上棟とはどんな意味? 上棟式の必要性や上棟日について徹底解説

新築の家を建てる際に、上棟(じょうとう)という工程があります。上棟とは、どのようなものなのかをご存知でしょうか。

この記事では、上棟という言葉の意味や上棟式について解説しています。

家を建てるというのは、人生で何度も経験することではありません。

専門用語やマナーについてはよくわからないという人がほとんどでしょう。


これを読めば、「上棟式は必ずやるもの?」「やるのであればどれくらいの費用がかかる?」といった、上棟に関する疑問を解決できますよ。

 

上棟とは

上棟とは、主に木造住宅の建築において、柱や梁などの基本構造が完成した後に、屋根の一番上の部材である「棟木」と呼ばれる木材を取り付けることです。


「棟上げ」「建方」「建前」という言い方もされます。

上棟という言葉が指す作業範囲は、地域によって以下のように違う場合があります。

・骨組みを組み上げた段階
・屋根が完成した段階
・鉄骨構造で、骨組みが完成した段階

上棟の日に雨が降ると「木材が濡れるのでは」という心配もあるかと思いますが、多少の雨であれば問題ありません。


建築に使われる木材は一度しっかり乾燥させているため、雨などの水分を吸収しにくく、少しくらいの雨なら上棟を行う場合もあります。

「上棟の日に雨が降った家は火事にならない」「幸せや福が降り込む」などと言われ、縁起がいいという考えもあるようです。


ただ雨が降ることで、職人さんの作業がやりにくくなります。

その場合は、上棟の日にちを変えることもあるでしょう。

 

上棟式とは

上棟式とはどのようなものでしょうか?

上棟式とは、上棟までの作業が無事に完了したことを祝う行事で、建前ともいわれます。

「せっかくだから、休みの日に盛大に祝いたい」と考えるかもしれませんが、上棟式は職人さんに感謝を込めてもてなすという意味合いもあります。


休みの日に集まってもらうのでは職人さんに負担がかかるため、上棟が終わった日の夕方に行うのが一般的です。

上棟式をする場合は、棟梁に上棟式をおこなう旨を伝えておきましょう。

ただし、棟上げの工程がない場合は、上棟式をしないこともあります。

棟上げ工程がないケースとしてあげられるのが、以下の工法です。

・鉄骨構造
・プレハブ工法
・2×4工法

この場合でも、上棟式をしてはいけないということはありません。

たとえば鉄骨構造なら、骨組みが完成した段階を上棟と考えて上棟式をするという方法もあります。

 

現場の職人と良好な関係を築けることがメリット

上棟式は、現場の職人さんと良好な関係を築けるのが最大のメリットです。

良好な関係を築くことで、お互いに意見を伝えやすくなります。

とはいえ、最近では上棟式をやらないケースも増えています。

上棟式をおこなわない場合でも、職人さんには感謝を伝え、コミュニケーションをとりましょう。

コミュニケーションを重視した、簡易的な上棟式を行なうのも一つの方法です。

 

上棟式にかかる費用

上棟式にかかる費用は、安くて10万円くらいです。

餠撒きをするような盛大な上棟式であれば、15~30万円程かかることもあります。

費用の内訳としてあげられるのは以下の通りです。

・お供えや飾り物
・食事や飲み物
・ご祝儀
・引き出物

どのようなグレードにするかによっても金額が変わるので、ムリのない範囲で用意します。


参加者は、家族以外に7~8人くらいが目安ですが、事前に参加人数を確認しておきましょう。

項目 費用

お供え・飾り物

1万円前後

食事・飲み物

1人2~3千円

ご祝儀

棟梁:1~3万円

職人・関係者:3千~1万円

引き出物

1人3~5千円

 

上棟式の流れ

上棟式をはじめるのは、その日の作業が終わる午後3~5時頃からです。

施主が主催するものですが、進行は施工会社が行ってくれます。

上棟式する場合に、覚えておくべき流れを確認していきましょう。

1.棟梁が棟木の上に札や吹き流しを立て、飾り物を上げる
棟上げが終わった段階で行います。
2.祭壇に御幣や神饌物を飾る
祭壇に飾る飾り物は、上棟セットとして売られているものを利用すると便利です。
3.建物の四方に酒・塩・米をまいて安全祈願の儀式を行う
施主と棟梁にて行います。酒・塩・米などのお清め品は、施主が準備しておきます。
餠撒きなどをする場合は、このあと行いましょう。
4.施主の挨拶・乾杯
職人さんや関係者をねぎらう言葉や、工事の安全を願う旨を伝えて乾杯します。
5.棟梁や工事関係者の紹介・挨拶
工事に携わってくれている関係者を紹介します。
挨拶をしてもらう場合は、代表として棟梁にお願いしておきましょう。
6.施主から棟梁・工事関係者へご祝儀や引き出物を渡す
職人さんや関係者が引き上げるタイミングで渡しましょう。
7.お開き


服装は平服で構いません。職人さんは作業着のまま参加します。


現場は足元が悪いことが多いので、靴や服は動きやすいものを選んだ方がよいでしょう。

 

上棟式はやるべき?上棟式の必要性

上棟式はやるべきでしょうか?

近年では、上棟式をしないケースも増えています。
「建築にかかる費用を少しでも抑えたい」「忙しくて時間を取れない」など、その理由もさまざまです。

ハウスメーカーを使っている場合は、職人さんに仕事を依頼しているのが施工主ではなくハウスメーカーですから、上棟式を行わないこともあります。

上棟式は、職人さんとの良好な関係を築くために役に立ちますが、上棟式をしない場合でも良好な関係を築くための努力は必要でしょう。

差し入れを持って挨拶をするだけでも、相手に与える印象は大きく変わります。

ムリをしない程度に、職人さんと良好な関係を築くことが大切です。

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まとめ

上棟式は、新築の工事がひと区切りついたことを祝うとともに、職人さんへの感謝や工事の安全を願うための行事です。


職人さんとの関係を良好にしておくことで、自分の意見や心配事を伝えやすくなるという利点もあります。

平日に行うことが多いため、「施主の都合がつかなくてできない」というケースもあり、上棟式をやらなかったとしても失礼にはなりません。

上棟式をやらない場合は、現場に顔を出して挨拶だけでもしておくことで、職人さんをねぎらう気持ちが伝わります。


上棟式をするのであれば、後悔が残らないようにムリのない範囲で行いましょう。

 

(最終更新日:2024.04.19)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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