自宅で過ごす時間が増えたこの1年半。ARUHIとクックパッドが実施した共同調査『料理と暮らし白書2021』の結果をもとに、住まいに関する意識や行動はどのように変化したか、読み解いていきます。第7回のテーマは、おうち時間の工夫と幸福度の関係。おうち時間を実りあるものにするために工夫していること、それが幸福度にどのような影響を及ぼしているのかを紐解きます。

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「おうち時間」が増加した人は7割以上

出典:アルヒ株式会社・クックパッド株式会社による共同調査より筆者作成

まずは、新型コロナウイルスが流行する前(2020年3月以前)と比較し、自宅にいる時間が増えたかを聞いたところ、「増えた」人が61.4%、「やや増えた」人が9.8%と、71.2%の人がおうち時間の増加を実感している結果に。「やや減った」人は1.3%、「減った」人は0.8%と、おうち時間の減少を感じている人はわずか2.1%でした。

性別・年齢別で見ると、20~40代男性は「増えた」が40%弱、「やや増えた」が20%台なのに対し、50代以上の男性は7割以上の人が「増えた」と回答。女性では30代以上の人のうち、7割以上がおうち時間の増加を実感しています。外出自粛、リモートワークやオンライン授業などの普及で、自宅にいる時間が全般的に増えているようです。

半数以上の人が「おうち時間」を楽しむために工夫

出典:アルヒ株式会社・クックパッド株式会社による共同調査より筆者作成

コロナ禍の「おうち時間」を楽しむためにどの程度工夫しているかという質問に対しては、「工夫している」が13.4%、「やや工夫している」が39.4%で合わせて52.7%。「あまり工夫していない」が35.1%、「工夫していない」が12.2%で合わせて47.3%と、工夫層(工夫している+やや工夫している)が非工夫層(あまり工夫していない+工夫していない)をやや上回る結果となりました。

ちなみに、性別・年齢別で見ると、工夫層が多いのは30代女性(61.5%)と40代女性(59.8%)の子育て世代で、非工夫層が多いのは40代男性(54.0%)でした。実は、40代男性は在宅勤務をしていない人の割合が最も高く、家にいる時間が短いことからおうち時間を楽しむ工夫もあまり行っていないのかもしれません。
在宅勤務状況別に見ると、在宅勤務をしている人では工夫層が65.1%いるのに対し、在宅勤務をしていない人は46.3%と、在宅勤務により自宅で過ごす時間が多い人は、おうち時間を工夫する傾向にあることが分かりました。

「おうち時間」を楽しむための工夫とは?

おうち時間を楽しむために約半数の人が工夫をしていることが明らかになりましたが、具体的にどのような工夫をしているのでしょうか。自由回答の理由を一部紹介します。

在宅勤務環境の整備
・パソコンを買ったり、家具の配置を変えたりして屋内での過ごしやすい環境を整えた(愛知県/40代/男性/会社員)
・ネットワーク環境の整備(東京都/40代/男性/会社員)

家族時間の充実
・なるべく家族と話をする。コミュニケーションを多くとる(東京都/20代/男性/会社員)
・家族で遊べるゲームの購入や、動画配信サービスを取り入れた(大阪府/30代/男性/会社員)

居心地の良い家に
・部屋の大掃除や不用品の処分をこまめに行うようになりスッキリした(長野県/40代/男性/無職)
・観葉植物を置いて、空間を心地よくする(東京都/20代/女性/会社員)

運動不足の解消
・筋トレや有酸素運動を行い、運動不足を解消している(秋田県/40代/男性/会社員)
・ヨガを始めてみた(大阪府/20代/女性/自営業)

時間の有効活用
・時間のルーティンをきめる(埼玉県/30代/男性/会社員)
仕事に関する専門知識の勉強時間を確保したり、時間がなくて取り組めなかった片付けや、読書など自宅でできる趣味の時間を確保したり、充実した休日を過ごせるようにしている(東京都/20代/女性/公務員)

家で過ごす時間が増えたことを受け、少しでも有意義な時間を過ごせるように、家の中の環境を整えたり、意識的に家族とのコミュニケーションをはかったり、外出自粛による運動不足の解消に励んだりと、さまざまな工夫を行っているようです。

「おうち時間」を工夫するほど幸福度が高まる傾向

出典:アルヒ株式会社・クックパッド株式会社による共同調査より筆者作成 ※小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります

現在、おうち時間を楽しむために工夫をしている人は、生活全般に対してどのように感じているのでしょうか。生活全般の「幸福度」の高さを5段階で聞いたところ、おうち時間を工夫している人は「幸福度が高い」が19.6%、「やや幸福度が高い」が41.9%と、合わせて61.5%の人が幸福に感じているという結果に。やや工夫している人は幸福層(幸福度+やや幸福度が高い)が50.2%で、いずれも半数を超えました。一方、あまり工夫していない人は幸福層が35.2%、工夫していない人は幸福層が24%。おうち時間を工夫している人ほど、幸福度が高い傾向がうかがえます。

家族と過ごす時間が増えた人の半数以上が、幸福を実感

出典:アルヒ株式会社・クックパッド株式会社による共同調査より筆者作成

自宅にいる時間が増えるとともに、多くの人が長い時間を同居の家族やパートナーと過ごすようになりました。それにより、幸福度はどのように変化しているのでしょうか。
生活全般の「幸福度」の高さを5段階で聞いたところ、同居の家族やパートナーと過ごす時間が増えた人は「幸福度が高い」が11.2%、「やや幸福度が高い」が41.1%と、合わせて52.3%の人が幸福に感じているという結果に。同居の家族やパートナーと過ごす時間が減った人は「幸福度が高い」が5.6%、「やや幸福度が高い」が25.0%の合計30.6%と、同居の家族やパートナーと過ごす時間が増えた人ほど、幸福度が高いことが分かりました。自宅で長い時間を共に過ごすことでコミュニケーション不足の解消や家事の分担など、気になりつつもできなかったことが可能になり、幸福度も高まったのではないでしょうか。

まとめ

コロナ禍による外出自粛をストレスに感じている人は少なくないと思いますが、今回の調査結果では暮らしを楽しむ工夫を少なからず行っている人が多いことが明らかになりました。また、家族と今までよりも長い時間を過ごすことでコミュニケーションを深め、幸福度が高まっている傾向もうかがえます。コロナ禍がいつまで続くかわかりませんが、おうち時間を楽しむ工夫をすることで、この局面を乗り切りたいですね。

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