お風呂に入っているとき、小さいハエのような虫に遭遇することはありませんか。壁に張り付いていたり、お風呂場を飛び回ったり、せっかくのリラックスタイムをコバエに台無しにされた人も多くいるでしょう。

このコバエの正体はチョウバエかもしれません。今回の記事では、お風呂場にコバエが発生する謎を解明します。発生を予防するポイントも紹介しますので、ぜひ対策してください。

お風呂場のコバエの正体は「チョウバエ」

体全体が毛で覆われ黒に近いグレー色をしている「チョウバエ」

お風呂場に現れるコバエの正体は「チョウバエ」という名前の羽虫です。名前に反して「蝶」でも「蠅」でもありません。「コバエ」の一種で、代表的な種類は「オオチョウバエ」です。

成虫の体長は約3〜5mmで、体全体が毛で覆われ黒に近いグレー色をしていることが特徴的です。北海道から沖縄まで日本全国で広く分布する害虫で、昼は壁などで大人しく止まっていますが、夜行性のため夜になると活発に動き回ります。

チョウバエの恐ろしい点は、1匹が100〜350個の量の卵を産む繁殖力の高さです。1匹見つけると続々と大量に発生する可能性があります。チョウバエを大量発生させないために、発生時期や侵入経路を理解して対策しなければなりません。


チョウバエの発生時期と侵入経路

チョウバエは4〜11月に発生し、特に5〜6月は発生のピークです。年間を通じて快適な空調で管理されている商業施設などでは、冬でもチョウバエが発生することもあります。

チョウバエは15〜25℃の温度で活発に活動をし、汚水など有機物を含む水域に産卵。卵から孵ったチョウバエの幼虫は、汚水の中に含まれる油脂やヘドロなどを栄養に生息し、蛹を経て成虫になります。そのため一般家庭では、排水溝や浄化槽を侵入経路にして、お風呂場、トイレ、台所などで発生しやすくなります。

チョウバエの好む環境とは

チョウバエは、人間の皮脂から出る油汚れや石鹸カスが大好物です。湿っていて、油脂や石鹸カスといった汚水が溜まる場所が、チョウバエの好む環境と言えるでしょう。

このような条件から、特にチョウバエが好む環境となりやすいのがお風呂場です。暖かく湿っていて、汚れなどの有機物が溜まりやすいお風呂場は、チョウバエにとって最も生息と繁殖に適した場所となります。

排水溝やバスタブ裏にヘドロなどの汚れが残っていると、チョウバエが汚れに産卵して大量発生の原因になりかねません。チョウバエの繁殖を防ぐためには、お風呂場に汚れを残さないことが重要となるでしょう。

チョウバエのリスク

チョウバエは人に不快感を与える「不快害虫」に分類される害虫です。不快害虫には、チョウバエの他にもゲジゲジやクモ、ナメクジ等があげられます。

不快害虫は、直接的な人体への害、例えば病原体等を媒介する事はないと言われていますが、チョウバエの場合、ヘドロや汚水といった雑菌の多い場所を住処にする事から、必ずしも害を及ぼさないとは言えません。

汚水の中の雑菌が付着した状態のチョウバエが食品や調理器具に止まる事で、微生物汚染のリスクを高める原因にもなるのです。

チョウバエの発生防止には「定期的な掃除」を

チョウバエが汚水やヘドロを好むならば、それらを取り除く「定期的な掃除」こそ、チョウバエ発生を防止する有効手段です。特にチョウバエが発生しやすい時期は、お風呂場をこまめに掃除することで、チョウバエ発生の原因を断つことができます。

では、定期的な掃除とは、どのくらいの頻度を指すのでしょうか。お風呂場のすみずみまで毎日掃除するのが理想的ですが、労力や時間を考えると厳しい人が多いでしょう。

チョウバエが発生しやすい2大ポイントとして「排水溝」と「バスタブの裏」の掃除について、推奨する頻度と掃除のコツを紹介します。

排水溝の掃除

排水溝のごみ受け部分や入口付近の掃除はもちろん、排水管の中もチョウバエが発生するので掃除が欠かせません。

排水溝のごみ受けや入口付近は、黒カビやピンク汚れなどでぬめりが付きやすいので、細かいブラシなどでこすり汚れをしっかり落としましょう。汚れが落ちにくい場合は、重曹をふりかけて酢をスプレーすることもおすすめです。

汚れやぬめりが取れたら、ごみ受けにはネットなどカバーを被せることも必須です。髪や汚れをキャッチする役目もありますが、チョウバエの侵入を防ぐ効果も期待できます。

排水管は専門の洗剤を使って掃除をしましょう。50℃以上の熱湯をかけたり、逆に氷水を流したりすることで、排水管にいるチョウバエを退治する方法もあります。

一度、徹底的に掃除をすれば、排水溝の掃除は週に一回が目安になるでしょう。週一間隔で掃除すると、排水溝は清潔な状態が保たれ、チョウバエが好む汚れが付着しづらくなります。

バスタブ裏の掃除

目につかないバスタブ裏は、要注意ポイントです。普段人の手がつかず、常に湿気とヘドロが溜まっているため、チョウバエが好む環境に変化します。チョウバエだけでなく、ゴキブリなど他の害虫が生息している恐れも。

エプロン(浴槽カバー)を外すことができるタイプの場合、バスタブ裏を徹底的に掃除することをおすすめします。自分でうまくバスタブのカバーが外せないときや、届かないような場所までしっかり掃除したいときは、専門業者に掃除を依頼しましょう。

バスタブ裏は、年に2回の頻度で掃除することが理想です。湿気が多くなり、チョウバエ発生のピークとなる6月頃と、チョウバエがまだまだ活動する11月頃の掃除ができれば良いでしょう。

年2回が厳しくても必ず年に1回、6月頃の掃除はマストで行いましょう。チョウバエの発生ピークに合わせて掃除すると、卵の駆除につながり大量発生を防止できます。

定期的な換気

チョウバエは、濡れていたり湿っていたりする環境を好むため、お風呂場の定期的な換気も欠かせません。換気扇を回して、毎日お風呂場を換気しましょう。お風呂場に窓がついている場合、窓を開けての換気には注意が必要です。窓を開け続けていると、チョウバエに限らずさまざまな虫が窓から侵入する恐れがあります。

また効率よく換気するためには、換気扇の掃除も大切です。換気扇のフィルターにホコリが溜まってしまうと、換気効率が下がってしまいます。換気扇の掃除方法は、カバーが外れるタイプ、外れないタイプかで変わりますが、いずれのタイプも掃除前には電源を落としておきましょう。

カバーが外れる換気扇であれば、カバーを外し掃除機で汚れを吸い込みます。その後カバーを水拭き、本体内部の汚れを落としたらカバーを元に戻します。

換気扇のカバーが外れない場合、側面から外したフィルターに掃除機をかけて汚れをとります。その後、フィルターを水に浸したら中性洗剤をかけて汚れをおとしやすくします。汚れは歯ブラシやスポンジで落としていきましょう。フィルターの汚れを落としたら乾かして、水気が取れたら換気扇に戻します。

まとめ

チョウバエがお風呂場に現れたら、排水溝やバスタブ裏のヘドロが溜まりやすい場所はもちろん、お風呂場全体を掃除しましょう。しっかり掃除をするか、そのまま放置しておくかで、その後のチョウバエ発生率は大きく変わります。

お風呂場に汚れを溜めないことこそが、チョウバエの発生防止にもっとも効果があります。定期的なお風呂場の掃除を心がけ、チョウバエの発生防止とともに、清潔なお風呂場でリラックスタイムを楽しみましょう。

 

参考(出典):
農林水産省「オオチョウバエの発育に及ぼす温度の影響」
財団法人日本環境衛生センター「オオチョウバエの人工汚水を用いた室内飼育」

 

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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