防災への意識は年々高まっていますが、いざというときに足りる質や量を備えている人はまだまだ少ないのではないでしょうか。整理収納アドバイザー、防災共育管理士(R)1級講師の資格を持ち、心地いい暮らしと防災知識を広くアドバイスしているtakaさんに、ご自宅での備えを見せていただきました。

ウィズコロナの今は、自宅避難を想定。家族みんながわかる備蓄収納に

台風や大雨による水害、土砂災害、そして地震がもたらすさまざまな災害。災害大国の日本で有事になった場合、今は特に感染症への不安から集団避難生活よりも可能な限り自宅避難を選ぶことが現実的になっています。ということは、自宅での備えがますます重要になるということ。無理なく、しかも有事に役立てるために、どんなことを意識すればよいのでしょうか。

「防災備蓄で最も大切だと私自身が考えているのは“家族みんながわかる”こと。防災グッズの置き場所や中身を共有し、万が一私が家にいなくても避難生活が送れるように意識して備えています」(takaさん)

takaさんが作った防災用品マップ。防災用品の収納場所をA4判の紙1枚にまとめています。

takaさんは自宅にある防災グッズの収納場所をまとめた防災用品マップを作成。

「わが家では廊下収納、洗面所、寝室、書斎、クローゼットと5ヶ所に防災用品を分散して収納しています。何がどこにあるのか、子どもでも一目でわかるようにこのマップを作りました」(takaさん)

たとえば寝室には、無印良品のポリプロピレン頑丈収納ボックス・特大などに使い捨て食器類や給水バッグ、ウエットシート、簡易トイレなどを入れています。マップに書き出しておけば、いろいろ探し回らなくても必要なものがすぐとり出せます。

takaさん宅の寝室。ベッドの足側に防災用品をまとめて置いています。

このマップは防災用品の大半を収納している廊下収納スペースの扉裏に貼り付けてあるそうです。ちなみにtakaさんが廊下収納を防災専用にしているのは、物が倒れたりして扉が塞がってしまう心配が少ないから。自宅外に避難する場合も、玄関に近い廊下収納なら必要なものをスムーズに取り出して逃げることができます。

「マンションはもちろん、戸建ての場合も玄関に近い場所に防災グッズを収納しておくのがお薦めです。ただしお住まいの地域のハザードマップを確認して浸水の危険があるなら、ほかの階にも分散させたほうが安心。また地震による家屋倒壊で部屋に閉じ込められてしまう場合もあるため、水は各部屋に少しずつ保管しておくとさらにいいですね」(takaさん)

食品は栄養バランスを考えて。乾燥野菜や梅干し、ようかんが重宝

防災準備で欠かせないのが、食品。takaさんは家族5人が1日3食で7日間過ごせるよう、105食分をストックしているそうです。

防災食にはパックご飯やパンの缶詰、インスタントラーメンなどを保管している人が多いはず。でも「ご飯や麺はエネルギーにはなりますが、これだけだと栄養不足に陥りがちなんです。便利なレトルトカレーも、数食続くと胃を壊してしまうことがあるかもしれません」とtakaさん。

takaさんが備えている非常食の一部。栄養や食事内容が偏らないように野菜、スープ、乾物などさまざまな食材・食品を少しずつ用意。

「避難生活が長引く可能性もあるので、私は特にビタミンやミネラル、タンパク質、脂質がしっかり摂れる食品を多めにストックしています。缶詰はもちろん、フリーズドライやフレーク状の野菜、乾燥海藻が長期保管しやすいのでおすすめ。インスタントみそ汁やスープに足すだけでも栄養価がグッと高まりますよ。スーパーで手軽に買える乾燥パセリや黒ごまも栄養価が高く、粉チーズは手軽にタンパク質やカルシウムが補給できます」(takaさん)

個包装の梅干しは、塩分(ミネラル)を補給してくれる心強い食材。おにぎりに入れてご飯を少し長持ちさせるのにも便利です。酸っぱいものを食べると唾液が出ますが、唾液には抗菌作用があるため、歯磨きができない状況になっても口の中を多少スッキリさせてくれそうです。

「食事は、避難生活の唯一の楽しみになるかもしれません。だからこそ、おやつや飲み物も準備しておきたいところ。子どもがいる場合は特に、普段から食べ慣れている好きなおやつを用意しておけば、非常時にも心が和みます」(takaさん)

菓子などの嗜好品もたくさん用意しているというtakaさん。甘納豆は栄養補給にもいいと聞いて以来、必ずストックしています。

個包装されているおやつは、衛生面や人に分けることも考慮するととても便利。甘納豆やナッツ類も、少量でエネルギーになります。ルイボスティーや緑茶などの飲み物は、水のままで溶けるパウダータイプを常備。コーヒーが好きな人は、1杯ずつ飲めるドリップパックを用意しておくといいですね。

「井村屋のえいようかんは、食べ切りサイズのミニようかん。5年間保存できるので、非常食にぴったりです。パッケージの裏面には災害用伝言ダイヤル(171)の使用方法が記載されているのも心強い! 外出時に持ち歩くポーチの中にも1つ忍ばせています。SSKのレスキューウォーターにも同じく伝言ダイヤルの記載があるので、備えておくと便利ですよ」(takaさん)

食品ストックは廊下収納の一角に。菓子類は他の非常食に比べると賞味期限が短いので、こまめにチェックしているそうです。

takaさんはボックス2個分に菓子類を保管。付箋で賞味期限を管理すれば、いちいち個別に確認する手間が省けます。

「お菓子収納のボックス正面に、品名と賞味期限を書き込んだ付箋を貼っています。月1回付箋をチェックし、賞味期限が近いものをキッチンへ移動させて普段のおやつに回せば無駄がありません」(takaさん)

ポータブル電源があれば、避難生活の快適度がぐんとアップ

私たちの暮らしは電子機器や家電に大きく頼っているのが現状。電気の供給がストップしてしまった場合を想定し、takaさんは折り畳みソーラーチャージャーとポータブル電源を購入したそうです。

takaさんが使っているソーラーチャージャー(手前)は折り畳み式のコンパクトタイプ。ポータブル電源(奥)も同じメーカーのもの。

「乾電池の備蓄には限界があるし、もし停電が長引けばとても持ちません。でもソーラーチャージャーでポータブル電源を充電できれば、お天気さえ良ければある程度の電力を確保し続けられます。私が購入したのはアイパー(Aiper)のもの。フル充電に近い状態を保ちながら寝室の防災収納コーナーに置いています」(takaさん)

ポータブル電源はメーカーや機種によって時間当たりの電力使用量(Wh)が異なります。災害時にどれぐらいの電力を使うことになりそうなのか、何日分を備えておくべきなのかを各家庭で話し合ってから購入機種を決めるのがお薦めだそうです。

takaさんは、ポータブル電源を使って手持ちのサーキュレーターが正常に作動するかをチェック。いざというときに慌てないための備えの一つです。

「自宅で使っている家電製品をポータブル電源につなぎ、正常に動くかどうかも定期的に確かめておくといいですね。安全に使用できる電力の最大出力(定格出力)と周波数も必ずチェックしておきましょう。わが家でもサーキュレーターなど手持ちの家電製品がきちんと作動するか確認済み。さらにこのポータブル電源で使用できる規格の卓上I Hコンロや小型洗濯機、電気毛布を購入しようと考えています」(takaさん)

防災備蓄で大切なことは、買って満足しないこと。「食品をたくさんストックしても賞味期限を切らしたまま放置すれば無駄になります。電池切れの懐中電灯や充電切れのポータブル電源も、いざというとき役に立ちません。その時がいつ来ても慌てないように、日々の暮らしと防災をセットで考えてみてください」(takaさん)

【取材協力】
整理収納アドバイザー
防災共育管理士(R)1級講師
taka
物を整理収納するだけでなく、家族が自ら片付けやすい環境づくりや無理なく続けられる片付け方法を提案。整理収納サービス「つづく、暮らし」を主宰し、片付けサポートやレッスンなどを定期的に開催している。防災に関する知識も豊富で日々の暮らしの中で備えるコツに定評あり。
ホームページ/つづく、暮らし
インスタグラム/@taka.5.home

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