気になるこのにおい…シューズクロークや下駄箱の「匂いとカビ」対策法

収納能力がアップし、玄関の見た目もスッキリさせられるシューズクローク。自宅に採用する人が増えていますが、梅雨の季節には匂いやカビが発生する心配があります。玄関のすぐ横にあるため、お客さまを迎えるときに気になるケースも多いです。

この記事では、シューズクロークの匂いとカビについて、原因と対策を解説します。

シューズクロークの匂いやカビの原因は?

下駄箱やシューズクロークから発生する嫌な匂いの原因は、主に雑菌とカビです。シューズクロークでは、なぜ雑菌やカビが多く繁殖してしまうのでしょうか。

高温多湿の環境

シューズクロークにカビや雑菌が繁殖する大きな原因のひとつとして、高温多湿になりやすい点があげられます。シューズクロークはほかの部屋に比べて狭い空間になっており、空気が循環しにくいからです。

雨や汗などで湿ったままの靴をシューズクロークに収納すると、湿気がたまってしまいます。暑い時期は温度も高くなり、雑菌やカビが繁殖しやすい高温多湿の環境になります。
シューズクロークの匂いを防ぐには、そのような状況を改善しなければなりません。

靴についた汗・皮脂汚れ

足の常在菌によって靴は雑菌が繁殖する

靴についている汗や皮脂汚れも、シューズクロークから発生する嫌な匂いの原因です。人の足には常在菌がいるため、人が身につけた靴や靴下にも常在菌がついています。汗や皮脂汚れは菌の餌となるため、どんどん菌が繁殖して嫌な匂いを発生させるのです。

人は1日で足の裏からコップ1杯分の汗をかくともいわれているため、1日中履いていた靴をそのままシューズクロークに収納すると、嫌な匂いがどんどんたまってしまいます。

日常的に心がけること

シューズクロークで嫌な匂いやカビを発生させないためには、どのような対策をすればいいのでしょうか。靴についた汗や皮脂汚れを毎回完璧に落とすのは難しいですが、嫌な匂いやカビはちょっとした心がけにより防止できます。具体的な方法について紹介します。

靴を詰め込みすぎない

シューズクロークは一般的な下駄箱よりも広くてたくさんの靴を収納できるため、つい靴を詰め込んで収納してしまう人も少なくないでしょう。最近は靴をたくさん収納するための便利グッズもあるため、シューズクロークで活用している人もいるかもしれません。

しかし、靴を詰め込むと空気の循環を妨げる原因になり、雑菌やカビも繁殖しやすくなります。シューズクロークでは靴を無理にまとめて収納するのではなく、余裕をもって収納しましょう。

履いたばかりの靴をすぐにしまわない

靴はすぐにはしまわないこと

脱ぎたての靴には生温かい汗が多く付着しています。また、雨が降っていた場合は靴底にもたくさんの雨水が付着している状態です。

帰宅したら靴をすぐに収納する人も多いですが、シューズクロークに湿気をためこまないために靴をしばらく玄関に置いて乾燥させましょう。一晩玄関に置いておき、次の日の朝以降に収納するのが理想的です。なるべくシューズクロークに水分や雑菌を持ち込まないようにしてください。

除湿剤を置く

収納方法やタイミングに気を付けていても、シューズクロークには少しずつ湿気がたまってしまいます。しっかり湿気対策をするためには、シューズクロークに下駄箱用の除湿剤を置きましょう。

下駄箱用の除湿剤は一般的な除湿剤よりもコンパクトなため、狭い空間でも邪魔になりません。100円ショップでも販売されているため、低コストで簡単に取り入れられる湿気対策です。また、靴に直接入れられる除湿剤も販売されています。塩化カルシウム製、シリカゲル製、木炭製などさまざまなタイプがあります。

シューズクロークや靴には湿気が多いため、タンクタイプの除湿剤はすぐに水でいっぱいになる可能性が高いです。こまめに除湿剤の状態をチェックし、水がたまったらすぐに取り替えましょう。

サーキュレーターを回す

シューズクロークでは空気が滞留しやすく、湿気がたまりやすいです。シューズクロークに扉がついている場合は、こまめに扉を空けて空気を交換しましょう。目安は週に1~2回程度です。

また、シューズクロークに向けてサーキュレーターを回し、強制的に空気を循環させるのも効果的です。自宅にサーキュレーターがなければ、扇風機で代用しても構いません。定期的に空気を入れ替え、乾燥した空気を送り込みましょう。

除湿機を使用する

普段よりも湿気がたまりやすい梅雨の時期は、ほかの方法に加えて除湿機を使用するのもおすすめです。除湿機を使用すれば、シューズクロークにたまっている湿気を効果的に除去できます。

除湿機はさまざまなメーカーから発売されており、コンパクトでシューズクロークに設置しやすいタイプも多くあります。電気代がかかりますが、タイマーをセットできるタイプなら状況に応じた使い方が可能です。

なお、除湿機に水がたまったら、忘れずに捨てるようにしてください。

カビが発生してしまったら

気をつけているつもりでもいつの間にか発生するカビ

日頃から対策していても、シューズクロークや靴にカビが発生してしまうケースはあります。ここでは、その場合の対処法を説明します。

白カビの場合・逆性石けんまたはエタノールで除去する

ふわふわとしたホコリのような白カビ。このカビが発生した場合は、逆性石けんまたはエタノールを使用して以下の手順で除去しましょう。

(1)逆性石けんまたはエタノールを水で薄める
(2)ティッシュやボロ布に染み込ませる
(3)カビを包むようにして取り除く
※肌の弱い人はゴム手袋を着用しましょう。

黒カビの場合・塩素系漂白剤で除去する

根を張って頑固に居座り続ける黒カビ。このカビが発生している場合は、塩素系漂白剤を使用して以下の手順で除去しましょう。

(1)霧吹きボトルに塩素系漂白剤を入れる
(2)カビが発生している箇所に吹きかける
(3)濡らした雑巾で拭く
(4)乾いた雑巾で拭き、乾燥させる

シューズクロークを設計するなら

これから注文住宅を設計したり、玄関周りをリフォームしたりする予定があり、シューズクロークを設置したいと考えている場合は、あらかじめ匂いやカビへの対策を取り入れるのがおすすめです。具体的な対策を紹介します。

窓を設置する

シューズクロークの風通しを良くするためには、小窓を設置すると効果的です。換気ができるだけでなく、採光にも役立ちます。

ただし、シューズクロークは狭い空間のなかに棚を設置するため、窓の位置を工夫しないと収納力に影響を及ぼす可能性があります。収納方法をよく検討したうえで窓の位置を決めましょう。

また、シューズクロークの構造により外壁に窓をつけるのが難しい場合は、室内壁に窓を設置するのもひとつの方法です。

換気扇を設置する

より効果的にシューズクロークの換気をするためには、換気扇を設置するのもおすすめです。シューズクロークはそれほど大きな空間ではないため、小さな換気扇でも十分な効果を発揮します。

換気扇を後から取り付けるのは簡単ではないため、シューズクロークを設ける際に一緒に設置しておく必要があります。シューズクロークの壁の上部や天井などに換気扇を設置しましょう。窓とともに換気扇を設置すれば、状況に応じた使い分けも可能です。

調湿効果のある壁材にする

シューズクロークの湿度を適切に保つためには、壁材に調湿効果のある素材を採用する方法もあります。たとえば、桐などの無垢材、珪藻土や漆喰の塗り壁、エコカラットなどのセラミックタイルなど、さまざまな壁材があります。

調湿効果のある壁材はデザイン性も高く、取り入れるだけでシューズクロークがおしゃれな雰囲気になる場合も多いです。ただし、一般的な壁材に比べるとコストが高いため、予算を考慮しながら採用するかどうかを決めましょう。

まとめ

シューズクロークは、靴以外にもさまざまなものを収納できて便利です。ただし、匂いやカビも発生しやすいため、日頃から対策を取り入れる必要があります。

今回紹介した対策を実践し、シューズクロークの環境を良好に保ちましょう。万が一カビが発生した場合は、適切な方法でしっかり取り除くことが大切です。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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