人間と同じ生活圏に巣を作るハチ。刺されると腫れ、時にアレルギー反応を引き起こすなど注意が必要な存在です。家の軒先に巣を作られると、家族が危険にさらされることもあるでしょう。ここでは、ハチの被害に遭わないための対策を紹介します。

ハチの種類と巣の特徴

ハチに刺されたことで命の危機につながる可能性も…

町なかで見られるハチの種類には主に以下が挙げられ、それぞれ巣の形状が異なります。

多くのケースでは人はハチに刺されると、ハチの毒に対する抗体ができますが、再び同じ種類のハチに刺された際にアナフィラキシーというショック症状を引き起こすと考えられています。人によっては初めて刺されたときでも嘔吐や呼吸困難をはじめとする症状が見られ、命を落とす危険さえあります。

巣の形状とハチの特徴を、併せてチェックしていきましょう。

スズメバチ

模様が特徴的なスズメバチの巣

スズメバチは気性が荒く、強力な毒を持っている危険なハチです。強靱なアゴを持っており、敵と見なしたものにカチカチ音を鳴らして威嚇するともいわれています。

巣の形はトックリやボールのような形で、貝殻のような模様が表面にあるのが特徴です。しかし、オオスズメバチは土の中に巣を作るため、目視での巣の発見は困難でしょう。

代表的な種類としては、コガタスズメバチ、キイロスズメバチ、オオスズメバチなどが挙げられます。

アシナガバチ

アシナガバチの巣は、スズメバチの巣よりもむき出しで小さめ

アシナガバチはスズメバチに比べておとなしい性格ですが、巣が大きくなってくる夏頃には攻撃性が高まります。決して巣に近づいたり、刺激したりしないように注意することはもちろん、子どもにも危険性をしっかり伝えておきましょう。

アシナガバチの巣は六角形を寄せ集めたような形状が特徴です。外皮のないむき出しの状態になっており、スズメバチの巣よりも小さめです。

ミツバチ

規則的に六角形が並ぶミツバチの巣

ミツバチはおとなしく、毒もスズメバチやアシナガバチより弱いと考えられています。刺激を与えることで襲い掛かってくる可能性があるため、むやみに近づくのは避けましょう。

ミツバチの巣もアシナガバチの巣と同様に外皮がなく剥き出しとなっています。板状で平行に並ぶ形状が特徴です。

ハチの巣はどんな場所にできる?

花壇やプランターなどが実はハチの温床に?

ハチにとって天敵から身を守ったり、エサを確保したりするのに適した場所は、家のあちらこちらにあります。ハチの特徴を理解してハチが巣を作りやすい場所を確認しましょう。

【ハチが巣を作りやすい場所】
軒下、天井裏、屋根裏部屋、戸袋、普段開閉しない窓、エアコンの室外機、外階段の踊り場、庭の植え込み、木のうろ、物置、テラスの軒下など

スズメバチやミツバチは雨に濡れるとうまく飛行できなくなります。巣も湿気に弱く、基本的には雨風をしのげる場所に巣を作ります。

人間にとって恐ろしい存在になり得るハチですが、ハチを捕食する鳥や動物、針が通らない頑丈な毛皮を持った動物などもいるため、意外にも天敵が多いのも事実。そのような存在から身を隠すため、軒下などの閉鎖された場所に巣を作ることもあります。

ミツバチのエサは、花の蜜や花粉がメインです。花壇や庭のプランターのそばの木に巣を作ることもあるでしょう。一方で、スズメバチやアシナガバチは肉食です。小さな昆虫やゴキブリなど、エサとなる虫が繁殖している場所に巣を作ります。

もしもハチの巣を見つけたら

いきなり自分で駆除しようとせず、まずは管理会社や役所などに相談を

自宅やその周りでハチの巣を見つけた場合、無理に近づいたり、駆除しようとしたりするのは危険です。まずは専門業者や行政、管理会社にハチの種類やハチの巣がある場所、巣の大きさといった状況を説明するため、遠巻きに巣を観察します。

役所に相談(持ち家の戸建ての場合)
多くの市区町村では、ハチの巣の駆除について相談ができることが多いようです。駆除にかかる費用の負担、専門業者の紹介など、対応の内容はさまざまです。まずは市区町村のホームページを調べてみましょう。

管理会社や大家さんに相談(集合住宅の場合)
マンションやアパートなどの集合住宅で発見した場合はすぐに自分で駆除せず、まずは管理会社や大家さんに連絡、対応について確認を取ります。その際に、どの部分にどの種類のハチの巣ができたのか、大きさはどれくらいかを伝えましょう。

エントランスや階段のように、複数の入居者が立ち入る共用部分に巣がある場合は、管理会社や大家さん側での対応となります。

専門業者へ依頼
自分で駆除する必要がある場合、ハチの数が多く、手が届かない駆除しにくい場所にある、またスズメバチなど危険な種類のハチが巣を作っていたときは無理せず専門業者に依頼しましょう。

ハチは巣が大きくなるほど駆除の危険性が高まり、駆除費用もかかるため、早めの対応がおすすめです。

なお、駆除時にすべてのハチが巣にいるとは限らないため、外に出ていたハチが駆除後に巣があった場所へ戻ってくる可能性もあります。専門業者によっては、再び巣を作られないようにトラップを設置し、数週間後に訪問してくれるアフターサービスがあるため、依頼の際に確認しておくとよいでしょう。

再び巣を作られないために

ハチに巣を作られないような環境作りを

ハチは春先から巣を作り始めます。前にハチの巣があった場所、ハチが好んで巣を作りやすい場所を重点的に対策・予防するようにしましょう。

庭の植え込みや木は剪定する
密度のある密閉した空間に巣を作りやすいため、庭の木や植え込みは剪定(せんてい)して風通しを良くしておきましょう。

防虫ネットを使用する
屋根裏や軒下の隙間など、虫が入り込む余地のある場所には防虫ネットを掛けることで予防できます。

ダミーのハチの巣をぶら下げる
アシナガバチはすでにハチの巣がある場所には巣を作らないといわれているので、ダミーのハチの巣をぶら下げて対処する方法もあります。市販のものもありますし、ペットボトルと新聞紙などで自作するのもいいでしょう。

ハチ予防用の駆除剤を使用する
ホームセンターなどで購入できる、予防用のスプレーを使うのが手軽です。1ヶ月ほどの効力のため、軒下や戸袋といったハチが巣を作りそうな場所に向け、適度に吹きかけ直す必要があります。

木酢液を使用する
木酢液という、ハチよけに効果的な液剤を活用する方法です。木酢液は木炭を焼く際に出る煙から採取した物質の、中間層のみを抽出したもので、ホームセンターなどで手軽に入手できます。

この木酢液を予防用のスプレーと同じく軒下や戸袋といったハチが巣を作りそうな場所に向けて散布するほか、希釈したものをバケツに入れて放置します。

ただし、ハチの嫌う焦げ臭い臭いが強い液剤のため、ベランダや洗濯物を干す場所などに吹き付けると服に臭いがついてしまうほか、濃度によっては壁などが変色したり金属がさびたりといった可能性もあります。取り扱いや設置場所には注意しましょう。

ハチに遭遇してしまったら

ハチを見かけても、そっとその場を離れるのが正解

もしハチに遭遇してしまった場合、不用意に近づかないことが何よりも大切です。もし近づいてきた場合、手で振り払ったり、たたいたり、大きな声を出したりしないでください。決してこちらから攻撃することなく、姿勢を低くしてゆっくりと後ずさるようにしましょう。ハチが複数匹いる場合は巣が近い可能性があります。落ち着いて、迅速にその場を離れてください。

もしも家や車の中にハチが入り込んできても、窓やドアを開けて自然に出ていくのをそっと待つのが無難です。

ハチに刺されてしまったら
ハチの毒は水溶性であるため、刺された場所から口で毒を吸い出すのはやめましょう。毒の二次被害が起こる恐れがあります。

刺されてしまった際には、刺された場所を清潔な流水で洗い流し、傷口を強くつまんで毛抜きやピンセットで毒針を取り除いたら、患部を冷やしてすぐ専門医にかかりましょう。アナフィラキシーショックなどを起こしてしまう可能性もあるため、放置しないですぐ受診してください。

まとめ

ハチの巣は見つけ次第、早急な対応が求められます

人間からすると一見怖いハチですが、こちらから手を出さない限りは攻撃してこないことがほとんどのため、不用意に近づかないことが第一です。
ハチを見かけた際にはすぐに自分の力で駆除しようとするのではなく、まずは管理会社や役所などに相談し、専門の業者に依頼するなどの対応をおすすめします。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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