同じ面積の部屋でも、天井高(てんじょうだか)の高い部屋のほうが広く開放的に感じられます。天井高はマンション室内の第一印象を決めるといってもいいでしょう。今回は、マンション天井高の平均や、天井高の高いマンションのメリット・デメリットを解説。理想の天井高について考えていきます。

最低天井高は法令で決められている

天井高とは床面から天井までの高さのこと。居室の天井高はマンション・戸建てに関係なく、建築基準法施行令第21条において「2.1メートル以上」と定められています。居室とは、建築基準法第2条で「居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室」とされていることから、リビングや寝室といった普段過ごす部屋の天井高は原則2.1メートル以上確保しなければならないということなのです。

参考:e-Gov「建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)」

マンション天井高の平均はどれくらい?

マンション天井高の標準

法律で定められた天井高の基準は2.1メートル以上ですが、実際のマンション天井高はそれより高く作られています。東京カンテイが2016年に行った調査によると、地域によってマンション天井高に差が見られ、首都圏の新築マンションでは平均約2.4〜2.5メートル。もっとも天井高の高い中部圏では平均2.5メートル前後となっています。

調査結果の通り、最近のマンションでは広さや高級感を演出するため、天井高を2.5メートル程度とするのが一般的。築古のマンションは新築よりも天井高が低い傾向があるため、おおむね2.4メートルあたりがマンション天井高の標準と言っていいでしょう。

出典:東京カンテイ 主要圏域別新築マンション構造スペック調査結果

高級マンションの天井高は?

天井高3メートル超の高級マンション

高級マンションの最上階で見られる高級ペントハウスともなれば天井高はさらに高く、最大3メートルという物件も見られます。ペントハウスはワンフロアに対する住戸数が少なく広々と作られており、天井高を確保して開放的な空間を演出しているのです。天井高を高くするには空間を贅沢に使用する必要があり、部屋のステータスを決める大きな要素ともなっています。

イギリスやアメリカでは10フィート(約3メートル)が、ハイグレード物件における天井高の一つの目安。このため、外国人をターゲットにした都内の高級物件などは、それに合わせて天井高を3メートルに設定しています。

 

マンションの天井高と階高

天井高と似た建築用語に「階高(かいだか)」というものがあります。階高という言葉はあまり聞き慣れないかもしれませんが、実はこちらのほうが重要なものさしです。続いては、なぜ階高が重要なのか解説していきましょう。

階高とは?

一般的に階高は物件情報に記されていることは少ない

先ほど解説した通り、天井高とは室内の床面から天井面までの内側の高さのことを指します。一方、階高とはフローリング面の下にある構造上のコンクリート床(スラブ)から、上の階のスラブ面までの高さのこと。マンション1階分の実際の高さを表すのが階高、天井やフローリングといった仕上げをした後の空間の高さを表すのが天井高なのです。一般的に階高は物件情報に記されていることは少ないため、図面を確認する必要があります。

階高に余裕のあるマンションを選ぼう

天井高より階高が重要である理由として、天井高は後からでも変更できるのに対し、階高は変更できないという点が挙げられます。床や天井の仕上げ方法によって変えられる天井高と異なり、建物構造によって決まる階高は変更が効かないのです。

階高を低くしたほうが同じ高さのマンションでも部屋数を増やすことができるため、収益性アップとコスト削減のために階高を低くしているマンションがあります。階高が低くても、床スラブに直接フローリングを張る「直床」や上階の床スラブに直接クロスを張る「直天井」とすることで、天井高を高く見せている物件もあるのです。

直床や直天井は、スラブの上に構造用の合板やボードを設置する「二重床」「二重天井」に比べ、防音性や断熱性で劣るのが欠点。階高が低い物件で二重床や二重天井に変更しようとすると、貴重な天井高を圧迫することになります。

将来リノベーションを検討するのであれば、より自由度の高い階高に余裕があるマンションを選んだほうがいいでしょう。

天井高が高いマンションのメリット・デメリット

天井が高い部屋は開放感があるのだが…

天井高が高いということは部屋のステータスを決める一要素という話をしましたが、マンションの天井高は高ければ高いほど良いのでしょうか。ここからは天井高が高いことのメリット・デメリット両面を解説していきます。

天井高が高いマンションのメリット

天井高が高いマンションの最大のメリットは、縦方向に部屋の広がりが生まれるため部屋全体の開放感が生まれることです。部屋を見渡したときに視界から天井が消え、圧迫感を感じにくくなります。たとえ同じ広さでも天井高が高いほうが空間にゆとりが生まれるほか、シャンデリアやシーリングファンといった高さを要するアイテムを設置できるので、高級感を演出できるというのもメリットです。

また、天井高が高ければ部屋の高い位置に窓(ハイサイドライト)を設置することも可能。日光を効率的に取り入れることができるので部屋全体が明るくなります。開閉できる窓にしておけば室内の空気を循環させることもでき、部屋の快適性がアップするでしょう。

天井高が高いマンションのデメリット

もちろん天井高が高いマンションもメリットばかりではありません。特に空調効率が悪くなるというのは、天井高が高い物件でよくみられるデメリット。温かい空気は上昇、冷たい空気は下降する性質があるため、縦方向に長い空間だと空調効率が下がりがちになります。

そもそも空間が広くなるので、冷暖房費が余計にかかる可能性があります。天井高の高いマンションでは、サーキュレーターやシーリングファンで室内の空気を循環させるよう心がけましょう。

天井が高いと、高い場所にある電球の交換や窓の掃除といったメンテナンス性が悪くなることも懸念されます。空間が広がることで音の響きが気になる場合もあるので、カーペットやクッション材などで音対策を施すのもおすすめです。

まとめ

天井高は、面積や間取りなどと並んでマンションを決める際の重要なポイントですが、高ければ高いほど良いというわけではありません。中には天井高が低い部屋のほうが落ち着くという人もいるので、自身のライフスタイルや嗜好に適した天井高の物件を探すと良いでしょう。また、物件を見るときには図面等で階高も確認するようにしましょう。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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