自治体は自治の権能を持つ団体のことを指し、住む人に向けてサービスを提供しています。
地方自治体とも呼ばれその役割や種類はさまざまです。今回は、地方自治体の種類や自治会との違いなど自治体に関する基本情報について解説します。

 

自治体の意味とは

国内での行政を主に担う自治体

自治体(読み方:じちたい)とは、一定の地域でそこに住む人のために、法律で定めた権利を主張・行使し公共事務の処理やサービスを提供する行政機関のことです。

地域内の地方自治を行うための団体であり、地方自治体や地方公共団体と呼ばれます。多種多様なサービスを提供し、生活を手助けする住民にとっては身近な存在といえます。それだけでなく国や地方自治体間との役割分担・調整、地方自治の運営方針の決定から社会福祉・まちづくりの推進などなど、役割は多岐に及びます。

地方自治制度は1868年に府藩県三治の制や知府事・諸侯・知県事配置などを定めた「政体書制定」によりスタート。それ以降、廃藩置県や区町村会法制定など地方自治の制度は改変を重ね、1947年に日本国憲法とともに現行の地方自治法に制定されました。

 

自治体のわかりやすい例

都道府県や市区町村が1つの行政単位として法人格を持つ

自治体のわかりやすい具体例は都道府県や市区町村です。図書館の運営やゴミ処理などの地域に根ざした行政サービスは国よりも地方が行うほうがスムーズです。

1999年に地方分権一括法が施工されたことにより、地方自治体は各自の判断と責任により地域に合わせた行政サービスを行うことができます。都道府県や市区町村が1つの行政単位として法人格を持ち、独自の判断で住民に対してサービスを行うのです。

都道府県が市町村を総括するなど広域的な視点で地方自治を行い、さらにより詳細な内容や住民への実際のサービス提供を市区町村が担っています。市役所や区役所などの「役場」がその窓口として存在しており、もっとも住民に近い行政サービスを受けられる場所となっているのです。

 

自治体の種類

地方自治体の種類は多岐にわたりますが、大きく分けると次の2つに分かれます。

・普通地方公共団体
・特別地方公共団体

それぞれについて見ていきましょう。

普通地方公共団体

普通地方公共団体とは、組織や事務・権能などが一般的な団体のことを指します。基本的に日本に存在する地方公共団体の大半が、この普通地方公共団体となります。

都道府県と市町村が該当し、市はさらに細かく「市」「指定都市(政令指定都市)」「中核市」「施行時特例市」に分類されています。

・市…人口5万人以上
・指定都市…50万人以上の市のうち政令により指定されている
・中核市…人口20万人以上の市であり、市の申出に基づいて政令により指定されている
・施行時特例市…2014年の地方自治法の一部改正時に廃止された特例市に区分している
※出典元:総務省 地方公共団体の区分

特別地方公共団体

特別地方公共団体とは、目的・組織・権能が一般的ではなく、特別な行政サービスが必要となるために設置されている団体です。

特別地方公共団体は、「特別区」「地方公共団体の組合」「財産区」「地方開発事業団」に分類されます。特別区は東京23区が該当し、区ではありますが市に準ずる地方自治を担うとして、都市の一体性や統一性の確保のために導入されている制度です。

「地方公共団体の組合」「財産区」「地方開発事業団」はそれぞれ特定の目的のために設置されている団体です。

「地方公共団体の組合」は、地方公共団体が行う事務の一部を共同で処理するために設置された法人団体。「財産区」は特別な財産を所有し、その管理・処分のために設置されており、「地方開発事業団」は複数の地方公共団体で事業を行うために設置されています。

自治会との違い

自治会は法的権限のない任意の団体

自治体と似たような言葉に自治会がありますが、この2つは全く異なるものです。
自治会とは、市町村内の各地域で自発的に組成された民間の団体のことをいい、町内会とも呼ばれています。一定の範囲の地域で、その地域内に暮らす住民によって組成され、住みよい地域を創る目的のために活動しています。

自治体が都道府県や市区町村などの公的な行政機関であり法的権限を持っている団体であるのに対し、自治会は法的権限のない任意の団体です。

自治会は、かつて行政の下部組織として位置づけられた歴史もありますが、今では行政と別の立場である民間の自治組織となります。自治会と自治体はそれぞれ相互に自立しながら、地域の実情に合わせて協力しながら活動しています。

 

内容

自治体

自治会(町内会)

規模

都道府県・市区町村

町または字の区域

その他市町村内の一定の区域

法的権限

あり(地方自治法)

なし

自治会での活動には、主に次のようなものがあります。

・防犯活動…通学路のパトロール・防犯灯の設置
・環境整備…町内の清掃活動・美化活動・緑化活動・生活排水対策への取り組み
・交流活動…夏まつり・文化祭・運動会・老人会
・広報活動…回覧板・掲示物の作成
・研修活動…役員研修会・各種研修会
・社会福祉活動…赤い羽根募金

このように、生活環境の整備や行事などの暮らしに身近な活動を行うことで、住みよい地域づくりに取り組んでいるのです。

ふるさと納税は自治体への寄付制度

ふるさと納税が自治体を知るきっかけにも

近年注目を集めている「ふるさと納税」も自治体と大きな関わりがあります。ふるさと納税とは、自治体への寄付制度のことです。寄付することで、寄付先の自治体から寄付額に応じた返礼品を受け取れるだけでなく、所得税の還付や住民税の控除を受けられます。

寄付をする自治体は、住んでいる自治体だけでなく全国の都道府県と市町村から自分が応援したい自治体を選択することが可能です。2021年7月12日時点の総務省の発表によると現在1,718の市町村が存在します。この1,718の市町村と47都道府県から自分の好きな自治体を選んで寄付するのです。

※出典元:総務省 広域行政・市町村合併

さらに、寄付金の使い道も指定できるため、社会福祉や子育て支援などそれぞれの自治体の活動という視点から寄付先を選ぶこともできます。ただし、すべての自治体が対象ではなく総務省から対象外とされた自治体へ寄付した場合は、所得税の還付、住民税の控除が受けられないため注意が必要です。

ふるさと納税は、自分の好きな自治体やその活動に寄付することで返礼品を受け取り、さらに税金の控除を受けられるため、お得な制度として人気が高まっています。しかし、所得や家族構成によっては税金が控除される限度額が異なる可能性もあるので、自分の条件に合わせて寄付額をシミュレーションしたうえで寄付することが大切です。

自治体の助成・支援制度から住まいを検討する

子育て支援が充実している自治体は人気が高い傾向

自治体の活動内容や特色はそれぞれの自治体により大きく異なります。介護・医療・お年寄りへのサポートに力を入れている自治体もあれば、子育てや教育の助成制度が充実している自治体もあります。さらに、地域に在籍する企業をサポートすることで雇用促進を支援している自治体など、地域によってさまざまです。

近年、移住する方が増えはじめていますが、自治体のサポートによって移住先を決めている方も少なくありません。特に子育て支援が充実している自治体は人気が高い傾向にあると言えるでしょう。子育てに対する支援は、児童福祉施設に充実や保育料・学費の補助、働く親への支援に各種手当などさまざまな支援活動がそれぞれの自治体により行われています。

同じ都道府県でも自治体が異なるだけで、助成制度が異なり生活のしやすさも変わってきます。引っ越しなどで物件の購入の予定がある場合は、助成や支援制度には何があるのかを調べたうえで検討することをおすすめします。

まとめ

自治体は、都道府県や市区町村などの行政機関が法的権限を持って、地域住民の生活をサポートする役割を主に担っています。自治体によってその特色や助成制度などはさまざまで、住む地域によって受けられる行政サービスも異なります。

住みやすい街を探す際、今回解説した自治体の意味・内容を理解しつつ、「子育てや医療など必要な支援を受けられるか」など具体的な自治体の行政に注目してみてください。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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