やってはいけない生ゴミの半日放置! 臭いが発生しない適切な処理方法とは?

「台所のシンクから嫌な臭いがする」「生ゴミを捨てているゴミ箱が臭い」

湿度の高い日本では、生ごみを放置することで、臭いが発生しやすくなります。

この記事では、NGな生ゴミ処理法と臭いの原因を解説したうえで、正しい生ゴミ処理の方法を解説します。

 

やってはいけない!生ゴミの処理・扱い方


ここでは、臭いの原因となる誤った生ごみの処理と、扱い方について解説します。

三角コーナーや排水口に生ゴミを放置する

生ゴミ処理でやりがちなのが、三角コーナーや排水口に放置すること。「疲れているから明日捨てればいいや。一晩くらい大丈夫」と生ゴミを放置すると、臭いの原因が生まれます。また生ゴミの放置は虫が湧く原因にもなります。

水気を切らずに袋に入れる

三角コーナーや、排水口の生ゴミを毎日捨てていても、水気が残った状態で袋に入れて捨てるのは、臭い対策として誤った方法。袋内で臭いのもとになる雑菌が繁殖しやすくなります。

生ゴミを捨てるときは、水切りネットをしっかり絞り、水を切ってから袋に入れて捨てましょう。

夏の季節の生ゴミ、半日以上の放置は危険!

生ゴミの放置は臭いの原因となり、特に気温が上昇する夏場は、半日程度放置するだけで、腐敗が進んで臭いが発生します。

日本は6月頃から気温が上昇し始め、東京では9月まで日平均気温が24℃を超えます。気象庁によると、2020年の8月の最高気温(東京)は34℃でした。過去15年の記録では、8月の最高気温は30℃を超えています。

雑菌の繁殖に適した温度は、30℃~35℃です。夏場に室温の高い状態で生ゴミを放置すると、雑菌の繁殖が進み、臭いが発生しやすくなります。

参考:気象庁、観測開始からの毎月の値

生ゴミを屋外に置いていませんか?

臭いを遠ざけようと、生ゴミを屋外に置くことも危険です。発生した臭いに釣られてハエやゴキブリが集まり、場合によっては産卵場所として生ゴミに卵を産み付けます。

生ゴミに産み付けられたハエの卵は、数日程度で孵化し、何百・何千もの幼虫(うじ)が発生します。生ゴミを室内に置いていても、害虫による被害はありえますが、屋外に置くことでより被害が出やすくなります。

 

臭いの元はなに? 臭いが発生する原因は?

そもそも、生ゴミの嫌な臭いはなにが原因なのでしょうか。

臭いは微生物の繁殖によって発生する!

生ゴミの嫌な臭いは、嫌気性微生物と呼ばれる微生物が発生するガスが原因です。嫌気性微生物は、空気や壁、床など、私たちが生活する環境に存在しています。環境中にいる微生物は、人体に害はなく、共存しています。

環境中の嫌気性微生物は、生ゴミの栄養を吸収し、繁殖します。このときに、臭いの原因となるガスを発生するのです。嫌気性微生物は湿気を好むため、十分に水切りをしていない生ゴミは、嫌気性微生物にとって繁殖しやすい環境といえます。

また、夏の温度が高い時期も、嫌気性微生物が活発になる要因の1つです。多くの嫌気性微生物の増殖に適した温度は、35℃前後。夏の日中に屋外に生ゴミを置くと、臭いが強くなる理由がわかります。たとえ室内であっても、30℃を超えると活発に活動するため、温度が高い時期に長時間生ゴミを放置するのは避けたほうがよいでしょう。

 

臭いの発生を抑える生ゴミの正しい処理方法!

生ゴミは水気をよく切ってから捨てましょう

臭いの発生を抑えるには、臭いの原因である嫌気性微生物を繁殖させないのがポイントです。具体的な処理方法について見ていきましょう。


捨てる際のポイント

生ゴミを捨てるときのポイントは、次の通りです。

・きちんと水気を切る
・新聞紙に包んでからビニール袋に入れる
・夏場は半日以上放置せず速やかにゴミ箱に捨てる

大前提として、生ゴミは水気をよく切ってから捨てましょう。水分を減らすことで嫌気性微生物が増殖しにくくなり、結果的に臭いを軽減できます。

水切りネットの生ごみをしっかり絞って水分を切るだけでなく、ネットごと新聞紙で包むことで、さらに水分量を減らせます。新聞紙が臭い予防に効果的な理由は、余分な水気を新聞紙が吸収し、蒸発しやすくなるからです。

また、生ごみを三角コーナーや排水口に放置する時間を短くすることも、臭いの軽減に効果があります。特に嫌気性微生物が繁殖しやすい夏は、半日以上放置せず、すぐに上記の方法で生ゴミを処理しましょう。

生ゴミを溜めない習慣と掃除

燃えるゴミの収集日は、週2回が一般的です。ゴミを出し忘れて生ゴミを溜めると、次の収集日まで生ゴミを家に置かなくてはなりません。臭いもきつくなるので、ゴミを溜めない習慣を作りましょう。

また、ゴミ箱に設置したポリ袋が破れ、ゴミ箱内が汚れて臭いが発生することもあります。臭い予防のためにも、ゴミ箱内は定期的に掃除をするとよいでしょう。

生ゴミの臭いにはお菓子の袋を活用

お菓子の袋は、中のお菓子が湿気たり臭いが漏れたりしないように気密性が高くなっています。したがって一般的なゴミ袋よりも臭いが漏れにくいので、生ごみの臭い対策に再利用するとよいでしょう。

重曹スプレーをかければ臭いは消える?

生ゴミの臭い対策として、重曹は効果的です。重曹は炭酸水素ナトリウムという弱アルカリ性の化学物質で、酸を中和する作用や、パンやお菓子に使われるように発泡・膨張作用があります。生ゴミが微生物によって分解されると、酸性の物質を生産するため、重曹の弱アルカリ性と中和することで、消臭効果があると考えられています。

参考:日経メディカル、炭酸水素ナトリウム

重曹を使うときは、水に溶いてスプレーとして、ゴミ箱や三角コーナーに噴霧するとよいでしょう。

生ゴミ処理機で手間なく臭いを抑える

生ゴミの処理が面倒という人は、家庭用生ゴミ処理機がおすすめです。生ゴミ処理機とは、温風乾燥または微生物によるゴミの分解によって、生ゴミを処理する機器です。家庭用の生ごみ処理機は、ゴミ箱程度の大きさで、邪魔になりません。

室内で使うなら、生ゴミに温風を当てて乾燥処理をする乾燥式が便利です。10万円程度と少し高価ですが、購入の助成金(補助金)が出る自治体もあります。購入を検討するときは、住んでいる自治体の助成金制度を確認してみましょう。

正しい方法で生ゴミを処理して臭いを減らそう

間違えた処理をすると、生ゴミの臭いが減るどころか、嫌な臭いを発生させる原因になります。きちんと正しい方法で処理するだけでも、生ごみの臭いを低減できるでしょう。

生ゴミの処理を手間に感じる場合は、家庭用生ゴミ処理機を利用するのも1つの方法です。自治体によっては購入代金に対して助成金が出るため、お得に購入できるでしょう。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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