家を建てたり購入したりする際に、木造住宅と鉄骨造住宅のどちらがよいか迷う方もいらっしゃるでしょう。木造住宅と鉄骨造住宅にはそれぞれメリットとデメリットがあります。本記事では、木造住宅と鉄骨造住宅それぞれを比較しながら解説します。

 

木造住宅と鉄骨造住宅の特徴を比較

木造住宅と鉄骨造住宅には次のような特徴があります。

 

項目

木造住宅

鉄骨造住宅

建築コスト

比較的安い

比較的高い

法定耐用年数

自己居住用は33年

厚さ3ミリメートル以下:28年

厚さ3~4ミリメートル:40年

厚さ4ミリメートル超:51年

火災保険料

高い

※ただし家の構造によっては抑えられる(T構造)

安い(T構造)

間取りの自由度

大空間を確保しづらい

大空間を確保しやすい

断熱対策

断熱対策しやすい

万全な対策が必要

※熱しやすく冷めやすい素材のため、柱の外側に断熱を施工する外断熱工法を用いることが多い

地盤強化の必要性

低い

高い

断熱性

比較的高い

低い

調湿性

 

木造住宅と鉄骨造住宅を比較すると、鉄骨造住宅は木造住宅と比べると建築コストが高くなりやすいという特徴があります。一方で、耐震性の高さなど、建物の強度面では鉄骨造住宅の方が勝ることが多いでしょう。

構造上、火災保険料が安くなったり、間取りの自由度が高くなりやすかったりするメリットもあります。ただし、鉄は熱伝導率が高いため断熱対策の必要性が高いといった点に注意しなければなりません。

 

木造住宅のメリット・デメリット

日本の住宅の8割以上が木造住宅

 

木造住宅は構造材が木材で建てられた住宅のことです。木造住宅には大きく分けると、昔ながらの工法で建てる木造軸組工法(在来工法)と、北米由来の木造枠組壁式工法があります。

 

工法

特徴

木造軸組工法

在来工法とも呼ばれるもので、柱に梁を組み合わせて建てることから軸組と呼ばれています。

現在、日本にある建物の多くがこの木造軸組工法で建てられています。

木造枠組壁式工法(2×4工法)

木造枠組壁式工法は北米から伝わった工法で、2×4インチの木材で枠を作り、その枠に壁をはめこんで構造を作ります。

システム化されていることから、工期を短くしやすいといったメリットがあります。

 

木造住宅のメリット

木造住宅のメリットとして以下のようなことが挙げられます。

・建築コストが安い
・調湿性がある
・日本で一番多く建てられている

木造住宅は鉄骨造住宅と比べると費用を安く抑えやすく、この点を大きなメリットと考える方も多いでしょう。

また、木造住宅は構造に木材を使っていることから、湿気が多いときには木材が湿気を吸い取り、一方で乾燥したときには吸収した湿気を放出するといった調湿性を発揮しやすい点もポイントです。このため、住宅で悩まされがちなカビや結露といった問題に対策しやすくなっています。

さらに、日本の住宅の8割以上が木造住宅であり、このことがもたらすメリットにはさまざまあります。

・住宅会社ごとに特徴があり、自分の気にいった住宅会社を選びやすい
・これまで多くの経験が蓄積されており、これから建てられる新築住宅に反映されている
・リフォームの際にも対応してくれる業者が多い

 

木造住宅のデメリット
一方、木造住宅には以下のようなデメリットがあります。

・耐用年数が短い
・強度や耐久性が低い
・職人の腕が仕上がりに大きく影響しやすい

まず、木造住宅は耐用年数が短くなっています。具体的には、法定耐用年数33年となっており、鉄骨造住宅の51年と比べると半分程度の期間です。法定耐用年数は主に税金の課税のために定められたもので、33年経ったからといってすぐに住めなくなるというわけではありませんが、一般的には鉄骨の住宅と比べると強度や耐久性が低く、長く住むことが難しいと言えるでしょう。特に近年では災害に対する意識が高い方が多く、住宅に強度を求める方も多いのではないでしょうか。

そのほか、木造住宅は材木を現場に運び、現地で組み上げていくため、職人の腕次第で建物の仕上がりに差が生じてしまうという問題がある点にも注意しなければなりません。木造住宅を建てるのであれば、実績のある住宅会社を選んだうえで、腕のいい棟梁に担当してもらえるようにすることが大切だと言えるでしょう。

また、木造住宅はシロアリ被害に遭いやすいといった問題もあります。

 

木造住宅はどんな人におすすめ?

木造住宅は以下のような方におすすめだと言えます。

・できるだけコストを抑えて住宅を建築、購入したい人
・あまり手間をかけずに住宅を建築、購入したい人
・もしくは納得のいく住宅会社が見つかるまで時間をかけられる人

木造住宅は鉄骨造住宅と比べると費用を抑えやすく、できるだけ費用を安くしたいという方は木造住宅を選ぶようにするとよいでしょう。ただし、木造住宅で火災対策が取られていない住宅は「H構造」と呼ばれ、火災保険料が高くなります。

火災保険料を安くするためには「T構造」と呼ばれる耐火性の高い構造にする必要がありますが、こうしたプラスアルファを加えようとすると費用が高くなることもある点には注意が必要です。できるだけ費用を安く抑えたいのであれば、性能面などについてある程度妥協する必要が出てくるでしょう。

また、2つ目と3つ目は矛盾しているようにも見えますが、知名度のある住宅会社を利用すれば、ほとんど手間をかけずとも高い水準の住宅に住むことができる可能性は高くなります。一方で、木造住宅は仕上がりが職人の腕に左右されやすいことから、こだわりたいのであれば住宅会社選びや職人選びに時間をかける必要があるのです。

 

鉄骨住宅のメリット・デメリット

戸建て住宅に関しては軽量鉄骨造が採用されていることが多い

 

鉄骨住宅とは構造部分に鉄骨を採用した住宅のことです。鉄骨住宅には大きく分けると軽量鉄骨造と重量鉄骨造の2種類があります。

 

工法 特徴

軽量鉄骨造

厚さ6ミリメートル未満の鋼材を使って建物を建てます。工場で生産した部品を現場で組み立てるプレハブ工法が一般的です。主にアパートや住宅で採用されています。

重量鉄骨造

厚さ6ミリメートル以上の鋼材を使って建物を建てます。接合部をボルトで接合するのが特徴です。高層マンションやビルなどで採用されています。最近では住宅も増えています。

戸建て住宅に関しては軽量鉄骨造が採用されていることが多く、重量鉄骨造は主に高層マンションや頑丈なビルなどで見られます。最近では重量鉄骨造で住宅を建てる会社も増えています。軽量鉄骨造に比べて重量鉄骨造の住宅は、強度が高まりますが、建築コストも高額になりがちです。

軽量鉄骨造だけでなく重量鉄骨造でも住宅は、工場で生産した部品を現場で組み立てるプレハブ工法が一般的です。木造と比べると人件費を抑えられ、品質が職人の腕に左右されにくいのが特徴です。

 

鉄骨造住宅のメリット

・強度や耐震性が高い
・品質が職人の腕に左右されにくい
・広い空間のある間取りを作りやすい

鉄骨造住宅は木造住宅と比べると、強度や耐震性が高い住宅にすることができます。

また、鉄骨造住宅は工場で部品を作って現場で組み立てるプレハブ方式のため、木造住宅と比べ職人の腕に品質が左右されにくいと言えます。

3点目として、鉄骨造住宅は木造住宅に比べて柱の数を少なくすることができ、広い空間のある間取りを作りやすいです。開放感のあるリビングや横に2台以上並べるビルドインガレージを採用したいといった方におすすめです。

 

鉄骨造住宅のデメリット

・断熱対策が必須
・建物が重くなるため地盤強化が必要
・建築コストが高くなりやすい

鉄は木と比べると熱伝導率が高く、そのままだと夏は暑く冬は寒い住宅になってしまうため、断熱対策が必須です。特に、木造住宅であれば柱の内側に断熱材を敷き詰める内断熱を採用することが多いですが、鉄骨造住宅では、内断熱より効果の高い外断熱を採用したほうがよいと言われています。

外断熱とは、柱の外側に断熱材を敷き詰めることで、高い断熱性を実現できます。しかし外断熱は内断熱と比べると費用が高くなりやすい点に注意が必要です。

また、構造に鉄を採用することで建物自体が重くなるため、建物をのせる地盤調査で地盤改良が必要になることが多くあります。地盤改良が必要と判断されると、数十万円から高い場合は百万円を超える費用が必要になることもあります。鉄骨造住宅を建てる場合は、できるだけ強固な地盤の土地を探すことが求められるでしょう。

断熱対策や地盤強化に費用がかかるだけでなく、鉄骨造住宅は建物自体も建築コストが高くなりやすくなっています。トータルで木造住宅の1.5倍程度の費用がかかることがある点に注意してください。

 

鉄骨造住宅はどんな人におすすめ?

以上のことから、鉄骨造住宅は以下のような方におすすめだと言えるでしょう。

・建築コストが多少高くても頑丈な家に住みたい
・初期費用が高くとも長期的に見ればお得な家に住みたい

多少建築コストが高くとも頑丈な家に住みたいという方が鉄骨造住宅に適していると言えるでしょう。また、鉄骨造住宅は木造住宅と比べると耐用年数が長く、長く住みやすくなっています。法定耐用年数が過ぎたからといって必ずしも建て替えしなくてはならないというわけではありませんが、一般的に鉄骨造住宅のほうが、長持ちしやすいと言えるでしょう。

仮に耐用年数がなくなった頃に建て替えを検討すると考えると、木造住宅だと30年程度で建て替えしなければならないのに対し、鉄骨造住宅であれば50年程度住めるということになります。このため、長期的に見れば、鉄骨造住宅のほうが初期費用は高くとも長く住めるため、トータルで見れば費用を安く抑えられる可能性が高いと言えるのです。

以上のことから、初期費用が高くとも長期的に見てお得な家に住みたいという方は鉄骨造住宅が向いていると言えるでしょう。

 

まとめ

木造住宅は建築コストを抑えやすく、住宅会社も豊富なので、さまざまな住宅の中から選べるといったメリットがあります。一方で、鉄骨造住宅の場合、建築コストが高くなる傾向がある一方、頑丈で長く住みやすいといった点がメリットです。

本記事の内容を参考に双方のメリット・デメリットを押さえ、自分に適した住宅を検討してみてください。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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