近年、国民の老後資金不足がささやかれています。
その是非はともかく、老後資金を貯蓄するのは大変だと考える人も多くいると思います。そこで、貯蓄だけではない資産形成の一つとして、自宅の不動産価値を活用した老後資金の作り方について話します。

住宅購入予算の考え方の鉄則

住宅購入資金は、人生の三大資金の一つといわれるように、多額の資金が必要になります。

一般的には購入時点での年収を基に借り入れる金額を決めます。そして、多くの場合、30年以上の長い時間をかけて、その住宅ローンを返済します。

その長い返済期間には、子どもの教育費や老後の生活費の準備などもしなければなりません。また、病気や失業などにより、収入が減ってしまうかもしれません。

住宅を購入する際の資金計画は、その時点の経済的な状況だけでなく、将来のさまざまな状況の変化やライフイベントを考慮した余裕のある返済計画が重要です。

住宅の価値を将来生かすことも可能

将来のための貯蓄を考えれば、余裕を持った返済にすべきです。しかし、どうしても今後の生涯年収から見て、貯蓄をする余裕がなさそうだ、という場合にはどうしたらよいでしょうか?

このような場合には、住宅の持つ価値を貯蓄に置き換えて考えることも可能です。住宅の購入は確かに高額な支出ですが、それと同時に、不動産という資産を持つことでもあります。資産価値があるのですから、他人に売却をすることで現金化することもできますし、貸し出すことで賃料を得ることもできます。

不動産という資産を現金化することで、たとえば老後資金をカバーするということも可能になるのです。

そのまま住み続けながらも価値を生かす方法

不動産を将来の蓄えに置き換え、老後資金を補う方法にリバースモーゲージリースバックがあります。
以下、それぞれの特徴を見てみましょう。

リバースモーゲージとは

自宅の土地や建物を担保にして金融機関から融資を受け、契約者が亡くなってから、担保としていた自宅を処分して借入金を返済する(または相続人が一括返済する)、高齢者向けのローンです。
一括融資タイプ、定期融資タイプ、融資枠内で必要時に融資を受けるタイプなどがあります。事業や投資目的には使えないといった制限があるものの、老後の生活資金、医療・介護費用、老人ホームの入居一時金のほかに趣味やレジャー費、自宅のリフォーム費用、住宅ローンの残債の支払いにも使うことができます。

リバースモーゲージのメリット

・自宅に住み続けることができる

自宅を担保にした借り入れのため、自宅を売却することなく、老後資金の調達が可能です。
自宅に住み続けられるので、住環境を変えずに済みます。

・老後生活の支出を減らせる

生存中は、利息の返済だけでよいので、生活費の支出を軽減できます。
(金融機関によっては、生存中は元利ともに返済不要の商品もあります)

・配偶者への引き継ぎ

契約者が死亡した場合、配偶者が契約を引き継ぎ、自宅に住み続けることも可能です。

リバースモーゲージの注意点

・融資限度枠

担保となる自宅の評価額により、融資限度額が設けられています。
長生きによる生活費の負担、想定外の支出等により、融資限度額を使い果たしてしまうリスクがあります。

・担保評価額

担保評価は定期的に見直されています。
自宅の評価が下がってしまうと、融資限度額も減ってしまうリスクがあります。
もし、借入資金が融資限度額を上回ってしまった場合は、超過分の返済を求められることもあります。

・金利変動

リバースモーゲージでは変動金利が多く採用されています。
金利が上昇した場合、融資金額の減少、月々の利息負担の増加につながります。

リースバックとは

自宅などの不動産を専門の不動産会社などのリースバック業者に売却し、その売却先(新しい所有者)に対して賃料を払って同じ家に住み続ける方法です。

売却による一括支払いのため、一度にまとまった資金を得ることが可能です。

リースバックで得た資金は、売却して得た自分のお金なので、使い道に制限はありません。
また、リースバックの中には、売却した住まいを買い戻せる「買い戻し特約」が付いたものもあります。

リースバックのメリット

・引っ越し不要

通常の売却であれば、所有権が移った時点で、転居する必要がありますが、リースバックの場合は、買い主と賃貸借契約を結び、そのまま住み続けることができます。

・維持費不要

自己所有ではなくなるため、固定資産税や都市計画税のほか、建物の修繕費、火災保険や地震保険等の費用負担は不要になります。

・現金化が比較的早い

リースバック業者などの専門の業者が直接買い取るケースがほとんどであるため、買い主を探す時間が省略され、期間を空けずに、まとまった資金を手にすることができます。

リースバックの注意点

・売却価格が相場より低い

リースバック業者などは、買い取り物件を投資用不動産として査定するため、利回り重視となり、市場の相場よりも低めになることが多いです。

・家賃が相場より高い

リースバックの家賃は市場の相場ではなく、買い取り価格に対する利回りで算出されます。
このため、買い取り価格によっては家賃相場より高くなることもあります。

・永住の保証はない

リースバックは、賃貸契約期間を設けた「定期借家契約」が多く、その場合、期間満了後も住み続けられる保証はありません。
貸し主の事情で再契約ができなければ、引っ越しをしなければならなくなることもあります。

4.まとめ

自宅の不動産価値を活用し、現金を得る方法として、リバースモーゲージとリースバックは、有効な方法です。
これからマイホームを持とうとする方々は、ライフプランにも目を向け、老後リスクへの備えとして、不動産の活用による現金化も検討してみてはいかがでしょうか?

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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