「移動できる家」は自由の象徴ともいわれ、「ノマドワーカー」という言葉が流行しているように、自由な生き方や自由な働き方に憧れる人は多いでしょう。住み慣れた家ごと移動できるので引っ越しのわずらわしさもありません。移動できる家と聞くと、思い浮かぶのはキャンピングカーやトレーラーハウス。どちらも車輪が付いていて移動可能ですが、何が違うのかよくわからないという人も多いでしょう。そこで、それぞれの利点と注意点を挙げ、特徴や違いについて解説します。

キャンピングカーの利点と注意点

キャンピングカーで自由に生きる

キャンピングカーとは

キャンピングカーとは、車中で寝泊まりすることを目的とした自動車です。そのため、トイレやベッド、冷蔵庫などの生活必需品をそろえて、オートキャンプやアウトドアライフを楽しむ人も増えています。

利点1:自由に移動ができる

キャンピングカーはその名のとおり自動車として扱われるため、機動的に移動できます。夏は涼しい北海道で過ごしたり、寒い冬は沖縄に移り住んだりという暮らしも実現可能です。好きなときに好きな場所に移動できるので、仕事や環境が許せば「日本中を旅しながら暮らす」という夢のような生活を送ることもできるでしょう。

利点2:刺激的な毎日を楽しめる

非日常が日常になるキャンピングカー生活

住む場所がいつも変わる生活はとても刺激的です。まるで毎日キャンプをしているかのような感覚にもなります。これまで、旅行やキャンプは休みの日にしかできない非日常的な遊びだったかもしれません。しかし、それが当たり前の毎日になり、朝、目覚めるたびに新しい出会いや刺激にワクワクすることでしょう。

注意点1:水まわりの確保

水まわりは生きていくうえでの重要なライフライン。キャンピングカーは移動式なので、住宅のように水道を引くというわけにもいきません。トイレはキャンピングカーのなかにありますが、下水道につながっていないので定期的に汚水の処理が必要です。お風呂やシャワールームの設置も可能ですが、住宅のような十分な広さはないので、快適性はいまいちかもしれません。そのため、多くの場合、銭湯などを利用することが多いようです。

さらに、1泊2泊ではないので洗濯も必要になります。その場合、コインランドリーを使えば洗濯機を設置する必要がないので便利です。小型洗濯機を導入するのも一つの方法ですが、排水処理が必要なのでその対策もしなければなりません。

注意点2:駐車場所の確保

気軽に移動できるキャンピングカーですが、どこでも好きな場所に停めていいというわけではないので注意が必要です。あくまでも自動車の一種なので、駐車場所の確保が必須になります。駐車違反には気をつけましょう。駐車場所として利用されることが多いのは、オートキャンプ場や道の駅、高速道路のパーキングエリアなどです。周囲の人の迷惑にならないよう、マナーを守って利用しましょう。

注意点3:住民登録はできない

住民登録は実際に住んでいる場所を役所に届けるものですが、キャンピングカーでは住民登録ができません。多くの場合、自分の家が住民登録地となることがほとんどですが、自宅がないという人もいるでしょう。その場合は実家や親戚宅、友人宅などで登録することになります。住民登録をしている場所に郵便物や重要書類が届くことがあるので、定期的に郵便物を確認してくれる人がいると安心です。

注意点4:税金に関して

マンションや戸建てにかかる固定資産税・都市計画税。実は、キャンピングカーにはこれらの税金がかかりません。しかし、その代わりというわけではありませんが自動車税や自動車重量税がかかります。住民税に関しては、キャンピングカー生活だったとしても納税する義務があります。職場と住民登録した場所に通知がくるので、忘れずに納税するようにしましょう。

トレーラーハウスの利点と注意点

一般住宅並みの品質を持つトレーラーハウス

トレーラーハウスとは

タイヤが付いていて移動できる点はキャンピングカーと似ていますが、トレーラーハウスはどちらかというと家の要素が強くなります。トレーラーハウスはキャンピングカーのように自走するのではなく、牽引して移動します。そのため、イメージとしてはタイヤの付いたシャーシの上に小さい家のような建物が載っているようなものです。

利点1:一般住宅と変わらない品質

先ほどもお話ししましたが、トレーラーハウスは家としての要素が強く、建材も建築方法も一般的な住宅とほとんど変わりません。トイレやお風呂、キッチンなどの設備も同じように設置できるので戸建てに住んでいるかのような住み心地です。トレーラーハウスなら住み慣れた家ごと引っ越せるので、引っ越しのような面倒な作業がないのもうれしいポイントです。

利点2:建築確認が不要

トレーラーハウスは車両扱いとなり、建築物に当たらないため建築確認が不要になります。建築確認が不要ということは建築確認申請が必要なく、基礎工事も必要ないため、一般的な住宅に比べてコストを抑えた建築が可能です。さらに、市街化調整区域のような建物を建てられないような地域でもトレーラーハウスを設置することができます。そのため、トレーラーハウスは一般的な住宅に比べて住む場所の自由度が高いのも魅力の一つです。

利点3:固定資産税がかからない

建築確認が不要でコストが抑えられるトレーラーハウスですが、もう一つコストの面でうれしいポイントがあります。それは、不動産にかかる税金がかからないことです。トレーラーハウスは不動産ではなく車両として扱われます。そのため、固定資産税、都市計画税や不動産取得税の対象外となり、納税義務がありません。

利点4:移動が可能

トレーラーハウスも移動が可能

トレーラーハウスは車輪が付いているため、自動車のように自走はできないものの、牽引すれば移動することができます。一般的な住宅でも「移築」は可能ですが、費用が高額になったり、移築の間の仮住まいの確保が必要となる場合があります。それに比べるとトレーラーハウスでの移動は比較的簡単にできるといえるでしょう。

注意点1:輸送費、設置費が高額

一般的な住宅を移築するほどの金額はかからないかもしれませんが、トレーラーハウスで移動するときには輸送費や設置費がかかります。トレーラーハウスの運搬は誰でもできるわけではないので、プロにお願いする必要があります。搬入・搬出時にフォークリフトやクレーンを使う場合もあり、そうすると費用も高額になってしまう可能性があります。移動するたびに費用がかかるため、頻繁に移動をしたい場合はキャンピングカーのほうが自由度が高く、コストが抑えられるかもしれません。

注意点2:設置できない場所もある

市街化調整区域にも設置できるほど自由度の高いトレーラーハウスですが、道路や土地の形状によっては設置できない場所もあります。たとえば、地盤が弱い場所などです。基礎工事は必要ないものの、トレーラーハウスも相当な重さがあるため、地盤が弱い場所では安心して生活できません。移動する前に地盤や周辺環境について調査しておくと安心です。

注意点3:条件に該当しないと「違法建築物」になってしまう

トレーラーハウスは建築物に該当せず車両扱いとなることで、固定資産税・都市計画税や不動産取得税の対象から外れています。そのため、建築物とみなされてしまうと建築確認も行っていないため、違法建築物となってしまう恐れもあるのです。建築物に該当しない条件として以下の三つが建築基準法で定められています。

(1)随時かつ任意に移動可能な状態で設置し、その状態を維持し続けること
(2)工具を使用しない方法で、土地側からのライフラインの接続を着脱できること
(3)適法に公道を移動できる自動車であること

トレーラーハウスを設置した後にいろいろと手を加えることがあるかもしれませんが、この3条件から外れてしまわないように注意しましょう。

注意点4:キャンピングカーと同じく住民登録はできない

トレーラーハウスは一見住居のように見えますが、車両という扱いです。そのため、キャンピングカーと同じく住民登録ができません。トレーラーハウス以外で住民登録ができる場所を確保しておく必要があります。

まとめ

生活ががらりと変わるのでそれ相応の覚悟が必要になりますが、大きな自由を得られる「移動できる家」。キャンピングカー、トレーラーハウスそれぞれの特徴を踏まえて自由な暮らしへとチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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