【開運祈願】 盛り塩の正しいやり方と基本の作法とは?

玄関に盛り塩をしている家を見かけることがあります。「最近運気が良くない」と思う人や、結婚や引っ越しなど新しい門出を迎えている場合は、盛り塩をしてみるのも悪くありません。この記事では盛り塩のやり方と基本的な作法について解説します。

盛り塩とは?

盛り塩は由来が複数あり、それぞれに意味合いが異なります。一つは穢(けが)れを祓(はら)い、災難を回避するためのものです。

古事記では、イザナギノミコトが黄泉の国からの帰還時に禊(みそぎ)のために海水で体を清めたという記述があります。そこから、海水を浴びて身を清める、海水を沸騰させたものを病気治療や無病息災のために用いるなどの習慣が現れました。塩が持っている浄化力や殺菌力を活用するためでもあるでしょう。

お葬式でも使われる「お清め塩」

現在では、神社の祭りでのお祓いや葬儀のときに「清め塩」が使われています。非日常と日常を分けて行う清めの行為として行われています。

中国の故事が由来であるという説もあります。この場合の盛り塩は客を招く縁起物としての意味が込められています。

その始まりは秦の時代です。秦の始皇帝は周囲に3,000人の女性を住まわせており、空き時間には牛車に乗って女性の家を訪ねる習慣がありました。始皇帝の来訪は一族の繁栄に関わるため、いかにして訪問してもらうかが重要です。

訪問を促すために使われた手段の一つが盛り塩でした。牛は塩を好むので、牛車を引く牛が盛り塩を発見すると足を止め、動かなくなります。その結果、行動できなくなった始皇帝がその家を訪ねるというわけです。盛り塩により、それまで訪問してもらえなかった家に始皇帝が訪れたと伝えられています。

現代でも、盛り塩を家の前に置くことで、これまで来なかった人が来訪するようになる、といわれています。この習慣はすでに奈良時代には日本にあったと伝えられており、現在でも飲食店など千客万来を願うお店で残っているようです。

塩の種類

盛り塩に使う塩の種類には特に決まり事はありません。ただし、きれいに盛るためにはさらさらしているものでは難しいでしょう。そのため、粗塩がよく選ばれています。

また、清めの意味合いがあるため、化学調味料や添加物が含まれる塩を好まない人も多いです。日本に古くからある海水由来の天然塩を選ぶと間違いはないでしょう。

盛り塩を置く場所

盛り塩を置く場所は目的によってさまざまですが、玄関に置かれるケースが多いです。そのほかで置かれることが多い場所は、トイレ、キッチン、浴室などの水回りが挙げられます。これらの場所は邪気がたまりやすいといわれているためです。

また目的によっても、置き方は変わります。今回は玄関に置く方法を解説します。

二つ置く方法

玄関に二つの盛り塩で結界を張る

穢れを祓うための置き方では、玄関に二つ左右に置きます。玄関は外界との出入り口であり、邪気や穢れが入りやすい場所でもあるため、「結界を張る」という考えです。

二つ置く理由としては、宇宙全体は陰と陽の相対する二極からなるという「陰陽思想」が由来と考えられています。仏教においても大きくは変わらず、二つで一組ということが多く見られます。

仏教であれば、太陽と月の象徴である日光菩薩と月光菩薩が対になる、慈悲と叡智を示す普賢菩薩と文殊菩薩が対になって置かれるなどされています。神道の場合であれば、鳥居は2本の柱で構成されていますし、狛犬も2体並べられています。

玄関に設置する場合は、出入りの邪魔にならない場所がよいでしょう。目立つ必要はないため、人目につかない場所に置いても問題ありません。また、盛り塩を置く前には部屋をきれいにし、部屋に邪気がない状態にしておきます。

一つ置く方法

千客万来の願いを込めた盛り塩(京都の町家)

千客万来を願って盛り塩をする場合は、一つだけ置いておきましょう。牛の好物である塩を置き足を止めることが由来であり、一つで十分に役割を果たせます。置き場所は玄関の中ではなく、入り口の外にすることが多いです。

来訪者の増加が目的のため、飲食店など客が多く来店することを願うお店で置かれています。二つ置く方法と比べると置き方に細かい作法は少ないですが、汚れていると見た目の印象が悪いので定期的に交換するようにしましょう。

盛り塩の盛り方(作り方)

盛り塩は形にも種類があり、山形、円錐形、三角錐形、八角錐形などがあります。これらはどれも大まかな作り方は同じです。八角錐は八の字が入っているため、末広がりで縁起がよいといわれていますが、ほかの形でも問題ありません。ただし、平らになっているものは盛り塩とは呼べないため、山盛りにしておく必要があります。

用意するもの

盛り塩を作るために用意するのは以下のものです。

・塩
・塩固め器
・ヘラ
・白い小皿

塩固め器の形状で盛り塩の形が決まるため、形にこだわりがある場合は、実物を確認して選びましょう。白い小皿については、陶器であれば、安価なものでも問題はありません。形にこだわる場合は職人が作ったものもおすすめです。

ヘラも盛り塩用のものはありますが、厳密な決まりがあるわけではありません。そのため、どのようなものでもよいでしょう。

盛り方

まず初めに塩を塩固め器に入れ、ヘラと指を使いながら押し込みます。塩は霧吹きなどで少し水分を含ませると、固まりやすく、きれいに仕上げやすいです。一度に全部ではなく、半分ほど入れてから指で一度押し込みましょう。塩固め器に全量入れたら、へらで押さえつつ、余分な塩を落とします。

次に小皿をひっくり返して、塩固め器の上に乗せましょう。そのままひっくり返して、そっと塩固め器を外すと、きれいな盛り塩ができます。途中で崩れてしまった場合は、途中から作り直しても大丈夫です。

盛り塩の処分方法

使用後の盛り塩は生ゴミといっしょに捨てる

盛り塩は穢れ祓いを目的にしたもののため、定期的に処分するようにしましょう。かつては川に流すという習慣もありましたが、現在そのような処分方法は難しいです。また、食用にするのは、衛生的に問題があり、抵抗がある人も多いでしょう。

またほかの処分方法も問題が多いです。土中に埋めるのは雑草よけになりますが塩害が発生しますし、自分で焼却するのもトラブルになるためおすすめできません。キッチンで洗い流すか、生ゴミと一緒に処分するのが最も無難な方法です。

交換時期について厳密なルールはありませんが、1週間から2週間程度の期間で交換するケースが多いようです。古くなった塩は穢れを吸い悪い気を呼び込むといわれるため、長い期間放置するのは避けましょう。

まとめ

盛り塩は玄関に置くのが一般的ですが、風水や家相にこだわる場合は、より細かいルールがあります。土地や家の形状によっても変わります。より厳格にルールにこだわるのであれば、勉強して理解を深めるか、風水・家相の専門家に相談するのがおすすめです。

作り方はそれほど難しくないため、運気をアップさせたいという人はぜひお試しください。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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