水道代はいくらが目安? お風呂・キッチンなど部屋別に節約方法を解説

水道代が高いと感じることはありませんか。そんなときは、政府が公表している家庭の水道代の平均額と比較してみましょう。平均額を大きくオーバーしている場合は、水をムダに使用している可能性があります。今回は、一般家庭の水道代の平均、水道料金の内訳や節水の方法について解説します。

一般的な家庭の水道代はいくらくらい?

政府の家計調査によると、2020年の上下水道料の平均は年間5万177円、1ヶ月あたり約4,181円(小数点以下四捨五入)でした。この数字は、1人暮らしから6人以上の家族まで、すべての世帯を含めた平均値です。世帯人員別の平均値を以下の表にまとめたので参考にしてください。家庭の人員(家族の人数)が多いほど水道代は高くなっていることがわかります。

出典:家計調査|総務省統計局

水道代は地域を管轄する水道局によって料金に差がありますが、全国平均の値は家計管理の参考になります。水道代が高いかどうか判断するための目安にしてみましょう。平均的な水道代よりも高い場合は、節水を心がけることで水道代を安くしましょう。

水道代はどのように決められている?

水道代は、地域によって上水道と下水道の料金の合計で請求される場合もあれば、別々に請求される場合もあります。ここでは、東京都水道局の料金をもとに、上水道料金と下水道料金の請求額がどのような計算方法で決定するのか解説します。

上水道料金

上水道料金は、基本料金と使った分の従量料金で決まります。基本料金は、水道メーターの口径の大きさごとに設定されています。一般家庭で使われる口径は、13mm、20mm、25mmが多く、口径が大きいものほど一度に使える水量が増えます。

基本料金は地域により若干の差があり、口径が大きいほど高くなります。たとえば、東京都の場合は、口径13mmが860円、20mmが1,170円、25mmが1,460円です。

基本料金を下げたい場合は、工事でメーターの口径を変える必要がありますが、多額の工事費用がかかるため節約を考えた場合あまり現実的ではありません。水道代の節約を考えるなら、使用量を減らして従量料金を安くしたほうが効果的です。

下水道料金

下水道料金は、下水管に汚水を流した量に応じて料金が決まる仕組みです。メーターで計測できないため、上水道を使った分と同量を排水しているとみなして計算します。東京都の場合、排出量(排水量)が0~8立方メートルの場合は一律で560円、それを超える分は1立方メートルごとに従量料金がかかります。

詳しくは、下記の表と計算式を参照してください。(表は、一般家庭の使用量目安となる50立方メートルまでをまとめています)

出典:下水道料金の計算方法(下水道料率表)|東京都下水道局

たとえば、1ヶ月35立方メートル排水した場合の金額は以下のようになります。

8立方メートル以下の分:560円
8立方メートルを超え20立方メートル以下の分:110円×12立方メートル=1,320円
20立方メートルを超え30立方メートル以下の分:140円×10立方メートル=1,400円
30立方メートルを超え50立方メートル以下の分:170円×5立方メートル=850円

以上の合計で、下水道料金は4,130円となります。

水道代を節約する方法

水道使用量はメーターでわかるものの、何にどのくらいの水を使ったかの配分を知るのは難しいものです。東京都水道局の調査によると、一般家庭での水の使われ方は以下のとおりです。

・風呂:40%
・トイレ:21%
・炊事:18%
・洗濯:15%
・洗面、その他:6%

ここでは、水の使用量が多い場所順に、節水の方法を紹介します。

出典:水の上手な使い方|東京都水道局

お風呂での節水方法

家庭で一番水を使う場所がお風呂です。節水対策を講じれば、そのぶん節約効果も高まるでしょう。シャワーは流しっぱなしにせず、こまめに止めることで節水できます。節水シャワーヘッドに止水スイッチが付いていれば、水量を減らせるとともに手元でオンオフできるので便利です。

また、体を洗うときや洗髪に湯船のお湯を利用して、すすぎの際にシャワーを使うと、節水に加えてガス代の節約にもなります。また、残り湯を洗濯や洗車、掃除などに積極的に使いましょう。

トイレでの節水方法

家にいる時間が長い家族がたくさんいれば、お風呂以上にトイレで水を使っている可能性もあります。トイレの節水対策として一番おすすめなのが、節水トイレを使うことです。国産メーカー各社が研究を重ね、従来よりも少ない水量で洗浄できる節水トイレが販売されています。

ただし、今使っているトイレのまま、流す量を少なくすればいいというわけではありません。トイレのタンクにペットボトルを入れて節水する方法が紹介されたこともありましたが、水量を減らすとトイレのつまりや故障の原因になるためおすすめできません。

キッチンでの節水方法

キッチンでは食器の手洗いで多くの水を使う家庭が多いようです。節水のためには、水道の蛇口に節水タイプのキッチンシャワーを取り付けるのがおすすめです。

また、食器は洗う前に、キッチンペーパーなどで汚れをできるだけ落としてから洗うと洗剤も水も節約できます。食器はつけ置き洗いや溜めすすぎなど節水ができる方法で洗いましょう。さらには、食器洗い乾燥機(食洗機)を使えば手洗いよりも少ない量の水で済むこともあります。

洗濯機での節水方法

洗濯も、家族が多かったり頻繁に大きなものや汚れ物を洗濯したりすると、水を大量に使います。少しでも節水したい場合は、お風呂の残り湯を汲み上げる給水ホースを使うことをおすすめします。

ただし、メーカーや機種によっては取り付けできないものもありますので、取り付け可能かあらかじめ確認してください。また、お風呂で入浴剤を使用した場合、種類によっては、洗濯物に色移りすることがあるため気をつけましょう。

洗濯機は、同じ容量の場合、縦型よりもドラム式洗濯機のほうが、使用水量が少なく済みます。買い替えの際に検討してみるとよいでしょう。洗濯物は少量ずつ頻繁に洗うよりも、できるだけまとめて洗ったほうが、洗濯機を回す回数が減らせて節水につながります。

洗面所での節水方法

洗面所で水を流しっぱなしにする家族はいませんか。きれいな水をただムダに流すのはもったいないので、ぜひ節水を呼びかけましょう。歯磨きするときはコップに水を溜める、顔を洗うときは洗面器を使うか、洗面ボウルの排水栓を閉め、湯水を溜めて洗いましょう。

蛇口にセンサーを取り付けるのも効果的です。自動で水が止まれば、流しっぱなしになることもありません。後付け可能なセンサーなら低コストで取り付けられますよ。また、蛇口の内部に節水コマを取り付ければ、水量を減らすことも可能です。

まとめ

水道代を節約するなら、使用水量を減らすことが重要です。使用水量が多ければそれだけ従量料金の料率が増えるため、1立方メートルあたりの水道代も高くついてしまいます。
家族全員が節水を心がけることで大きな節約効果が期待できるでしょう。特に、お風呂やトイレ、キッチンは水の使用量が増える場所です。節水グッズなどを取り入れ、優先的に節水対策することをおすすめします。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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