夏から秋は野外で過ごすのが特に心地いい季節。今は本格的なお出掛けや遠出が積極的にできない状況ですが、家のベランダやバルコニーでアウトドア気分を味わえるベランダキャンプ「べランピング」を楽しんでみるのはいかがですか? 

楽しむと言っても、道具を一から準備するとなると、何からそろえていいか悩むもの。いつか気兼ねなくキャンプできるようになったときのために、べランピングもできて本格アウトドアにも重宝するグッズを選んでおきたいですよね。そこで人気アウトドアブランド、モンベル恵比寿店店長の植田彰信さんにおすすめグッズや選び方を教えてもらいました。

ベランダをくつろげる場所にするには、チェア選びが肝心

べランピングの大きな目的といえば、屋外の開放感を味わうこと、そしてくつろいだ気分でゆっくり過ごすこと。その雰囲気づくりにまず必要なのはチェアだと言います。

左・サンセットチェア 1万7,600円、右・チェアワン ミニ8,800円(ともに税込み)

「座り心地のいいキャンプ用チェアが1つあるだけで、べランピングは一気にグレードアップします。普段使っているダイニングチェアと比べても座り心地は大きく変わるはずです。アウトドアの雰囲気も高まりますね」(植田さん)

キャンプ用チェアは折り畳めばコンパクトになり、収納場所にもそれほど困らないのが魅力です。もちろんキャンプのシーンでも大活躍です。親子でおそろいのチェアをそろえると子どもも喜び、場がさらに盛り上がりそう。

折り畳みテーブルは高さを変えられるタイプを。活躍シーンがぐっと広がる

くつろぎチェアを用意したら、テーブルもそろえておくと何かと便利。

「選ぶポイントとしては、折り畳めるのはもちろんですが天板の高さを変えられるタイプがおすすめです。最近アウトドアシーンでは、背もたれつきで足を前に投げ出して座れる低めのチェアが人気。テーブルも、チェアに合わせて低めにすると、リラックスできて快適です。キャンプで食事するときなどはハイテーブルにしたいので、シーンによって高さを変えられると使い勝手が格段に良くなります。マルチフォールディング テーブル(写真)は67センチメートル、54センチメートル、さらに地面に直接座ると高さぴったりの39センチメートルの3段階に高さを変えることができるので便利ですよ」(植田さん)

写真は大きめで天板約2分の1サイズのタイプは狭いベランダでも使えそうです。ナチュラルな雰囲気が好みなら、同商品のウッド調デザインもいい選択です。

L.W.マルチフォールディングテーブルワイド 1万8,700円(税込み)

電池・USB式のランタンで幻想的に。防災グッズとしても役立つ

テーブルとチェアの次は、雰囲気づくりに欠かせないランタンをご紹介。

電池やUSBで点灯するランタンには、さまざまなタイプがあります。予備のモバイルバッテリーとしての機能を持つものもあります

「夕方から夜にかけてのべランピングは、周りの景色が見えなくなる分、アウトドアの雰囲気により近くなります。部屋の電気を消して、ぼんやりと照らしてくれるランタンを使ってみてください。黄色っぽい電球色の方が、幻想的なムードが加わるのでお薦めです。電源コード不要のランタンはべランピングでもキャンプでも役立つし、防災時の明かりの確保にも重宝します。しまい込まないで日常的にべランピングで活躍させておけば、いざというとき使い方に悩んだり困ったりすることもなくなりそうですね」(植田さん)

雰囲気づくりができたら、読書や音楽鑑賞、家族と会話するなどいつも自分がリラックスタイムにしていることをべランピングで試してみてください。

「べランピングだからと張り切って新しいことをしたり、おしゃれにしなければと構えたりする必要ありません。いつも家で楽しんでいることを、外でしてみるだけでも気分が変わります。視界に入るものをアウトドアグッズでそろえれば、さらに楽しめますよ」(植田さん)

火の使用が可能なら、湯を沸かしてコーヒータイムを

べランピングでのリラックスした時間に欠かせないのは、食べ物や飲み物。火を使うことができる環境にあるなら、バーナーを使って湯を沸かしてみてはいかがですか?

「お湯を沸かして飲み物を作るまでを外で完結させるのがポイントです。電気ケトルを使えば便利ですが、部屋に戻る時にアウトドア気分が遮られてしまうのはちょっと残念ですよね。それに、自分で沸かしたお湯でコーヒーや紅茶を入れれば何倍もおいしく感じますよ」(植田さん)

左・O.D.コンパクトドリッパー2 1,980円、チタンサーモマグ220 3,960円、マグの上に置いたスタックイン野箸 2,640円、右・JETBOILフラッシュ 1万6,280円※ガスカートリッジは別売り(すべて税込み)

クッカー(携帯用のアウトドア調理器具)がセットになった小さなバーナーなら、狭いベランダでも使用可能です。場所を取らずに湯を沸かしたり、調理したりできるので便利です。

「バーナーはキャンプご飯や避難生活でも役立つ便利グッズ。コーヒーが好きなら、折り畳み式のメッシュコーヒードリッパーを用意しておくとさらにアウトドア気分がアップします。お箸を通してマグカップにセットして使うこのドリッパーは、茶こしにもなるので便利ですよ」(植田さん)

ベランダで料理をするのは少しハードルが高く、「やらなきゃ」と思うことが負担になってしまうことも。楽しめなければ本末転倒なので、食事は総菜を用意するか、キッチンで料理を済ませておくのが初心者にはお薦めだそうです。

(上のコップから時計回りに)クピルカ30(緑と茶) ともに2,640円、クピルカ14(緑と赤) ともに1,760円、クピルカ44 3,190円、クピルカ55 ムーミン柄 3,520円(すべて税込み)

「食べ物や飲み物を入れる器は、ウッドプレートや木目調の樹脂製を使ってぜひ雰囲気を統一してください。フィンランドのブランド『クピルカ』は、木繊維とポリプロピレンでできた軽くて丈夫な食器がそろっています。落としても割れにくいので、子どもも使いやすいです。食洗機OKだからべランピングの後片付けを考えて気分が重くなることもありません」(植田さん)

アウトドア気分をさらに味わいたいなら、寝袋で寝てみても

究極のアウトドア体験は、外で寝ること。寝袋を使ってベランダで寝るのも、自宅にいながら楽しめるプチアウトドアなんです。

バロウバッグ 1万5,950円、コットワンコンバーチブル 3万9,050円(すべて税込み)

「星を見ながら眠るのは最高のぜいたく! これからキャンプを始めたいと思っている人は、寝袋を手に入れてまず自宅でトライしてみると楽しいかもしれません。コット(アウトドア用の簡易ベッド)の上に寝袋を置いて寝れば、ベランダでも快適に寝られますよ。テント泊でもコットがあれば、地面の冷えや凹凸から体を守ってくれます」(植田さん)

ベランダの生活感を目隠しすることがポイント

チェア、テーブル、ランタンなど、べランピングを楽しむためのグッズはさまざま。でも実は、こうしたものをそろえる前に頭に入れておくべきことがあります。

「もともとベランダは、生活感や現実とは切り離せないものです。おしゃれで本格的なアウトドアグッズをいくらそろえても、エアコンの室外機やコンクリートが剥き出しになっていたら、アウトドア気分は半減。いや応なしに現実に引き戻されてしまいます。室外機に木のカバーを設置する、安価なものでもいいのでウッドパネルを敷く、それだけでべランピングがぐっと本格的なアウトドアに近づきますよ」(植田さん)

またカーテンを引き、リビングの景色をシャットアウトしておくのも効果的だそう。ただし、うっかりしていると家族の誰かや子どもが誤って鍵をかけてしまい、外に閉め出されたままになってしまうこともあるので注意が必要です!

「ベランダでも、本格的なグッズがあればアウトドアの雰囲気を楽しむことは十分可能。近所の公園や芝生広場のような場所で、チェアやテーブルを持ち込んでくつろぐことだってできます。そしてもちろんキャンプでも役立ちます。今はあまり無理をしないで、できる範囲で身近な自然を楽しんでみてください」(植田さん)

これらのアドバイスを参考にしてセッティングすれば、この夏のべランピングはアウトドア気分をより味わえそうですね。皆さんもぜひ楽しんでみてください。

取材協力/モンベル

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