二人暮らしのベッドは「シングル×2」が最適⁉ サイズ選びのポイントとは

2人で使用するベッドというと、ダブルベッドを思い浮かべるかもしれません。しかし、最適なベッドのサイズは「ダブル」や「ダブル以上」とは限りません。ベッドサイズを決める際には、1人ひとりがぐっすり眠れる心地良さが重要です。

では、2人にとって快適なベッドのサイズは、どのように選べば良いのでしょうか。また、選ぶベッドのサイズによって、どのような違いがあるのでしょうか。

本記事では、心地良い睡眠を叶える理想のベッドサイズを、男女別に解説。さらに、2人で寝る場合の最適なサイズの選定ポイントも紹介します。

 二人暮らしに合うベッドサイズ

まずは、代表的な5種類のベッドサイズを比較します。シングルやダブルなど、ベッドの種類によってどれほどサイズが異なるのか確認しましょう。併せて、1人ひとりが快適に眠れる環境についても解説します。

ベッドの種類とサイズ

代表的なベッド5種類のサイズと、それぞれに推奨されるマットレスのサイズは以下のとおりです

 

ベッドの種類

ベッドの横幅

ベッドの長さ

マットレスの横幅

マットレスの長さ

シングル

100110cm

195cm

97cm

195cm

セミダブル

120130cm

195cm

120cm

195cm

ダブル

140150cm

195cm

140cm

195cm

クイーン

160170cm

195cm

160cm

195cm

キング

180200cm

195cm

180cm

195cm

[注1]~[注3]を参考に作表

ベッドの横幅は、ベッドの種類によって約10〜20cmほど異なります。一方で、ベッドの長さはどの種類でも共通です。ロングサイズのベッドなどで、長さが195cmより前後する場合もありますが、基本的には195cmのものが主流です。

また、マットレスのサイズを参考にベッドを選ぶのも良いでしょう。睡眠時に実際に横たわるのは、ベッド自体ではなくベッドの上に設置するマットレスです。使いたいマットレスのサイズから逆算してベッド選びをするのも、理想的な睡眠環境実現につながる方法です。

 2人で快適に眠るためのサイズとは

男女2人で快適に眠る場合には、最低でも幅126cmのベッドが必要です。

経済産業省の委託により行われた「人間特性基盤整備事業」の成果報告書では、男女の年代・性別ごとの肩幅間隔が報告されています。

この報告書によると、成人男性(20〜50代)の肩幅間隔の平均は46cm、成人女性(20〜50代)の肩幅間隔の平均は40.7cmです。また、寝返りに必要な幅としては、男女ともに左右それぞれに「肩幅+20〜25cm」といわれています。[注4]~[注6]

このことから、男女2人で快適に眠る場合には、最低でも「46cm+40cm+(20cm×2)=126cm」のベッドの幅が必要だと分かります。

また、寝ている間は何度も体の向きを変えるため、互いの距離感が近すぎると寝返りが打ちにくく、快適な睡眠にはなりません。より質の高い睡眠を実現するなら、ベッド幅にはさらに10cmほど余裕があると良いでしょう。

「126cm +10cm=136cm」を確保できれば、快適に眠れるベッドの幅といえます。

二人暮らしのベッド購入は2パターン

二人暮らし用のベッドを購入する場合は、「1台を購入」もしくは「2台を購入」の2パターンがあります。

購入する台数によって、選ぶべきベッドサイズは異なります。前述した快適に眠れるベッドの幅「136cm」を基準に、それぞれのパターンについて詳しく確認しましょう。

1台を購入する場合

ベッドを1台だけ購入し、2人で使用するなら、ダブル以上のベッドが必要です。

ダブルのマットレス幅は140cmのため、快適に眠れる136cmをクリアしています。一方、セミダブルのマットレス幅は120cmと、眠ることはできるかもしれませんが、快適とは言い難いでしょう。

2人一緒に同じベッドで寝る場合、ベッドサイズが小さいと、お互いの距離が近くなります。あまりに距離が近いと、寝返りを打ちにくかったり、狭く感じたりすることもあるかもしれません。

睡眠は毎日行うもので、日々の疲労回復に重要な時間です。そのため、1台のベッドを2人で使う場合は、リラックスできる環境を叶えられるダブル以上のベッドサイズがおすすめです。

2台を購入する場合

2台購入し、それぞれで使用する場合には、シングルとシングルの組み合わせがいいでしょう。

【マットレスの幅】

シングルとシングル:97cm+97cm=194cm

2台で194cmと、十分なスペースを確保できます。キングサイズのマットレス幅は180cmのため、シングル2台を購入すると、キングサイズ同様もしくはそれ以上のゆとりを持って眠れます。シングル以上の組み合わせとなると、幅が大きくなりすぎて、設置スペースの確保が難しいかもしれません。

パターン別ベッドのメリット・デメリット

ベッドは頻繁に取り替えるものではないため、二人暮らしの場合には何台購入するのが良いのか、悩む方も多いかもしれません。

ここからは、それぞれのメリットとデメリットを紹介します。ベッドの購入で失敗しないためにも、2人にとってどちらが最適か検討してみましょう。

 1台購入のメリットとデメリット

ベッドを1台だけ購入するメリットは、「2人で寄り添って眠りやすいこと」「出費を抑えられること」の2点です。

同じベッドであればお互いを近くに感じられ、リラックスした状態でぐっすりと眠れるでしょう。ベッドだけでなくシーツなどの寝具も1台分で済むため、費用も抑えられます。

一方でデメリットとしては、「感覚の違いにより、寝心地が悪くなる場合がある」ことです。

1台のベッドで2人が寝る場合、布団やシーツなど1つの寝具を共有します。そのため、「暑い・寒い」などの感覚が違うと、寝心地が悪くなることもあります。この場合は、例えば布団を2つ用意するなど、互いに適切な体感温度を保って眠る工夫を心がけましょう。

2台購入のメリットとデメリット

ベッドを2台購入するメリットは、「互いに遠慮せず快適な睡眠ができる」「寝具の手入れがスムーズ」の2点です。

1人1台のベッドで眠れると、相手の振動や寝相が気になりません。シーツや布団カバーなどの寝具も分かれるため、洗濯や取り替え作業が行いやすい点も魅力的です。将来的に別々の部屋で眠る際にも、追加でベッドを購入する必要がありません。

デメリットとしては、「2台のベッドを並べて配置した場合、隙間が生まれやすい」ことが挙げられます。

2台のベッドを横並びで使用すると、ベッド同士の間に隙間が生まれやすく、寝心地が悪く感じられる場合があります。対策としてマットレスの間を埋めるパッドを利用すると、全体を広々と使うことが可能です。

まとめ

ベッドの購入で失敗しないためには、それぞれが心地良く眠れる環境や2人にとって最適なサイズを検討することが重要です。

ベッドは、家具の中でも比較的高価な買い物です。まずは2人にとって快適な睡眠環境を確認し、余裕を持ったベッドサイズを選びましょう。

 

[注1 ]

理想的なベッドの大きさ選び「ベッドのサイズ(寸法)横幅×奥行き一覧」

[注2]

日本最大級ベッド専門店ビーナスベッド「ベッドサイズの選び方」

[注3]

 a.flat その暮らしに、アジアの風を - 目黒通り・新宿・大阪梅田(グランフロント北館) 「ベッドの大きさ・幅サイズと使用人数、部屋サイズの関係について 」

[注4]

Sheets.jp「セミダブルに二人は狭いですか? 快眠に必要なベッドの幅とは」

[注5]

ベッドスタイルマガジン「夫婦で寝るには無理のない寝返りがポイント!ストレスフリーなベッドのサイズとは?」

[注6]

Re:CENO Mag「「幅」と「高さ」をどう選ぶ?適切なベッドサイズの選び方をご紹介します。」

 

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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