もあります。

子育て支援センターの利用者たち
子育て支援センターの利用者たち(香川県三木町提供/香川県三木町魅力発信サイト「KIT*MIKI」より)

移住者Aさんファミリーに聞いた「三木町での暮らし」

Aさんご夫婦は現在6歳の長男、2歳の長女と4人暮らし。2021年の3月に広島県から移住してきました。ご主人には将来パン屋を開きたいという夢があり、現在修行中です。三木町に移住を決めたきっかけは、ご主人がこの町をとても気に入ったことに加え子育てのしやすさも大きなポイントだったそうです。

「広島では一部負担しなくてはならなかった子どもの医療費が中学まで無料なのも驚きました。子どもが小さいうちは頻繁に通院するのでとても助かっています」とAさん。

通勤に便利なことも決め手となったそうで、「現在は共働きで高松市内に通勤していますが、通勤時間も30分と近い。また保育園、幼稚園も近く送迎にも便利です」と話します。

何より変わったのはお子さんたちで、「自然に囲まれているので、前は怖がっていた虫も全く平気でたくましくなりました。ご近所のお年寄りが子どもたちと一緒に遊んでくれることも以前は考えられなかったですね」とAさん。

現在のお住まいは三木町のホームページ内の空き家バンクで見つけた築10年の4LDKの中古住宅。リフォーム済みだったため即入居できたそうです。何かと費用がかかる転居についても「引っ越し費用にも助成金があってとても助かりました。これだけ広くてきれいな物件を手ごろな価格で購入できたのもラッキーでした。広島ではまず無理だったと思います。早くこの町でお店をオープンできるよう家族で頑張りたいです」と笑顔で語ってくれました。

まとめ

生活に便利なちょうど良い距離感の田舎で、自然の中でのびのびと子育てができる場所として注目されている香川県三木町。2020年度(令和2年度)に空き家バンク登録物件に居住し「三木へきーまい助成金」を利用した子育て世帯は6世帯に上りました。手厚い子育て支援にも早くから取り組んでいることからも、町ぐるみで子育てを応援してくれる安心感が人気の秘密です。

香川県三木町魅力発信サイト「KIT*MIKI」(キットミキ)ホームページ

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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