家に出るネズミを駆除する費用はいくら? 発生原因と料金相場を要確認

ネズミが家に住み着くと木材をかじって家に大きなダメージを与えたり、病原菌を媒介したりする可能性があるため、駆除することが大切です。ネズミ駆除の費用は自分で駆除をするのか、業者に依頼するのかによって大きく費用がかわりますが、業者に依頼する場合はどれくらいの費用がかかるのでしょうか。

今回は、ネズミ駆除の料金相場や依頼する際のコツなどについてくわしく解説します。

家にネズミが発生する原因

ネズミは比較的頭がよく、駆除しにくいため、ネズミが好む環境を家に作り出さないことが大切です。ネズミの出る家と出ない家で何が違うのでしょうか。ここでは、家にネズミが発生する原因についてくわしく解説します。

ネズミが侵入できる通路がある

ネズミは1.5センチほどの小さな隙間からでも家に侵入します。下水や排水溝、エアコンの配管通路、換気扇やシャッターのわずかな隙間からでも建物内に入り込んでしまう可能性があるため、注意が必要です。

また、クマネズミは高いところへの上り下りが得意なので、マンションの上階でも住み着く可能性があります。

建物の近隣に水辺や下水がある場合は、湿った土地を好むドブネズミが生息している場合もあります。ドブネズミは床下や家の基礎にできた隙間、トイレや台所の排水溝や排水管回りからも侵入するため、注意しましょう。

ネズミが住みやすい環境になっている

ネズミの害を防ぐためには、ネズミが住みやすい環境を作らないことが大切です。

ネズミは身体が小さいうえに動き回るので、常に何かを食べていなければなりません。また、1日に体重の4分の1程度のエサを食べるため、食べ物がないと早ければ寒い時期で1 日、暖かい時期でも長くて5日ほどしか耐えられません。そのため、生ごみや食べかすなどエサになるものが多いと、ネズミが好む環境となり、発生しやすくなります。

食材類は密閉した容器に入れ、食べられないようしましょう。また、生ごみもすぐに密閉した容器に入れるなどして、排水溝や床に残さないことが大切です。

ビニールや紙くずなども巣作りの材料になるため、放置しないようにしましょう。

ネズミによる住宅や人への被害

それではネズミが住み着くと、実際にどのような被害が出るのでしょうか。ここでは、ネズミによる住宅や人の被害について詳しく解説します。

建物や家具などを傷つける

ネズミが生息すると、建物の壁や柱、建物の断熱材をかじるため、建物の強度が低くなったり、価値が下がったりする被害があります。ネズミの前歯は一生伸び続けるという性質があり、伸びすぎるとエサが食べられずに死んでしまうため、木材をかじる習性があるのです。断熱材も巣作りの材料となるため、かじられやすいという特徴があります。

また、ネズミは壁や柱だけではなく、部屋に出てきて木材の家具や布団、衣類などをかじって傷つけることもあります。ネズミが生息すると室内や屋根裏などに排泄物をまき散らして汚して衛生状態が悪化することも多いため、注意が必要です。

漏電による火災の原因になる

ネズミは木材だけではなく、電気ケーブルをかじることもあります。天井裏やリビングなどの配線ケーブル付近は暖かく、寒さが苦手なネズミには最適な場所となるため注意が必要です。ケーブルをかじられると修理費用がかかりますし、そのまま使用して漏電すると火災の原因になることもあります。

火災保険では害虫や害獣を原因とする火災はたいてい免責事項となっているため、ネズミが火災の原因となった場合は、火災保険が適用されないこともあります。ネズミの害で万が一火災が起きても保険金を得られない可能性があるため注意しましょう。

病気やアレルギーの原因になる

ネズミはさまざまな病原菌を持っているといわれています。万が一かまれると、傷口から病原菌が侵入し、肺炎や肝炎、胃潰瘍などを引き起こすおそれがあるため注意が必要です。ネズミにかまれた際のアナフィラキシーショックも報告されており、全身の腫れや意識障害、呼吸困難などが起こる可能性もあります。

また、ネズミの排泄物によりダニが発生してアレルギーの原因になったり、夜に動き回るため思うように睡眠がとれずに体調不良になったりすることもあります。

このように、ネズミは病気やアレルギー、睡眠障害など、身体に悪影響を及ぼすだけではなく、精神的なストレスの原因になることもあるのです。

ネズミ駆除にはどのくらいの費用がかかる?

ネズミは建物への被害や健康被害などさまざまな害をもたらすため、適切に駆除することが大切ですが、実際はどれくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、ネズミ駆除にかかる費用についてくわしく解説します。

自分で駆除する場合

ネズミを自分で駆除する場合は、捕獲かごや粘着シートなどの駆除グッズを使って行います。これらの駆除グッズは簡単に手に入り、価格も安いことから、駆除費用を安く抑えることが可能です。

主な駆除グッズの購入費用は、以下のようになっています。

殺鼠剤はペットが食べてしまい死亡する事故も起きているため、使う際には注意が必要です。

忌避剤はネズミが嫌うにおいや成分をスプレーするもの、錠剤のもの、隙間を埋めるパテに忌避剤を混ぜているものなど、いくつもの種類があります。数種類を組み合わせて使うとより効果が高まります。

ただし、ネズミは比較的知能が高い動物のため、完全に駆除することが難しい場合もあります。駆除グッズを使っても効果がない場合は、業者へ依頼しましょう。

業者へ依頼する場合

ネズミ駆除を業者に依頼する場合の費用は、駆除作業の範囲によってかわります。1回1~5万円程度が目安ですが、駆除1回では効果が限定的なため、数回行われることが多くなっています。そのため、実際には10万円から30万円ほどかかると考えておくとよいでしょう。

また、駆除の範囲だけではなく、どの駆除方法を使うのかによっても費用がかわってきます。家の状況を見てもらったうえで駆除回数や駆除期間、駆除方法などのくわしい見積もりを出してもらうことが大切です。

駆除費用の例は、以下のようになっていますので参考にしてください。

①築20年の2階建て住宅
②築30年の2階建て住宅

出典:ダスキンのネズミ駆除の費用っていくらかかるの?|ダスキン東寺尾支店

マンションでネズミを駆除する場合は?

ネズミはわずかな隙間からでも侵入でき、高所が得意な種類もいるため、マンションの高層階に住み着く場合もあります。

特にマンションは1階部分から高層階まで排水溝や配線スペースがつながっているため、低所から侵入したネズミが高層階まで簡単に上ってくることも可能です。

マンションは気密性が高く年間を通して暖かく保たれていること、ベランダに野菜や花の球根、肥料などエサとなるものがあること、ごみの集積所があることなどから、ネズミが好む環境がそろっています。

自分の部屋にネズミが出た場合はマンション全体で発生している可能性がありますので、管理組合で駆除方法を決め、費用負担についても話し合うようにしましょう。

マンションにネズミが発生した場合の対策方法については、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:マンションにネズミが侵入! 対策方法や駆除にかかる費用を解説

業者へネズミ駆除を依頼する際のコツ

ネズミ駆除費用は、業者によってさまざまなため、複数の見積もりを取り、費用や駆除方法などを比較することが大切です。それでは、業者へネズミ駆除を依頼する際のコツについて、くわしく解説します。

見積りを取って比較する

ネズミの駆除にかかる費用は、作業をする範囲や回数よってかわります。そのため、業者に侵入経路や生息場所などを実際に確認してもらい、見積もりを作成してもらうことが大切です。業者によって費用に差があるため、複数の業者を比較するとよいでしょう。

また、見積もりを取ったときには、価格だけではなく、「どのような方法を用いて駆除をするのか」「作業あたりの単価はどれくらいか」「何回駆除作業をするのか」ということも含めて比較検討することが大切です。

同じ状況でも、業者によって用いる駆除方法が異なることもあります。価格だけではなく、最も効果的だと考えられる方法を検討するようにしましょう。

二次被害や再発防止対策も含めて依頼する

ネズミは知能が高く、駆除後も再び侵入してくる可能性もあるため、再発防止対策もあわせて行ってもらうことが大切です。

再発防止対策としては、死骸や糞尿の処理、消毒や超音波発生器、罠の設置などがあげられます。また、侵入口となる隙間や穴をパテで埋めたり、排水溝にトゲを設置したり、薬品を含ませたビニールシートで広範囲の侵入口を覆うといった方法もあります。これらの対策は、業者によるものの、1ヶ所あたり2,000円から3,000円程度が目安です。

ネズミの駆除を業者に依頼するときには、このような再発防止策の見積もりも一緒に取って検討するようにしましょう。

まとめ

ネズミの駆除を業者に依頼する場合は、駆除範囲や回数、用いる駆除方法などによって費用がかわります。一般的には、ネズミを駆除するためには10万円から30万円程度かかると考えておきましょう。また、駆除だけではなく再発防止策も重要です。見積もりを取るときには、駆除費用と再発防止費用の両方を依頼し、くわしい金額を確認するようにしましょう。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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