コロナ禍の住宅購入事情。テレワークに合わせた部屋づくりとは? |ARUHI「住宅購入に関する調査2021」

withコロナの生活が続き、在宅勤務や時差通勤が定着し、私たちの生活スタイルも変化しました。それにともない、住まいに求めることも変わりつつあります。コロナ禍に住宅を購入した人や、コロナ禍の生活を経てこれから住宅購入を予定している人は、どのような住まいを求めているのでしょうか。コロナ禍や、それにともなうテレワークの導入が住宅購入にどのような影響を及ぼしたのか、新型コロナウイルスの感染が広がり始めた2020年1月から2021年3月までの間に住宅を購入した人と、コロナ禍の生活を経験したうえでこれから住宅を購入する人に聞きました。

住宅購入者の1割、住宅購入検討者の3割が「新型コロナの影響あり」

ARUHI「住宅購入に関する調査2021」調査結果より

まずは住宅購入者に、新型コロナウイルスの感染拡大により、住宅購入に影響があったか問うと、90.3%の人が「影響はなかった」と回答。「住宅購入のタイミングを変更した」が6.0%、「住宅購入のエリアを変更した」「住宅購入の予算を変更した」がともに1.3%でした。

ARUHI「住宅購入に関する調査2021」調査結果より

これから住宅購入を予定している人にも同様の質問をしたところ「影響はなかった」が72.0%、「住宅購入のタイミング変更を予定している」が18.0%、「住宅購入のエリア変更を予定している」が5.7%、「住宅購入の予算変更を予定している」が5.0%、「住宅購入する物件種別の変更を予定している」が2.7%という結果に。コロナ禍の生活を経験した分、既に住宅を購入した人と比べて住宅購入に対する影響が大きいようです。

約半数の家庭で「自身または配偶者の勤務先がテレワークを導入」

ARUHI「住宅購入に関する調査2021」調査結果より

コロナ禍の影響による大きな生活の変化として、テレワークを導入する企業の増加が挙げられます。そこで、全回答者に対し、勤務先がテレワークを導入しているかと質問をしたところ「自身・配偶者の勤務先ともに導入していない」が50.2%、「自身の勤務先のみ導入している」が32.8%、「自身・配偶者の勤務先ともに導入している」が9.3%、「配偶者の勤務先のみ導入している」が7.8%という結果に。約半数の家庭で、夫婦のいずれかがテレワーク体制で勤務をしていることが分かりました。

住宅購入検討者の半数が、テレワークを意識

ARUHI「住宅購入に関する調査2021」調査結果より

テレワークの導入は、住宅購入にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。住宅購入者に聞くと、「特に影響はなかった」が最多で72.7%を占め、以下「書斎など在宅勤務のためのスペースを確保した・当初の予定より部屋数を増やした」が23.5%、「防音性能に配慮した」が3.8%、「収納スペースを充実させた」が2.3%、「通信環境に配慮した」「宅配ボックスを導入した」「コンセントの設置数を増やした」が1.5%、「省エネ性(冷暖房効率)に配慮した」「その他」が0.8%でした。

ARUHI「住宅購入に関する調査2021」調査結果より

一方、住宅検討者にも同様の質問をしたところ「影響はない」が最多で55.4%と半数強を占める一方、「書斎など在宅勤務のためのスペースを確保したい・当初の予定より部屋数を増やしたい」が26.8%、「通信環境に配慮したい」が9.6%、「防音性能に配慮したい」が7.0%、「省エネ性(冷暖房効率)に配慮したい」が6.4%、「収納スペースを充実させたい」が4.5%、「宅配ボックスを導入したい」が3.8%、「コンセントの設置数を増やしたい」が3.2%、「換気性能に配慮したい」が2.5%という結果に。コロナ禍の生活を経験し、実際に不便に感じたことを家づくりに活かそうと考えている様子が伺えます。

男女別で見ると、「宅配ボックスの導入」を考えた人は、男性は1.6%なのに対し、女性は4.8%と女性の関心が高い傾向が伺えます。
また、年代別で「書斎など在宅勤務のためのスペースを確保したい・当初の予定より部屋数を増やしたい」人の割合を見ると、20代が最も多く40.0%、20代が29.7%、40代が29.3%、50代が12.5%、60代が20.8%と、若い世代を中心としてワークスペースの確保が求められていることが分かります。

テレワークの導入によって住宅に求められているのはどんなこと?

最後に、テレワークの導入によって住宅に何を求めるようになったのか、自由回答で聞きました。

「書斎など在宅勤務のためのスペースを確保した/確保したい」という人からは

会議で音が入るから(40代・男性)
犬がうるさい(50代・女性)

など静かな環境を求めている人や

落ち着いてオンライン会議を行いたいから(40代・女性)
テレワークに快適な環境が欲しい(50代・女性)
集中できる(30代・男性)

といった、テレワークに集中できる環境づくりを求めている声が多く

現状、夫婦2人で揃って在宅勤務をできるスペースがない(30代・女性)
夫婦ともにテレビ会議が多いため、お互いの会議中の音が漏れないようにするため(40代・女性)
ミーティングなどがバッティングするとうるさい(40代・男性)

など、夫婦ともに在宅勤務の家庭ではお互いが仕事に集中できる環境づくりが求められています。また、

将来の介護部屋に転用できるように水回りも確保(60代・男性)

など、将来的な活用法も視野に入れている人もいるようです。

その他、「通信環境に配慮した/配慮したい」という人からは

通信速度を上げるためルーターを新しくした(30代・女性)
5G時代にも対応できるよう10GbpsLANも敷設(60代・男性)
今後の教育環境に適応するため(20代・女性)

「防音性能に配慮した/配慮したい」という人からは

子供がいても集中できるように(30代・女性)
子供の騒音対策(30代・女性)
無音の状況になるので生活音が気になる(40代・女性)
外の音を拾わないように(40代・男性)

「省エネ性(冷暖房効率)に配慮した/配慮したい」という人からは

終日家にいるので省エネとしたい(40代・男性)
今の社宅は一切省エネではなく、光熱費がバカ高いから。環境にも悪すぎるから(30代・女性)
自宅にいる時間が増えるから電気代など減らしたい(30代・女性)

「収納スペースを充実させた/充実させたい」という人からは

押し入れが3つしかない社宅なので、クローゼットがほしい(30代・女性)
できるだけすっきりさせたい(50代・男性)
ヨメの持ち物が極端に多いので(60代・男性)
家具を減らしたい(50代・女性)

「宅配ボックスを導入した/導入したい」という人からは

再配達を防ぎたい(60代・男性)
在宅時以外にも受け取りたい(20代・女性)
コロナや子育ての影響でネット通販が増えたので、不在時にも、受け取れたり宅配業者と顔を合わせたりしなくてもすむと良いと思った(30代・女性)

「コンセントの設置数を増やした/増やしたい」という人からは

利用する情報機器が多いのでコンセントは多く備えたい(40代・男性)
今の社宅はコンセントが少なく、すぐにブレーカーがおちる(30代・女性)
パソコンを多く使うため(30代・女性)
テレワークや携帯の充電などに必要だから(30代・女性)

「換気性能に配慮した/配慮したい」という人からは

第一種換気で熱の再利用を(60代・男性)
配偶者がハウスダストアレルギーだから(20代・女性)
窓を開けなくても常に換気されている家が良いと思った(30代・女性)

といった声が挙がりました。

まとめ

これから住宅を購入する場合、アフターコロナの暮らしを見据えながら検討をすることになります。在宅勤務の普及をはじめとする生活様式の変化が新型コロナウイルス感染症の拡大前に戻るのかどうか、悩むところですが、テレワークや時差通勤を継続する企業が多いと予測されています。自身や家族の将来的な働き方を考えながら、ONの時間もOFFの時間も快適な住まいを目指しましょう。

【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:住宅購入経験者(直近1年以内)・検討者(直近3年以内)の25~69歳の男女
調査期間:2021年3月17日~19日
有効回答数:800サンプル

(最終更新日:2021.09.09)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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