【夏の電気代節約術】コロナ禍2年目の夏にストレスなく電気代を節約する方法

日本経済新聞社の「2021年夏のボーナス調査」中間集計(5月13日時点)によれば、支給額は昨年と比べて3.64%のマイナス。しかも3年連続のマイナスです。ボーナスは減ったのにコロナ禍で夏場の家時間が長くなると、特に気になるのが長時間のエアコン利用などの電気代の増加です。今回はストレスなく夏の電気代を節約する方法について考えてみたいと思います。

ライフスタイルから料金プランを見直し

まず電気料金を下げる方法として、料金プランの見直しが考えられます。

たとえば一般的なアンペアブレーカーで契約の場合、東京電力の料金プランは「基本料金+電力量料金+α」となっています。

 

まずは、Web検針票などから電力の使用量を確認しましょう。もし、60Aから40Aに変更できれば、基本料金は半額の858円で済みます。これだけで年間10,296円の節約です。

また、日中は家族が家にいない、家電製品などは夜間に使うことが多い、といった場合は、夜の電気料金が安くなるプランも検討してみましょう。

たとえば東京電力の「夜トク8」は7時から23時までは1kWh当たり32.74円と一般の料金プランより割高ですが、23時から7時までの電気料金は21.16円です。ほかにも「夜トク12」では9時から21時までの電気料金は34.39円ですがそれ以外の時間帯は22.97円で、第2段階料金、第3段階料金よりは安く設定されています。

どの料金プランがお得なのかは、各電力会社のホームページで試算できます。夜間の電気代が多いと思ったら一度試してみましょう。料金の検針票には前年同時期との料金差なども表記されています。検針票を確認して、前年と比べて大きく使用量が増えているときは、特にプランを見直して、各社を比較検討してみましょう。

新しく参入した電力会社の料金も確認してみる

2016年4月1日から家庭用電力が自由化され、さまざまな事業者の中から電力の購入を選べるようになりました。地域や家族構成、ライフスタイルから自分に合った電力会社を選ぶことで、現在の生活のくせを変えることなく、電気料金を下げられる可能性があります。現在は電力会社比較サイトも複数あり、比較的容易に自分の条件に合った電力会社や料金プランを見つけることができそうです。

電気料金比較に関係する項目
(1)居住地域
(2)世帯の人数
(3)現在の電力会社やプラン、アンペア数、1ヶ月の電気料金など
(4)在宅時間や夜ふかしのくせなど電気を使う時間帯

※複数の電気料金比較サイトから筆者作成

比較サイトを見る際の注意点としては、電力会社を切り替えた際の年間の節約額が、ポイント還元やキャッシュバック、切り替え当初の期間限定の料金割引なども含まれている点です。当初のサービスや割引を目的に切り替えてすぐに解約すると、違約金を請求されることもあります。切り替え当初のメリットがなくなった後の電気料金で、どれだけ節約できるかが重要です。

電気を使う時間帯や毎月の電力使用量によってお得な電力会社やプランが異なります。一度は選び抜いたプランであっても家族構成や時間の経過でライフスタイルが変化したら、見直してみましょう。

生活のくせから節電できるポイントを見直す

プランや電力会社を見直しても思ったように電気代が減らないな、と思ったらやはり家族で話し合って生活習慣を見直しましょう。

少し古いデータになりますが、2014年の東京都の調査によれば、家庭内で使う電気機器別の電気使用量は以下のようになっています。

照明器具と冷蔵庫、エアコン、テレビの4つで全体の6割程度を占めています。夏というとエアコン代が気になりますが、実はエアコン代は外気温との差が大きい冬のほうが夏よりかかります。

照明器具、冷蔵庫、テレビなど季節を問わず利用する家電の使い方も節約のポイントになりそうです。部屋の電気のつけっぱなし、テレビのつけっぱなしといった生活習慣を見直すことや、冷蔵庫を整理してものを取り出しやすくすることでドアの開け閉めの時間を短くするといった工夫も大切ですね。

エアコンについても猛暑期やテレワークで日中の在宅時間が増えれば使用時間と電気代も増えます。資源エネルギー庁によれば、外気温31度のときに2.2kWのエアコンを1日9時間使用した場合、設定温度を27度から28度に1度上げると年間で820円の節約になります。利用時間や外気温と設定温度の差によってはさらに節約ができそうです。ほかにもサーキュレーターやすだれの併用、フィルターの掃除、室外機の掃除といった一工夫で効率が上がります。試してみましょう。

家電や住宅設備の買い替えで節電も

生活習慣を変えて電気代を節約しようと思っても、長年の生活習慣はなかなか改められないという場合は、家電製品や住宅設備を買い替えて長期間での節約を目指す方法もあります。

たとえば、電気代が多くかかる冷蔵庫、照明器具、テレビとエアコンの消費電力を約10年前と比較してみましょう。

出典:資源エネルギー庁 「省エネ型機器の現状」から筆者作成

家電製品の消費電力量は明らかに減っているのがわかります。耐久性やメンテナンスの面でも昨今は向上しています。特に照明器具はLEDに変えることで消費電力は86%減になります。たとえば前述の東京都の調査から、1ヶ月の電気代が1万円の家なら照明器具の電気代は1,840円です。86%消費電力が減るとすると、1ヶ月で1,582円の節約、1年では約1万9,000円の節約です。耐久性を考えても交換する価値は十分ありそうです。

最後に

電気代を減らすには地道な生活習慣の見直しや、消し忘れをなくすことなど、とかく細かいことに目が行きがちです。しかし、料金プランや電力会社を見直すことで、労せず電気代を節約できる場合もあります。また、ガスの自由化も始まっています。電気とガスを同じ会社にすることでよりお得なプランを設定できる会社もあります。

いずれにしても、電気代の見直しも家計全体の見直しもまずは現状の把握がスタートです。現在の料金プラン、電力会社の値段設定を確認したうえで、自分のライフスタイルから、より節約できるプランや電力会社を探してみましょう。

また、家電製品や住宅設備も省エネ化が日進月歩です。省エネは地球温暖化防止や温室効果ガスである二酸化炭素の削減の観点から、世界的にも大きな課題です。そのため政府も家庭用の電気についても省エネ化を強く推進しています。

たとえば、HEMS(ヘムス)という家庭用エネルギー管理システムや、遠隔検針で計測データを収集して電力使用量を見える化するスマートメーター、こうした機器を利用してエネルギーの最適化を図っていくスマートハウスやスマートコミュニティーも試みられています。

さらに新築住宅やリフォームに関しては、断熱材や複層ガラスの標準化など断熱効果が高い住宅を推進するために、一定の省エネ性能を有する住宅には減税や補助金、ポイント付与といった施策も行っています。

節電することで二酸化炭素を減らし、地球温暖化防止に貢献できると考えると、節電も楽しくできそうです。特に夏の節電については家族で目標を決めて、お子さんの夏休みの自由研究で発表してみるのも面白いかもしれませんね。

〈参考サイト〉
資源エネルギー庁:省エネポータルサイト
東京都:家庭におけるエネルギー使用状況
TEPCOエナジーパートナー

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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