コロナ禍の中においてテレワークが導入され、広い住宅を求めるニーズが高まったように感じます。しかし、一定の通勤利便性を確保しつつ、値ごろ感のある住宅を購入するのは容易ではありません。以前紹介した、つくばエクスプレス線沿線の街はそれを叶える一つの候補でしょう。

詳しく読むつくばエクスプレス沿線の住み心地は? 快適通勤でゆとりの住まいに手が届く

広くてリーズナブルな住まいを探す際、もう一つ紹介したいのが、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線沿線の街です。「赤羽岩淵」駅から「浦和美園」駅間の14.6キロメートルが結ばれ、1日あたり12万人を超える人が利用している埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線。今回は、埼玉高速鉄道沿線の注目の街を紹介します。

都心の主要駅に直結、住宅価格もリーズナブル

「赤羽岩淵」駅~「浦和美園」駅間の8駅を結ぶ、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線 出典:埼玉高速鉄道ホームページ

埼玉高速鉄道株式会社は、高速鉄道東京7号線の埼玉県内部分<川口市、鳩ヶ谷市(現:川口市)、浦和市(現:さいたま市)>の建設と運営を行う第三セクターとして1992年3月25日に設立。2001年3月28日より鉄道事業をスタートしています。

高速鉄道東京7号線は、目黒から浦和市東部までの路線で、東京都内は東京地下鉄株式会社が運営。2000年9月に「目黒」~「赤羽岩淵」が南北線として開業しています。現在は、東京メトロ南北線、東急目黒線と相互乗り入れを実施し、「浦和美園」駅から「日吉」駅間で運行を行っています。

開業と同時に「川口元郷」駅から「浦和美園」駅までの7駅が誕生。周辺エリアは、マンションや戸建住宅の開発が進んでおり、価格の値ごろ感から居住エリアとして注目されています。

令和元年度(2019年4月~2020年3月)の「埼玉高速鉄道線」駅別乗車人員 出典:埼玉高速鉄道線ホームページ

埼玉高速鉄道が通る「赤羽岩淵」、「川口元郷」、「鳩ケ谷」といった場所は、江戸時代の宿場町。徳川家康をまつる日光に将軍家が社参するため街道、日光御成道(にっこうおなりみち)があったところです。現在の国道122号線にあたり、岩槻街道とも呼ばれています。誕生した7駅は、「戸塚安行」駅を除きこの街道沿いの近くに立地します。沿道の周りは、鉄道開業前から市街化が進んでおり、2011年に川口市と合併した旧鳩ケ谷市の市役所(現在の川口市鳩ケ谷庁舎)もこの街道の近くに立地しています。

東京メトロ南北線と相互乗り入れを行う埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線の魅力は、「市ヶ谷」駅・「四ツ谷」駅・「永田町」駅など都心の主要駅へダイレクトにアクセスできること。さらに、「王子」駅でJR京浜東北線と都電荒川線、「駒込」駅でJR山手線、「後楽園」駅で東京メトロ丸ノ内線、都営大江戸線、都営三田線、「飯田橋」駅で東京メトロ東西線・有楽町線、都営大江戸線、JR総武線に乗り換え可能です。

「浦和美園」駅から「四ツ谷」駅までは50分以内、「駒込」駅へは30分台でアクセス可能。乗り換えなしで都心へアクセスできるのは、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線沿線に暮らす大きな魅力でしょう。なお、「浦和美園」駅以外は、地下にホームが設置されており、東京メトロ南北線と同様に踏切のない沿線です。

もう一つの魅力が、マンションや戸建てなどの住宅価格が比較的リーズナブルであること。「川口」駅や「浦和」駅などのJR京浜東北線沿線は、通勤利便性と生活利便性の高さから近年価格が大きく上昇しています。一方、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線沿線は3,000万円台から4,000万円台で新築マンションの購入が可能。子育てファミリーでも十分手が届きそうです。
ここからは、筆者おすすめの埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線沿線の街を3つ紹介します。

浦和美園駅

始発駅で楽々通勤。大型商業施設や公園もあるスケールの大きな街「浦和美園」

「浦和美園」駅を訪ねると、スケールの大きな街づくりが一目瞭然です。駅周辺は、大規模な土地区画整理事業によって整った街区が広がります。「みそのウイングシティ」として 「スポーツ、健康、環境・エネルギー」をテーマに新しいまちを創造。都市基盤が整備され、先進的な街づくりが進められています。さいたま市の東南部に位置し、東北自動車道浦和I.C.も近く、車を利用した広域アクセスにも便利なロケーションです。

浦和美園の街並み

実際に街を歩くと、この街の暮らしやすさが伝わります。整備された街路は、歩道が広く歩きやすく、ベビーカーを押しながら歩くお母さんの姿も見かけます。沿道には街路樹が植えられ、緑豊かな街並みが続きます。
住宅事情はというと、街区が大きいので、大規模マンションの供給が中心です。大規模マンションは、多彩な共用施設があるだけでなく、スケールメリットによって維持・管理費が抑えやすくなることから、家計にもやさしい点も魅力。完成したマンション群は、開放的でとても日当たりが良さそうです。

浦和美園駅周辺のマンション群

街のシンボルとも言えるのが、2002 FIFAワールドカップの会場にもなった「埼玉スタジアム2002」。アジア最大級で日本最大のサッカー専用スタジアム。観客席数は、6万3,700席もあります(車椅子席150含む)。約30ヘクタールという広大な「埼玉スタジアム2002公園」には、もみの木広場やちびっこ広場といった子どもが遊べるスペースがあり、サブグラウンドやフットサルコートなどサッカー環境が充実しています。施設を利用した子ども向けのサッカースクールも行われています(有料)。

埼玉スタジアム2020

生活利便性の高さも「浦和美園」の魅力です。ロードサイドには、飲食店やコンビニエンスストアなどが連なり、大型商業施設「イオンモール浦和美園」が立地します。2006年に開業した映画館や専門店、医療モールもある複合施設で、約170もの店舗数を誇り、約3,000台分の駐車場も用意されています。モール内にある食料品などを販売するイオン浦和美園店は、食品売場が早朝からオープンしていて便利です。カフェや飲食店も充実しているほか、映画館も併設。街を出なくても家族揃って週末のオフタイムを楽しめます。

イオンモール浦和美園

子育て環境も良好で、芝生の広がる浦和美園4丁目公園は地域住民の憩いの場となっています。駅前にある浦和美園コミュニティーセンターには、多目的ホールやレクリエーションルームがあり、美園図書館も併設されています。

浦和美園4丁目公園

さらに、家電量販店や衣料品店など買い物施設も充実。「浦和美園」駅は、始発駅でもあるので都心通勤もスムーズです。駅利用者が増えているように、人口流入も活発ですが、大規模な新築分譲マンションが3,000万円台で購入可能。若い子育て層に魅力的な街と言えそうです。

JR武蔵野線利用でマルチアクセスも可能。区画整理された閑静な住宅街「東川口」

「東川口」は、JR武蔵野線も利用できるターミナル駅です。JR武蔵野線「東川口」駅からJR京浜東北線が通る「南浦和」駅へは2駅、東武伊勢崎線への乗り換え駅「南越谷」駅へは1駅でアクセス可能。JR武蔵野線を利用すれば、「西船橋」駅や「府中本町」駅など千葉・都下方面へもスムーズに行けます。

JR東川口駅

「東川口」駅の周辺部は、川口市施行の300ヘクタール超もの土地区画整理事業が1988年に完了。埼玉高速鉄道が開業する前は、駐車場などに利用される低利用地が多かったですが、2006年以降にマンション供給が活発化。2路線利用で交通利便性も高く、居住エリアとして注目されています。

東川口駅周辺の街路

「東川口」駅の魅力は、区画整理によって整った街並みであること、自然環境が豊富にあることです。自転車専用レーンの設けられた街路もあります。生活利便施設も整ってきており、24時間オープンの西友東川口店が駅前に立地。駅から徒歩約5分の場所にはダイエー東川口店があるほか、ロードサイドにはドラッグストアなどの店舗も揃っています。

また、駅周辺には保育園や川口市立戸塚図書館など教育関連施設も充実。戸塚榎戸公園や戸塚中台公園など多くの公園が整備されており、綾瀬川や伝右川などの自然も身近にあります。足を延ばせば、埼玉県民健康福祉村、川口自然公園といった緑豊かなレジャースポットも周辺に点在しています。

戸塚榎戸公園

街は、ある程度市街化が進んでいるため、駅周辺部中心に中規模マンションの供給が目立ちます。新築マンションで3LDKが4,000万円台、築20年程度の中古マンションなら3LDKが2,000万円台でも購入可能です。

商業施設が集積する「川口」駅も生活圏。コストパフォーマンスが魅力の「川口元郷」

「川口元郷」駅の魅力は、7駅の中で最も都心に近く、通勤利便性が高いこと。JR山手線「駒込」駅へは、20分以内でアクセス可能。「飯田橋」駅や「四ツ谷」駅へも30分以内で移動できます。また、バス網も発達しており、駅前のバスロータリーからはJR京浜東北線「川口」駅東口へ10分強でアクセスできます。

川口元郷の街並み

「川口」駅前には、川口市立中央図書館の入る複合施設「川口キュポ・ラ」をはじめ、多彩な飲食店やカフェ、物販店などが入る「かわぐちキャスティ」など公益・商業施設が充実。JR京浜東北線を利用すれば、都心方面へのアクセスも軽快です。

川口駅前

川口市は鋳物などものづくりが盛んな街ですが、「川口元郷」駅周辺は埼玉高速鉄道開業以来、工場跡地などに多くの分譲マンションが建てられました。駅周辺には、医療モールや「ヤオコー川口本町店」の入る複合商業施設「ミエルかわぐち」など生活関連施設も充実しています。また、駅前には芝川公園が立地し、芝川や荒川といった自然も身近で、子育てしやすい住環境です。

ミエルかわぐち

住宅価格は、新築マンションの3LDKが4,000万円前後で購入可能。荒川を挟んだ向かいの赤羽エリアや川口駅周辺部と比較するとかなり値ごろ感があります。広くてリーズナブルな家を手に入れるため、川口市内だけでなく、東京都内などから移り住む家族も多いようです。

埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線沿線の街で「ゆったり通勤、ゆったり暮らす」

紹介した「浦和美園」「東川口」「川口元郷」をはじめ、暮らしやすい住環境で広い住宅が購入できる埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線沿線ですが、留意すべき点もあります。ターミナル駅は、「東川口」駅のみ。駅利用者は多くても1万人台のため、日中の電車の本数は朝の通勤時でも1時間あたり10本前後とそう多くありません。また、岩槻方面への延伸構想がありますが、未だ事業化は決定していません。

一方、埼玉高速鉄道の混雑率(2019年度)は、最も混雑する「川口元郷」~「赤羽岩淵」間で131%。東京圏の平均混雑率が164%であることを考えると、通勤ストレスも減らせるかもしれません。

都心への良好なフットワークと暮らしやすい住環境でゆとりの住宅が実現できる、「ゆったり通勤、ゆったり暮らす」埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線沿線の街。広くてリーズナブルな住まいを探している人は、一度検討してみてはいかがでしょうか。

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