なぜ網戸を閉めても「蚊」が入る? 原因と解決方法を紹介

必ず網戸を使って窓を開けているのに、いつの間にか家に蚊が侵入しているという経験をもつ人もいるでしょう。実は、網戸は蚊の侵入を完全に防ぐものではありません。ここでは、蚊が室内に入らないようにする網戸の正しい使い方を説明します。室内における蚊の被害にお困りの方は参考にしてください。

網戸を閉めていても蚊は入ってくる

窓を開けても網戸を閉めれば蚊は入ってこないと思っている人も多いでしょう。しかし、網戸は必ずしも家への侵入を防ぐものではありません。

網戸そのものに問題がある場合もありますが、網戸の位置や窓の開け方などが影響して蚊が侵入してくることもあります。まずは、蚊が侵入しそうな場所をチェックしてみましょう。網戸と窓の位置関係によっては、きちんと閉めていても蚊の侵入経路がある場合もあります。以下では、蚊が侵入する原因と対処法を解説します。

網の目が粗い・網が劣化している

わたしたちの身近にいる蚊は、アカイエカ、チカイエカ、ヒトスジシマカ(ヤブカ)が主で、成虫でも体長は約4.5~5.5mmとかなり小さいです。

網戸は本来、外からの害虫の侵入を防ぐ目的で作られているため、小さな蚊やコバエなどを通さない細かな網目でできています。しかし、網目がよれて粗い部分や破れた箇所から侵入してしまうことがあります。

というのも、常に外気にさらされている網戸の網は劣化しやすい消耗品であり、網戸を開け閉めしているうちに、網がたわんで網目が広がったり、何かに引っ掛けて破けたりすることがあります。

また、網を固定している本体フレームの網戸押さえゴムが劣化すると、網を張る力が弱まり、網が外れる、隙間ができる、といった可能性もあるでしょう。

網戸の張替を行う
網に穴やたゆみなどの問題がある場合は、網を張り替えましょう。

新しい網は、蚊やほかの小さな害虫が入りにくい目の細かい網を選ぶことがおすすめです。害虫だけでなく、埃などの侵入もある程度防ぐ効果も期待できます。

部分的に穴が開いてしまった程度なら、小さな網戸補修シートだけで修理できる場合があります。ただし、穴が大きい場合は、補修シートでは穴を覆いきれない可能性もあり、網を張り替えてしまったほうが安心です。

開け方が悪いと網戸と窓の間に隙間ができる

以下の画像のように、窓と網戸の間に隙間がある状態だと、そこから蚊が侵入してくることがあります。

筆者作成

網戸側の窓を中途半端に開けているために、窓枠と網戸の間にわずかな隙間が開いています。蚊は5mm前後の隙間でも簡単に侵入します。この窓の位置ではわざわざ侵入経路を作っている状態といえるでしょう。

正しい方法は、以下のように、2枚の窓が重なるように窓を完全に壁側に寄せて大きく開けることです。

筆者作成

窓の枠と網戸の枠同士がぴたりとくっついた状態であるため、隙間ができず蚊が侵入しません。

窓を全開でなく少しだけ開けたいときは、以下の図のように窓を開けるとよいでしょう。

 

筆者作成

外側の窓枠と網戸の枠が接していれば、蚊の侵入経路を塞ぐことができます。

窓を開けたときに網戸と窓の位置をチェックしよう

窓を開けるときは、網戸と窓がきちんと接していて、隙間がないかどうかをチェックしましょう。網戸の網目がいくら細かくても、侵入経路があれば蚊は侵入してしまいます。

窓を半開きにしたいときは網戸側ではなく、内側の窓を動かしましょう。窓を開けるときは、網戸の位置と窓を開ける方向が間違っていないか確認してみてください。

網戸のフレームが劣化している

網戸のフレームと窓の枠が正しい位置であっても、網戸のフレームが歪んでいれば隙間が生じ、蚊の侵入経路ができてしまいます。

また、網戸のフレームは軽いものが多く、変形しやすいです。そのため、子どもやペットが網戸にぶつかる、網戸を強く開閉する、といったことでフレームが曲がるかもしれません。

力を入れないと網戸を開け閉めできないときは、網戸の戸車が劣化している可能性が考えられます。片方だけ戸車に不具合が起こると、もう片方の戸車に負荷がかかりバランスが崩れてフレームの歪みにつながります。

網戸自体を修理・交換する

網戸に傾きがある場合など、戸車の高さを調整することで歪みを直せる可能性があります。戸車は周辺にあるネジを回すと高さが変わります。難易度はそこまで高くないため、自分で微調整してみるとよいでしょう。

また、少しの歪みなら、歪んだ部分を直角になるように手で押し込むなどして解消する場合もあります。

しかし、戸車の破損や著しい消耗、直せないほどの歪みがあれば、新品に交換することも検討してください。

蚊が入りにくい網戸にするためには

網戸は、長時間強い日差しや風雨にさらされ続けているため、どうしても劣化は避けられません。しかし、できるだけ長持ちさせ、蚊が入りにくい状態に保つことは可能です。この章では、網戸のメンテナンス方法や蚊の侵入を防ぐ対策について紹介します。

窓のサッシをまめに掃除する

窓のサッシは入り組んでいるため、埃やゴミが入ると掃除しづらい場所でしょう。

しかし、埃やゴミを除去せずそのままにしておくと、網戸を開閉する際に戸車がスムーズに動かなくなってしまいます。そうすると、力を入れて強く網戸を開閉することになり、これがフレームの歪みの原因になるかもしれません。

また、サッシにたまったゴミに戸車がひっかかると、網戸がサッシから外れて落下する可能性があります。落下による衝撃も歪みや破損の原因の一つです。

そのため、網戸を長持ちさせるためには、サッシ部分の清掃もしっかりと行いましょう。定期的に掃除してゴミを溜めないようにしてください。

定期的に網を張り替える

網戸の網は消耗品であるため、使用していくうちに劣化していきます。1ヶ所しか穴が開いていない場合でも、全体的に弱くなっている可能性があります。

小さな穴やほつれを放っておくと範囲が広がってしまう可能性もありますし、ある程度年月が経過した網は張替えることをおすすめします。張替用の網と作業用の道具はホームセンターで入手できるので、業者に依頼せず自分で張替えることも可能です。

窓付近に防虫グッズを配置する

網戸は、隙間を完全に防ぐのは難しい、出入りのため開け締めする、といった性質上どうしても蚊が入りやすい場所ではあります。そのため、網戸に防虫グッズを使用して、虫が寄りつきにくい場所にすることがおすすめです。

網戸や窓用に特化した防虫対策グッズも販売されています。吊るすタイプやスプレー式のものなど、虫を寄せつけない効果があるものを使用してみてください。

網戸から侵入するのは蚊だけではない

窓から侵入する害虫には、蚊のほかにもハエ、ゴキブリ、ムカデなどがあります。なかには、一度侵入すると駆除が難しいもの、刺されると腫れやしびれを引き起こすものもあり、蚊以外の害虫でも室内に入らないようにしておきましょう。

害虫の侵入防止対策のためにも、窓と網戸の隙間をなくし、網の穴やほつれなどがないよう状態を確認することが大切です。害虫対策として、次の記事もぜひ参考にしてください。

関連記事:【蚊、ダニ、ゴキブリ対策】害虫を家に入れず、繁殖させないためにできること

まとめ

蚊は体がかなり小さいため、少しの隙間があれば簡単に室内に侵入してしまいます。

網戸があるからと油断せず、開け方や網戸の位置に注意して蚊の侵入経路を塞ぎましょう。窓と網戸の間に隙間がないかよく確認してください。

サッシの汚れも、フレームが歪み網戸から蚊が入りやすくなる原因となります。窓のサッシの定期的な清掃も心がけてくださいね。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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