東京都は全国で最も人口が多く、たくさんの企業が集中している日本の中心地です。では、東京の平均年収はどのくらいなのでしょうか。また、ほかの都道府県に比べてどれくらい年収が高くなっているのでしょうか。この記事では、東京都の平均世帯年収のほか、1人当たりの平均年収や生活費についても紹介します。

東京都の世帯年収の平均はどのくらい?

世帯年収とは、生計を一にする世帯全体の年収のことをいいます。厚生労働省が2019年に行った「国民生活基礎調査の概況」によると、全世帯を対象にした場合の世帯年収の全国平均は、552万3,000円となっています。また、実態をより表すとされる「中央値」では、437万円となっています。

それに対して、東京都の統計をもとに計算すると、勤労者世帯の平均世帯年収は808万1,616円となっており、全国平均よりもかなり多くなっていることがわかります。(平成 31 年・令和元年の東京都の統計「都民のくらしむき」をもとに計算)

ただ、支出に関して見てみると、東京都が全国を上回る費目は教育、住居、被服及び履物、教養娯楽、保健医療、食料、家具・家事用品となっており、生活のための費用が高くなっていることがわかります。

このように、東京都の平均世帯年収は全国平均よりも高くなっているものの、生活にかかるコストが高いということが大きな特徴となっています。

出典:統計で見る日本|総務省統計局

出典:東京都の統計「『都民のくらしむき』東京都生計分析調査報告(年報)平成31年・令和元年

東京都の世帯年収が高い理由とは?

東京都の世帯年収はほかの都市よりもかなり高くなっていますが、どのような理由が考えられるのでしょうか。「共働き世帯が多い」「大企業が多い」というように、いくつか考えられる原因があります。それでは、世帯年収が高い原因について詳しく見ていきましょう。

共働き世帯が多いというわけではない

世帯収入とは、世帯主だけでなく、世帯を構成する人の年収の合計を指します。東京都の世帯年収が多い理由として、世帯のなかに2人の働き手がいる、つまり共働き世帯が多いのではないかと推測できます。

しかし、全国の共働き世帯の割合を見てみると、全国平均が48.8%、東京都の平均が49.1%となっており、全国平均と比べて多いわけではありません。

このようなことから、「共働き世帯が多いから東京の世帯年収が高い」とはいえない状況となっています。

また、全国で育児をしている女性の有業率を見ると、全国平均は64.2%、東京都は61.4%となっており、全国平均よりも低くなっています。有業率が高い都道府県は島根県が81.2%と最も高く、福井県が80.6%、高知県が80.5%となっていますが、これらの県の世帯年収が特別高いわけではありません。

このようなことから、「共働きだから世帯年収が高い」と判断することはできません。

ただし、東京都福祉保健局による調査によると、「共働き世帯」「共働きでない世帯」それぞれにおける、世帯年収が600万円以上の割合は以下のようになっています。この調査では、両親で小学生までの子どもを養育する 3,176 世帯が対象です。

出典:東京都福祉保健局「『東京の子供と家庭」の結果 平成29年度東京都福祉保健基礎調査』

このように、東京都内の状況をみてみると、共働き世帯のほうが世帯年収が高くなっていると考えることができます。

また、東京都の「最年少の子供が就学前の家庭における共働き率」は年々増加傾向にあり、2005年から2015年にかけて31.5%から41.8%に増加しています。

さらに、23区内では共働きで年収1,000万円以上の世帯が多く、23区外では共働きまたは片働きで400万~700万円台の世帯が多い傾向にあります。

出典:総務省統計局「平成 29 年就業構造基本調査 結果の概要

出典:東京都福祉保健局「東京都子供・子育て支援総合計画

1人当たりの平均年収が高い

東京の世帯年収が高い理由として、1人当たりの平均年収が高いということも考えられます。

転職エージェント「キャリアピックス」によると、東京都の平均年収は全国で1位の約615万円です。また、月収換算では40万7,000円、平均賞与は127万1,600円となっています。

2位は愛知県の539万8,600円ですが、1位の東京とは80万円近くの差があります。このようなことから、東京都の年収が多いということがわかります。また、東京都の平均年収は、2014年以降600万円以上となっており、毎年安定しています。

男女別の年収では、男性が約685万円、女性が約475万円となっています。男女別の年収格差は大きいものの、男女ともに全国1位の年収となっています。

出典:Career Picks「東京都の平均年収は日本一!年齢、男女、区別、企業年収も紹介

東京には大企業が集中している

東京の年収が多い理由として、大企業が集中しているという点も挙げられます。資本金10億円以上の大企業は全国の46.1%を占めていますが、そのほとんどが東京に本社を構えています。

「令和元年賃金構造基本統計調査」における企業規模別の平均賃金を見てみると、男性では大企業が約38万円、中企業が約32万円、小企業が約29万円となっています。また、女性では大企業が約27万円、中企業が約25万円、小企業が約23万円となっています。

このように、男女ともに企業規模が大きくなればなるほど、平均賃金も高くなっています。このようなことから、東京の世帯年収が高い一因として、「賃金が高い大企業が多く集中しているから」と考えることができます。

出典:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況

東京都では生活費も高くなる傾向にある

東京都は世帯年収の平均が高いものの、物価が高く、生活費も高くなる傾向にあります。そのため、世帯年収が高くても、生活にゆとりがないと考える人もいるようです。それでは、東京都の生活費について詳しく解説します。

家賃が高い

東京23区は全国で最も平均家賃が高いエリアとして知られています。23区の1K物件の平均相場は7万6,000円で、全国で1位となっています。

※SUUMO「東京都の家賃相場・賃料相場情報を探す」内の情報をもとに集計

ファミリー向けとなる「2LDK/3K/3DK」の物件の家賃を見てみましょう。一番高い場所は港区で24万5,000円、一番安い場所は葛飾区で9万6,000円、23区の平均で約15万4,500円となっています。

また、「3LDK/4K以上」の物件では、一番高い場所は港区で31万9,000円、一番安い区は葛飾区で11万3,000円、平均は約19万1,570円です。

このように、23区内で家賃差はあるものの、東京の家賃は高いことがわかります。特に、港区や千代田区など、人気がある区ではかなり高額となっていることから、生活費における家賃の負担も大きいと考えることができます。

※上記の各家賃はSUUMO「東京都の家賃相場・賃料相場情報を探す」内の情報をもとに集計しております

教育費がかかる

東京都では教育費にかける金額が全国で最も高く、月額で約3万4,000円となっています。これは全国平均の約1.8倍です。

世帯年収が高いほど教育費にお金をかける傾向があるため、教育費の支出が多くなってしまうと考えることができます。

また、東京都は私立学校が多いことも特徴です。全国の私立中学校727校のうち、東京都には182校があり、全国で最も多くなっています。

文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」によると、私立中学校の費用は年間で約141万円、私立高校では年間で約97万円となっています。公立学校の費用と比べると、私立中学校は2.9倍、私立高校は2.1倍の費用がかかることになります。

東京都教育委員会の「令和2年度公立学校統計調査報告書」によると、2020年の公立小学校卒業者のうち、18.4%が私立中学校に進学しています。このように、私立に進学させる世帯が多く、世帯年収が高い場合でも、教育費を含めた生活費の負担が大きくなると考えることができます。

出典:総務省統計局「統計で見る日本」

出典:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査 調査結果の概要

出典:東京都教育委員会「令和2年度公立学校統計調査報告書【公立学校卒業者(令和元年度)の進路状況調査編】

まとめ

東京都の世帯年収は約808万円となっており、全国平均の約552万円よりもかなり高いということができます。東京の世帯年収が高い原因として、賃金が高い大企業が集中していること、男女ともに平均年収が全国1位であることが考えられます。ただ、東京は家賃や教育費などの生活費が高く、世帯年収が高くても生活がラクとは限りません。東京の世帯年収は高いけれど、生活費にかかる支出も多いということを覚えておきましょう。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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