住宅ローンを組んでいると、毎年10月から11月頃に、借り入れをしている金融機関から年末残高証明書が送られてきます。

この年末残高証明書は住宅ローン控除を受けるために必要な書類なので、なくさないように保管しておく必要があります。それでは、年末残高証明書はどのように使えばよいのでしょうか。また、どのようなことが記載されているのでしょうか。

この記事では、年末残高証明書の内容や住宅ローン控除について、くわしく解説します。

年末残高証明書とは

年末残高証明書とは、年末の12月31日の時点で住宅ローン残高がどれくらい残っているのかを証明する書類です。この証明書は誰にでも送られてくるわけではなく、住宅ローンを組んでいて完済まで10年以上ある人、つまり住宅ローン控除の対象者に送られてきます。

年末残高証明書は住宅ローンを借り入れている金融機関から、毎年10月から11月に送付されます。【フラット35】を借りている場合は、金融機関ではなく住宅金融支援機構から送られます。

年末残高証明書に記載されている主な項目は、以下のとおりです。

・借り入れをしている人の名前と住所
・借入金の内訳(住宅のみ・土地等のみ・住宅及び土地等の3種類)
・住宅借入金の当初金額と年末残高
・居住用家屋の取得の対価等の額又は増改築等に要した費用の額
・償還期間

年末残高証明書は封書ではなくハガキで届くこともあります。ほかのダイレクトメールなどと一緒に捨てないように気を付けましょう。

年末残高証明書は住宅ローン控除を受けるときに必要

年末残高証明書は住宅ローン控除を受けるときに必要ですが、初年度と2年目以降では、手続きの方法が異なります。

初めて住宅ローン控除を申請するときは、会社員や公務員であっても自ら確定申告をして、住宅ローン控除を申請する必要があります。

住宅ローンを組んで2年目以降は、会社員や公務員の場合は年末調整で申請可能です。11月から12月の年末調整の時期に、年末残高証明書を会社に提出することで、会社が住宅ローン控除を反映させた税額を計算します。

年末調整で住宅ローン控除の申請をした場合は、確定申告の必要はありません。1月もしくは2月の給与時に、支払いすぎていた所得税が給与と一緒に振り込まれます。

個人事業主や経営者など年末調整がない人は、初年度と同様に確定申告時に住宅ローン控除を申請します。確定申告は2月から3月に行いますので、その時期まで年末残高証明書を保管しておきましょう。

※参考:住宅ローン控除を受ける方へ|令和2年分特集確定申告

住宅ローン控除とは

年末残高証明書が必要となる「住宅ローン控除」とはそもそもどのようなものなのでしょうか。

住宅ローン控除とは、住宅ローン残高の一定の金額が、所得税から控除される制度です。

住宅ローンを借り入れると、年末の住宅ローン残高の1%を課税所得額から控除されます。もしも所得税から控除しきれない場合は、残りを住民税から控除できます。

たとえば、年末の住宅ローン残高が1,500万円で、返済期間が10年以上残っている場合は、15万円をその年の課税所得額から控除可能です。

また、以下のような改修工事をした場合でも住宅ローン控除の対象となります。

・耐久性向上改修工事
・バリアフリー改修工事、省エネ改修工事
・多世帯同居改修工事

住宅ローン控除を受けられる条件

住宅ローン控除を受けるための条件は、新築住と中古住宅により異なります。

・新築住宅の場合

1. 住宅ローン減税を受ける人が自ら居住すること(住宅の引き渡し、もしくは工事完了から6ヶ月以内。賃貸用住宅、別荘やセカンドハウスなどは対象外)
2. 住宅ローンの返済期間が10年以上あること
3. 合計所得金額が3,000万円以下であること(ペアローンの場合は、各人の合計所得金額がそれぞれ3,000万円以下であること)
4. 床面積は原則50平方メートル以上であり、2分の1以上が自身の居住用であること。ただし、合計所得金額が1,000万円以下の人は40平方メートル以上50平方メートル未満でも対象(床面積は登記簿で確認する)
5. 居住用にした年とその年の前後2年ずつを合わせた計5年間(令和2年4月1日以後は前2年後3年の計6年)に、居住用財産の譲渡による長期譲渡所得の課税の特例といった適用を受けていないこと

・中古住宅の場合
新築住宅の適用条件に加え、「一定の耐震基準を満たしていること」が条件となっており、次のいずれかの基準をクリアすることが必要です。

1. 住宅性能評価書(耐震等級1以上)を取得していること
2. 耐震基準に適合していること(居住前に改修工事することでも可)
3. 築年数が一定年数以下であること(通常20年以下、耐火建築物の場合は25年以下)

また、増改築やリフォームで住宅ローン控除が受けられる場合もあります。

※参考:認定住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁
中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

令和3年の住宅ローン控除に関する税制改正

住宅ローン控除の期間は「居住開始から10年間」とされていましたが、2019年度の税制改正で消費税が増税されたことに伴い、特例として13年間に延長されています。

この特例は当初2020年12月31日までの限定措置でしたが、2021年度税制改正で適用条件のうち入居期限が2022年12月まで延長されています。

13年の控除が認められる場合の控除額の計算方法は、以下のとおりです。

・最初の10年間は12月31日時点の住宅ローン残高の1%
・11年目以降は「12月31日の住宅ローン残高の1%」もしくは「(住宅取得等対価の額―消費税額)×2%÷3」の少ない方

住宅ローン控除の上限は40万円ですが、認定長期優良住宅または認定低炭素住宅の場合は、50万円となります。

※参照:住宅ローン減税等が延長されます!|国土交通省

年末残高証明書の取得方法

年末残高証明書は、住宅ローン控除の手続きで必要な書類であり、年末調整時、もしくは確定申告時に必ず提出しなければなりません。

年末残高証明書は、基本的には住宅ローンを借り入れている金融機関や住宅金融支援機構から送付されてきます。送付される時期は10月~11月頃ですが、10月以降に契約した人は翌年1月以降になります。

住宅ローン控除の初年度は、年度末の確定申告までに間に合えばよいため、1月頃の送付でも十分間に合うでしょう。ただし、2月中旬頃になっても送られてこなかった場合は、借り入れ先に連絡したほうがよいかもしれません。

自分が住宅ローン控除に該当しているかがわからない場合は、借り入れをしている金融機関ではなく、税務署に問い合わせるようにしましょう。

年末残高証明書が送られてきた後に繰り上げ返済した場合

年末残高証明書は、9月末時点で12月の住宅ローン残高を予測して割り出します。

もしも10月以降に繰り上げ返済をした場合は、想定された住宅ローンの残高と異なるため、書類の再発行を依頼する必要があります。

また、繰り上げ返済によって、住宅ローンの借入期間が10年未満(元金の返済回数が120回未満)になる場合は、住宅ローン控除を受けられなくなるため注意してください。

ペアローンを組んでいる場合の残高証明書は

ペアローンとは、1つの住宅に対して、夫婦それぞれが住宅ローンを契約する方法です。ペアローンでは、「夫が3,000万円、妻が1,000万円」というように、夫婦それぞれで借り入れの契約が交わされます。

年末残高証明書も、夫婦の借入額に応じたものが別々に送られてきますので、2枚保管しておきましょう。

ペアローンを組んでいる場合は、夫と妻それぞれが住宅ローン控除を受けられます。

まとめ

年末残高証明書は、住宅ローン控除のために必要となる書類です。住宅ローンを組んでいる人の氏名や住所、住宅ローンの借入残高などが記載され、住宅ローン控除の対象となる人に送付されます。

住宅ローンで借り入れをした初年度は、確定申告の際に年末残高証明書を提出します。また、2年目以降は、会社員は年末調整(自営業者は確定申告)のときに年末残高証明書が必要となるため、それまでは大切に保管しておきましょう。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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