雨が続いたり、湿気の多い時期は、洗濯物を外に干せない点は困りもの。部屋干しだと衣類が乾きにくいし、部屋干し特有のニオイも厄介ですよね。最近は、花粉やホコリなどの付着を避けるため、天候に関係なく部屋干しする人も増えてきているようです。

そこで今回は、洗濯用洗剤の人気メーカー『ライオン』で、約20年にわたり製品開発・調査に携わっている、お洗濯マイスター・大貫和泉さんに、洗濯物の「ニオイ悩み」解決のコツを伺いました。

不快なニオイ“ゾンビ臭”の原因は

部屋干しの一番の悩みは何と言ってもニオイ。『ライオン』では、3大ニオイ悩みと言われている「部屋干し臭」「干し忘れ臭」「戻り生乾き臭」をまとめてゾンビ臭と称しています。このゾンビ臭解消こそが、洗濯物のニオイ悩みから解放されるためのカギと言えます。

ゾンビ臭の撃退3大ポイント
【1】汚れをしっかり落とす
【2】菌対策を行う
【3】早く乾かす

ポイント1…汚れをしっかり落とす!

まずは、衣類の汚れをしっかり落とすことが肝心です。そのための対策は以下の通り。

●目立つ汚れや汚れが付きやすい箇所は前処理をする

皮脂汚れが付きやすい襟周りや、ドロ汚れなど気になる汚れがある衣類は、洗濯機に入れるまえに、襟や汚れが付着した部分に直接液体洗剤を塗布しておくことが、しっかり汚れを落とすためのポイントです。

提供:ライオン株式会社

また、肌着や靴下などの、汗や皮脂、角質といった臭いの原因となる汚れは、皮膚と直に接触している衣類の場合、内側に付着しています。裏返しのまま洗うほうが、洗濯機の水流やほかの衣類と摩擦によって、汚れ落ち度がアップします。ただし、子どもの靴下のように、泥や黒ずみなどの目立つ汚れが表側に多い場合は、裏返しにせず表にして洗いましょう。

加えて、縦型洗濯機の場合、汚れの目立つ衣類や、ニオイが気になるものは洗濯槽の下に入れるのがポイント。水流を作り出す部位(パルセーター)が下部にあるため、水流が強く汚れ落ちがよくなります。

●除菌や抗菌を意識して洗剤を選ぶ

除菌や抗菌効果のある洗剤を選ぶことも大切です。ニオイ汚れが気になるタオルやユニフォーム、作業着などは、酸素系漂白剤と併用することで、より高い効果が期待できます。

また、汚れや菌、ウイルスが気になる衣類には、かけたまま放置できる洗濯用プレ洗剤を使用するのがおすすめ。洗濯用プレ洗剤をしみ込む程度にかけ、汚れは6時間以上、除菌は4時間以上、ウイルス除去は30分以上放の放置で効果が期待できます。プレ洗剤をかけた状態なら、1週間以上放置することも可能で、好きなタイミングで洗濯できます。

提供:ライオン株式会社

●つめ込み洗いはしない

洗濯機に表示されている容量をチェック! 汚れ落ちを重視した場合、洗濯機容量の7~8割程度の容量で洗うのが理想的です。容量いっぱいにつめ込み過ぎると、洗濯槽内で衣類が移動しにくく、擦り洗いができなくなり汚れ落ちが悪くなってしまいます。

提供:ライオン株式会社

[適切な洗濯物量]

洗濯槽の銀色の部分が5cm程度見えるくらい(提供:ライオン株式会社)
詰め込み過ぎ(提供:ライオン株式会社)

ポイント2…菌対策を行う!

洗濯前の衣類の菌の増殖を抑えることも大切です。

●洗濯物の菌を増やさない

菌を増殖させないようにするためには、洗濯前の衣類の取り扱いにも注意が必要です。洗濯前の衣類は、通気性のよいカゴなどに入れておくのが理想的です。洗濯槽の中にためておくと、通気性が悪く菌の増殖させてしまいます。

●洗濯槽内の菌にも注意

定期的に洗濯槽クリーナーなどを使用し、洗濯槽の汚れを落とすことをおすすめします。また、洗濯機の使用後はフタをあけておくことも、洗濯槽のカビ予防に効果的です。

ポイント3…早く乾かす!

洗濯後の衣類を放置しておくと、洗い残った汚れや水分によって雑菌が急激に増殖し、ムワッとした嫌なにおいの原因に。少しでも早く乾かすための工夫は欠かせません。

●洗濯後の水分量を減らす

衣類に残った水分量が少なければ、乾きが早くなることは明白です。
そのために、「柔軟剤を使用する」「脱水時間を長くする」「タオル類は干す前にふりさばく」を実践してください。

柔軟剤使用時、洗濯後のタオルの相対水分率は、柔軟剤未使用時の95%(洗濯回数30回のタオルの場合)(提供:ライオン株式会社)
洗濯機の脱水時間を一段階、長くする(提供:ライオン株式会社)
タオルは洗濯後に振りさばく(提供:ライオン株式会社)

●干し方次第で早く乾かせる

(1)風通しのよい場所を選んで干す

ハンガーを引っ掛けやすいカーテンレールは、部屋干しスポットになりがちです。ですが、「風が通りにくい場所であること」「汚れたカーテンと衣類が接触してしまうこと」などの理由で、部屋干しに適した場所とはいえません。出入口を開放して鴨居を利用するとか、室内干しラックを利用するなどして極力風通しのよい状態にして干すことが望ましいでしょう。

カーテンレールにつるすのはNG(提供:ライオン株式会社)
出入り口を開放して鴨居につるすと乾きやすい。室内干しラックも壁から離して風通しのよいところに(提供:ライオン株式会社)

(2)どのように干すかで乾く時間が変わる

同じハンガーを使用しても、衣類を配置する場所によって乾く時間に差が生じます。
中央に丈の短いものを吊るし、両脇を長いものにすると、そうでない場合と比べて約30分早く乾くという実験結果(『ライオン株式会社調べ』)が得られています。

提供:ライオン株式会社

(3)空気の通りやすさを意識する

布同士が重なっていると、その部分の乾きが遅くなり雑菌増殖の原因になります。フードの付いたパーカーや、襟のあるシャツなどは、布同士が重なる部分を極力減らすようにして干すのがコツです。また、バスタオルなど長さがあるものは、風が通るように工夫しましょう。

ハンガーを複数使用して、袖やフードを広げて干す(提供:ライオン株式会社)

バスタオルは風が通るように干す(提供:ライオン株式会社)

パンツ類はウエスト部分を筒状にする(提供:ライオン株式会社)

(4)家電を利用する

干した衣類の下から扇風機を使って風を送ったり、衣類乾燥除湿機などの家電を利用したりするのも効果的です。

まとめ

「ゾンビ臭の原因は汚れと菌。梅雨時期は、菌の増殖を助長する環境となるため、ゾンビ臭はこの時期特有のものと思われがちですが、実は年中起こり得るものなんです」と大貫さん。今回ご紹介したような工夫を通常から意識し、袖を通した瞬間ふわっといい香りが漂う、理想の洗い上がりを実現してくださいね。

【取材先】
ライオン株式会社
お洗濯マイスター/大貫 和泉(おおぬき いずみ)
消費生活アドバイザー、繊維製品品質管理士、健康予防管理専門士
洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年従事。2児の母としての経験と研究活動を融合し、主婦・母親・女性目線で日々のお洗濯に役立つ情報発信を行っている。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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