コロナ禍やYouTubeのキャンプ動画などの影響もあり、山林を購入してソロキャンプやプライベートキャンプを楽しむ人が増えています。山林は広さや場所によっては安く購入できますが、実際に購入を検討するときには注意点やリスクをよく理解しておくことが大切です。今回は、山林を手に入れるための方法や注意点、山林購入のリスクについてわかりやすく解説します。

キャンプブームにより山林購入する人が増えている

キャンプは1990年代より人気があったレジャーの一つですが、近年再びキャンプ人気が高まり、キャンプ用の山林を購入する人が増えています。

今まではキャンプというと「夏に大勢で楽しむもの」というイメージがありましたが、人気アニメや有名人のキャンプ動画などで、「ソロキャンプ、少人数キャンプ、冬キャンプなど、いろいろな楽しみ方ができる」ということが知られるようになりました。

また、コロナ禍で旅行が自粛ムードとなるなか、人との距離を保つことができるアウトドアに注目する人も増えてきました。

このようにキャンプ人気が高まるなか、「自分だけの静かな場所でキャンプをしたい」「整備されていない、ありのままの自然の中でキャンプをしたい」と個人でキャンプ用の山林を購入する人が増えているのです。

山林はどうすれば購入できる?

山林を購入するのはハードルが高く感じられますが、実際は比較的簡単に手に入れることができます。それでは、山林を購入するためにはどうすればよいのかをくわしく解説していきます。

地元の不動産業者で紹介してもらう

山林を購入したい場所がある程度決まっている場合は、その地域の不動産業者で物件を探すという方法があります。地元の業者であれば代々の地主とのつながりがある場合も多く、山林を売却したいと考えている人や未公開の売り物件を紹介してもらえることもあります。

ただ、地元の不動産業者であっても住宅などが専門で、山林を扱っていない場合もあります。山林を購入したい場所や地域が見つかったら、まずは事前に問合せをするとよいでしょう。

森林組合から紹介してもらう

森林組合とは、森林を継続的に管理したり、森林資源の有効活用を考えている人に森林売買をあっせんしたりする組織です。

人手や後継者不足などで悩んでいる人や、所有山林の一部のみを手放したいという人の相談を受けていることも多く、自分の希望に合う山林が見つかる場合があります。

ただし、開発目的や林地転用、分割売買のための購入はできません。また、山林を購入する場合は森林組合への加入が条件となっていることもあるため、事前に確認するようにしましょう。

山林物件の情報サイトで探す

山林物件を扱っている専門の情報サイトであれば、幅広い地域の売り物件を手軽に探すことができます。もしも気になる物件があった場合は、資料を取り寄せて詳細を確認しましょう。

詳細情報には、所在地や公募面積、山林の画像や接道条件、樹の種類、樹齢、都市計画の有無などが記載されており、山林のくわしい情報を知ることができます。ただし、山林を購入するときには山林の場所や樹種、キャンプに適した山林かどうかを実際に目で見て確認することが大切です。

情報サイトでは現地への案内を行っていない場合もあるため、事前に確認するようにしましょう。

山林購入の流れや山林の維持費を確認しよう

山林を購入するときには、土地の価格だけでなく、売買にかかる費用や購入後の維持費も考慮する必要があります。ここでは、山林購入のくわしい手順や維持費について解説します。

山林を購入する際の流れは?

山林を購入するまでの一般的な手順は、以下のようになっています。

1.不動産業者や森林組合、情報サイトなどを通じて売り物件を探す
2.物件の詳細を取り寄せる
3.資料をもとに現地見学を行い、地形や樹種などを確認する
4.購入を決めたら申込金を支払い、買付証明書を提出する
5.引き渡し日を決めて売買契約を結ぶ6.残代金を支払い、引き渡しを受ける7.不動産取得税を支払う

山林を取得した場合、「土地売買等届出書」もしくは「森林の土地の所有者届出書」の提出が必要となる可能性があります。「土地売買等届出書」は契約後2週間以内、「森林の土地の所有者届出書」は原則として土地の引き渡し後に届出が必要です。届出についてわかりにくいときには、森林所在地の市区町村の林野担当部署で確認するようにしましょう。

山林購入後の維持費は?

山林を購入するときにかかる維持費は以下のようになっています。

・固定資産税(毎年納付する)
・間伐や草刈りなどの管理費
・森林組合の年会費(加入は任意)

地目(土地の用途による区分)が「山林」の土地は課税標準額が非常に低いため、不動産取得税や固定資産税が高額になることはほとんどありません。ただし、市街地山林(市街地に近い場所の山林)では、評価額が高くなることもあるため、事前に確認しておくことが大切です。

間伐を業者に依頼する場合はまとまった費用がかかりますが、国から補助金を受けられる場合は、費用を安く抑えることができます。

森林組合への加入は義務ではありませんが、行政の補助政策などの情報を得やすくなるというメリットがあります。入会金や毎年徴収される賦課金はそれぞれの組合によって異なりますので、事前に確認するとよいでしょう。

参考:林野庁「森林整備事業による補助の内容」

山林を購入する際の注意点

山林を購入する際には、いくつか確認しておきたい点があります。

まず、山林が都市計画区域内の「市街化調整区域(市街化を抑制している地域)」に指定されているかどうかを確認しましょう。市街化調整区域内の場合は、基礎工事が必要な建物を建てることができません。

電気や水道があるとキャンプをしやすくなりますが、これらのインフラ工事を行うにはかなりの費用がかかります。水を十分に確保したい場合は、川が流れている山林を探すこともひとつの方法です。

山林をキャンプ用として購入する場合は、車でアクセスしやすいか、自宅からの距離が遠すぎないかという点も確認しましょう。

また、斜面が多い山林はキャンプには不向きです。現地調査の際に、キャンプしやすい平坦な土地が多いかどうかということもしっかりと確認するようにしましょう。

山林の購入にはリスクも…

山林は比較的安価で購入できることもありますが、一般の土地のように売買が活発でないため、買い手が見つかりにくいというリスクがあります。将来何らかの理由で山林を手放したいと考えたときに、すぐに売却できない可能性があるため注意が必要です。

また、土砂災害警戒区域に指定されている山林は非常にリスクが高い物件ということができます。山林保有者には管理義務があるため、自分が購入した山林における土砂崩れや倒木で、道路をふさいだり電線を切断したりした場合は、賠償責任を問われる可能性があるのです。

山林を購入する際には、森林経営管理制度(森林経営管理法)により、山林を購入した際の届出と山林の管理は義務となっていることを知っておく必要があります。管理や売却時のことも考えて慎重に検討するようにしましょう。

まとめ

キャンプのための山林を手に入れたい場合は、地元の不動産業者や森林組合、情報サイトを通じて、山林の売り物件を探して購入することができます。

山林を購入するときには、実際に現地に行って山林の形状や樹種、アクセスのしやすさなどを確認し「キャンプに適した土地かどうか」を確認することが大切です。山林を購入した後は管理費もかかるため、それらの費用も考慮する必要があります。また、将来売却のしやすい山林を選ぶことも大切です。

山林を購入するときにはいろいろな点をしっかりと確認し、慎重に検討するようにしましょう。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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