ペントハウスとは? 間取りや仕様などの特徴や居住するメリット・デメリットを解説

タワーマンションなど高級マンションの最上階に設けられたペントハウスでの暮らしに、憧れを持っている人は少なくないのでは?

でも、具体的にペントハウスとはどのような住戸を指すのでしょうか。

ビルの屋上の塔屋もペントハウスと呼ばれています。

マンションのペントハウスとは何か、特徴を説明したうえでメリットやデメリットを紹介していきます。

 

ペントハウス(penthouse)とは

ペントハウスでは設備が豪華な場合が多いです

ペントハウスとはマンションの最上階にある住戸のうち、特別な仕様の住戸を指すのが一般的です。

ペントハウスは、主にタワマンなどの高級マンションで設けられていて、メゾネットタイプになっていることもあります。

ペントハウスによく見られる間取りなどの特徴は以下です。

・ルーフテラスがある
・ハイグレードの特別な設備や仕様
・専有面積100~200平方メートル以上
・天井高3m以上
・新築は間取りを決められることも

また、ペントハウスには「屋上に設置された小屋」という意味もあります。

戸建てやビルの屋上の倉庫、機械室、階段室など塔屋と呼ばれるものです。

建築基準法上では階段室などのペントハウスは、真上から見た水平投影面積が建築面積の8分の1以下で、ペントハウス部分の高さが5m以下の場合は階数に算入されません。

ただし、屋根の高さが1.5m以上あるケースなど、固定資産税の算定では延べ床面積に含まれることがあります。

ペントハウスに住む5つのメリット

ペントハウスでの暮らしとはどんなものでしょう

マンションのペントハウスで暮らすメリットは大きく分けて5つあります。

・ゆったりとした間取りで開放感がある
・タワーマンションなので見晴らしがよい
・ステータスになる
・ほかの住戸からの干渉を受けにくい
・資産価値が高い

ペントハウスがあるのはタワーマンションが中心で、最上階にあることから見晴らしが良く、開放感が感じられます。

また、ワンフロアの住戸数が少ないことから、間取りにゆとりがあるとともに、プライバシーが守られた暮らしを送りやすい環境です。

さらに、最上階の特別な仕様の住戸のためステータスがあり、立地条件や希少性などから、資産価値が高いこともメリットに挙げられます。

 

ゆったりとした間取りで開放感がある

ペントハウスのある最上階の住戸数は1戸から3戸程度とほかのフロアよりも少なく、ゆったりとした間取りで開放感があることがメリットです。

専有面積は100平方メートル~200平方メートル以上あり、リビングダイニングや寝室などの居室だけではなく、玄関や廊下、洗面脱衣室、浴室なども、ゆとりのある広さが確保されているのが一般的です。

また、一般的なマンションは天井高が2.4m前後なのに対して、ペントハウスでは3m以上ある物件も見られ、窓が大きくとられていることからも、空間がより広く感じられます。

ルーフテラスがついていることが多く、開放的な雰囲気があります。

 

タワーマンションなので見晴らしが良い

ペントハウスと呼ばれる住戸が設けられているのは、タワーマンションが中心です。

マンションは一般的に階数が高いほど見晴らしが良くなるため、最上階のペントハウスは眺望が優れた物件が多いこともメリットに挙げられます。

眺望は立地にもよる面もあり、必ずしも良いとは言い切れないものの、周囲に遮る建物がない場合は、眼下に広がる景色を存分に楽しむことができます。

物件によっては、夕日や日の出、あるいは花火などを部屋から眺めることが可能です。

ペントハウスに大きな窓が設けられているのは、眺望をより楽しむための工夫でもあります。

 

ステータスになる

ペントハウスは高級マンションの最上階の特別な仕様の住戸のため、住んでいること自体がステータスになります。

ペントハウスはほかの住戸とは部屋の広さや設備・内装のグレードなどに違いがあり、希少性もあります。

また、分譲価格や賃貸であれば家賃がほかの住戸よりも高額に設定されていることから、居住するにはある程度の収入が必要であり、誰でも簡単に住めるものではありません。

ペントハウスでの暮らしには特別感があるのです。

 

ほかの住戸からの干渉を受けにくい

ペントハウスはマンションの最上階に位置し、一つのフロアにある住戸は1戸から3戸の程度のため、ほかの住戸からの干渉を受けにくい環境です。

特に1戸しかない場合には、ワンフロアを独占できるため、居住者や居住者を訪問する人以外はエレベーターで上がって来ないことからも、静かな暮らしを実現できます。

物件によっては、ペントハウスの居住者の専用エレベーターが用意されていて、よりプライバシーが守られた暮らしを送れます。

また、ワンフロアに2戸以上がある場合も、ペントハウスは最上階のため、上の住戸からの足音などに悩まされることはありません。

防音対策がとられていることが多いので、隣戸からの音が気になるケースが少なく、静かな生活を送ることができます。

 

資産価値が高い

ペントハウスは立地条件の良い物件に設けられることが多く、流通している物件が限られているため、希少性の面からも資産価値が高いことがメリットとなります。

新築物件は価格の高さなどから一般には販売せず、紹介のみでしか購入できないこともあります。

マンションは新築で購入した後、通常は数年で大幅に価格が下落していきます。

しかし、立地条件の良い物件は中古での売却であっても、価格を維持しやすい傾向にあります。

また、最上階の物件は人気があります。

 

ペントハウスに住む4つのデメリット

ペントハウスに住むことは大変なのでしょうか?

ペントハウスに住む際には、4つのデメリットがあることを考慮しておく必要があります。

・家賃、分譲価格が高額
・天候の影響を受けやすい
・維持費が高い
・地震の揺れを感じやすい

ペントハウスは最上階にあり、仕様や広さの面からも、家賃や分譲価格が高額になりがちです。

管理費や修繕積立金、ルーフテラスの使用料、あるいは光熱費といった維持費も、一般的なマンションよりもかかります。

また、風が強く、寒さや暑さなど天候の影響を受けやすいことや、高層階のため地震の揺れを感じやすいこともデメリットに挙げられます。

 

家賃・分譲価格が高額

ペントハウスは最上階に位置していて、グレードの高い内装や設備となっていることから、賃貸の場合の家賃や分譲の場合の販売価格が高額になりやすいことがデメリットです。

マンションは通常、上層階になるほど販売価格が高く設定されていて、仕様の違いや広さからもペントハウスは同じマンションのほかの住戸よりも高額です。

また、都内でペントハウスが設けられているマンションは、億ションと呼ばれるような高級マンションがほとんどです。

ペントハウスよりは安い一般の仕様の部屋でも、家賃や販売価格が高額になる傾向があります。

 

天候の影響を受けやすい

ペントハウスは最上階にあることから、雨漏りや強風、寒さや暑さなど天候の影響を受けやすいこともデメリットに挙げられます。

ペントハウスのある最上階の上の屋上は防水処理がされていますが、経年劣化によって防水層に亀裂が入り、雨漏りが起こるリスクがあります。

また、高層階にあるペントハウスは周囲に遮るものが少ないため風が強いです。

ルーフテラスに置いたテーブルやベンチ、観葉植物などが、風で倒れたり、飛ばされたりする可能性があります。

そのため、風の強い日にはルーフテラスに置いているものを室内に取り込むなどの対策を行うことが必要です。

さらに、高度が100m上がるごとに気温は約0.6℃下がることから、冬は寒さの影響を受けやすいです。

夏は直射日光によって熱がこもりやすい状況になります。特に、古いマンションなど複層ガラスを採用していない物件では、外気の影響を受けやすいです。

 

維持費が高い

ペントハウスは管理費や修繕積立金、ルーフテラスの使用料、光熱費といった維持費が高いのが一般的です。

ルーフテラスは共用部分にあたり、専用使用権を持っていることから利用できるスペースです。

そのため、分譲マンションの場合、毎月、管理費と修繕積立金に加えて、一般的にルーフテラスの使用料が徴収されます。

また、高級マンションは管理費や修繕積立金が高い傾向がありますが、専有面積に応じて負担することから、ペントハウスの所有者は特に高額の負担となります。

さらに、前述のように高層階は天候の影響を受けやすいため、冷暖房費がかさみがちなことも維持費が高い理由の一つです。

 

地震の揺れを感じやすい

地震が起きた際、ビルやマンションでは高層階の方が揺れが大きく、長い時間にわたって続きます。

特に1人暮らしの場合は不安を感じるかもしれません。

また、災害時に停電でエレベーターが使えなくなると、ペントハウスのある最上階から階段での移動を余儀なくされることも考えられます。

 

まとめ

タワーマンションなどの高級マンションにあるペントハウスは、ゆとりがある間取りで開放感があり、プライバシーが守られた暮らしを送れることやステータスを感じられることが魅力です。

ただし、実際に暮らすにあたっては、費用面をはじめ、天候や地震の影響によるデメリットもあります。

ペントハウスを検討する際には、メリットとデメリットの両面があることをよく理解しておきましょう。

 

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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