愛着あるソファを長く使いたい! 家具専門店に聞いた生地別のメンテナンス術

ソファはリビングの主役であり、お部屋のインテリアを決める上でも重要なアイテムのひとつ。使用頻度が高いだけにダメージを受けやすい家具でもあります。ソファの寿命を長く保つには、こまめな手入れや生地の張り替えが効果的。今回は家具ブランド「マスターウォール」の工場直営店を訪問して、森原優麻店長にソファの張り替えやお手入れについて聞きました。

ソファ生地のタイプ別、日常のお手入れ方法

ソファは形状や張地の素材によってさまざまな種類があります。ここでは、森原店長のアドバイスを元に、生地それぞれの長所、短所や日常のお手入れ方法について紹介します。

ファブリック

布地や織物などを張地に使ったファブリックソファは、通気性や肌触りの良さ、素材や色のバリエーションが豊富なのが特徴。その反面、水分や汚れが染み込みやすく、使うほどに生地のほつれや擦り切れが生じます。普段から隙間や縫い目に詰まったゴミやほこりは、掃除機や粘着シート、ブラシなどでこまめに取り除き、汚れが付いたら早めに湿らせた布で水拭きするか、中性洗剤や専用クリーナーで汚れをふき取りましょう。強くこすると布地を傷めて汚れが広がってしまう場合があるため、優しく叩くようにして丁寧に汚れを取り除いてください。

ファブリックソファは汚れや埃が付きやすいため、こまめな掃除が必要

カバーリングタイプなら外して洗えるので便利

生地が着脱できるカバーリングタイプであれば、汚れてしまった生地を外して洗うことができます。最近増えているウォッシャブルタイプの生地なら水洗いも可能ですが、中には麻や綿、デニムなどデリケートな素材があり、間違った洗い方をしてしまうと縮んでフィットしなくなったり、型崩れや色落ちしてしまったりする場合も。ソファカバーはドライクリーニング指定になっていることが多いため、自宅で洗濯するのは控えてクリーニング業者に任せておくのが安心です。


レザー(本革)

独特のツヤと滑らかさがあり、お部屋に高級感を演出してくれるレザーソファ。扱いが難しいと思われがちですが、種類によってはファブリックと比べて水に強く耐久性があり、使い込むほどに質感がなじんで味わい深くなるのが魅力です。しかし、革は乾燥すると表面が硬くなり、劣化するとひび割れやしわが生じてしまいます。普段は乾拭きやクリーナーで汚れを落とし、半年に1回は革専用のクリームやオイルを塗って保湿をしましょう。定期的なケアを行うことで革がコーティングされ、摩擦や汚れなどのダメージを防ぐことができます。

使うほどに風合いの変化を楽しめる革ソファ。定期的な保湿を心がけて

合成皮革

「マスターウォール」のソファには取り扱いがありませんが、メーカーによっては布地に合成樹脂を加工した人工的な素材「合成皮革」の張地を使ったソファもあります。汚れが落ちやすくお手入れがしやすい、比較的安価といったメリットが挙げられます。本革と比べると質感や耐久性は劣りますが、気兼ねなく扱えて手入れもしやすいので、子どもやペットがいる家庭に適しています。洗濯は難しいため、基本的には水拭きやクリーナーで拭き掃除をしましょう。

手入れのタイミングは?

素材によって扱い方はさまざまですが、汚れが気になった時が洗濯や掃除、手入れのタイミング。年に1回、季節ごとなどライフスタイルに合わせて定期的に手入れすることで、ソファを清潔に保つことができます。

ソファ購入時に専用のメンテナンス用品を買っておくと安心

お気に入りのソファが生まれ変わる! 張替えのメリットとは

ソファは毎日使うものだからこそ、小さなダメージがいつのまにか蓄積してしまいます。クッションのへたりや日焼けによる変色も劣化の原因。見た目がくたびれた印象になってしまうだけでなく、汚れによる衛生面も気がかりですよね。

ソファの土台が使えるようであれば、張地を剥がして張り替えることで新品同様にリフォームすることができます。ソファの印象が変わり、お部屋の模様替えが楽しめるというメリットも。買い替えるよりもコストを押さえ、オリジナルの家具として長く使うことができます。

画像提供:マスターウォール

張り替えはプロに頼むべき? 自分でもできる?

自分でソファの張り替えができれば、業者に依頼する費用を安く抑えられます。しかし、カバーの取り外しから新しい生地の型取り、裁断、本体への留めこみなど、慣れていないと結構手間と時間がかかるもの。張り替え方法はネットなどで紹介されていますが、初心者には難易度の高い作業かもしれません。ソファの中には自己修理が難しいタイプもあるので、確実な仕上がりを求めるならプロに頼むのがベストです。まずはソファを購入したショップやメーカー、家具の修理業者に相談してみましょう。

張替えすべきタイミングは? 価格帯と日数は事前に確認を

お話を伺った「マスターウォール」のショップでは、購入後10年ほどで張り替えをするお客さんが多いそう。汚れが目立つようになった時以外にも、座面のへたりや型崩れをきっかけに張り替えをするケースも。その際は、中材のウレタンフォームやフェザーの入れ替えも行います。
プロに張り替えを依頼する時は、まずソファの状態や張り替え内容について相談し、新しく張り替える生地を決定後に見積もりを出してもらいます。張り替えの際はソファ本体やクッションを修理業者に預ける場合が多く、納品までは数週間~1カ月程度はかかります。
費用はソファのサイズや生地により異なりますが、数万から十数万円の価格帯が目安。費用や日数は事前に確認しておき、予算を決めた上で検討するとよいでしょう。

使いやすさを考えた生地選びを

飲み物や食べ物をうっかりこぼす、ペットが傷を付けてしまうといったケース以外にも、体に直接触れることで付着する汗や皮脂なども汚れの原因となります。生地を選ぶ際は汚れにくい素材や色、手入れのしやすさも考慮し、洗濯方法を確認しましょう。

小さな子どもやペットのいる家庭は、こまめに洗濯できるカバーリングがおすすめ。毛玉ができにくいファブリックを選ぶ、子どもが成長したら本革に張り替えるといった具合に、自分や家族のライフステージに合わせて選べば、ソファを長く楽しむことができます。

購入先のアフターサービスをチェック

ソファのメンテナンスに迷った時は、購入先のショップやメーカーが心強い味方に。張り替えや修理はもちろん、お手入れ方法のアドバイスやメンテナンス用品の取り扱いなど、保証やアフターサービスに対応しています。
丁寧にメンテナンスして、ずっと大切に使い続けられるのがソファの魅力。張り替えて生まれ変わったソファは、より愛着いっぱいのアイテムになるはずです。

【取材協力】
マスターウォール ファクトリーショップ
店長 森原優麻さん
木材にこだわったオリジナル家具を製造・販売する「AKASE株式会社」のオリジナル家具ブランド「マスターウォール」の工場直営店。全国各地に直営店やパートナーショップを展開し、家具を通じて豊かなライフスタイルを提案。「100年後のアンティーク」をコンセプトに、世代を超えて長く愛着を持って使えるミニマルなデザイン、高品質の家具づくりを目指している。自社オリジナルソファを数多くラインアップし、その多くをカバーリングソファとしてメンテナンスしやすい造りに仕上げている。製造から検品、出荷、アフターサービスまで自社で一括対応できるのが魅力。
https://www.masterwal.jp/shop/default.aspx

 

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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