必要? 不要? ウォークインクローゼットの「窓」をメリット・デメリットから考える

家を購入するにあたり、ウォークインクローゼットが欲しいと考えている人も多いでしょう。ただし、ウォークインクローゼットには湿気も溜まりやすいため、窓を設置したほうがいいか悩むケースもあります。

この記事では、ウォークインクローゼットに窓を設置するメリット・デメリットともに、窓の設置以外の湿気対策についても解説します。

ウォークインクローゼットに窓は必要?

ウォークインクローゼットにはたくさんの衣類を収納できます。衣類はただでさえ湿気を吸収しやすいうえ、基本的に扉を閉め切っているため、カビや雑菌も繁殖しやすい環境にあります。ウォークインクローゼットに衣類を収納する際は、カビや雑菌を防ぐための湿気対策が必要不可欠です。

湿気を防ぐための方法としては、換気が必須となります。ですので、ウォークインクローゼットを設計しようとしたときに窓の設置を検討する人も多いのではないでしょうか。ただし、ウォークインクローゼットの窓はメリットとデメリットの両方がありますので、それぞれを考慮したうえで決定する必要があります。

ウォークインクローゼットに窓があるメリット

ウォークインクローゼットに窓があるメリットは大きくわけて2つです。以下では、メリットを詳しく解説します。

明かりが取れる

ウォークインクローゼットに窓があれば、自然に明かりを確保できます。昼間は窓から常に光が入ってくるため、電気をつけなくても衣類の出し入れや整理整頓ができます。

ウォークインクローゼットに窓がないと、外の光はまったく入ってきません。そのため、どこに何があるか確認するためには、昼夜を問わず電気をつける必要があります。明るい時間帯にウォークインクローゼットをよく使用するなら、窓から採光できたほうが便利です。

風通しが良い

窓がある場合、窓を開けるだけでウォークインクローゼットをしっかり換気できます。湿気が溜まるのを気にしている人も、窓があればこまめに換気できるため安心です。

ウォークインクローゼットをずっと閉め切っていると、独特のにおいが気になる場合もあります。窓による換気ができれば、湿気だけでなくにおいがこもるのも防止可能です。

ウォークインクローゼットに窓が1つしか無くても、扉を少し開ければ、風の流れができてスムーズに換気できます。

ウォークインクローゼットに窓があるデメリット

ウォークインクローゼットに窓がある場合、メリットだけでなくデメリットもあります。ここでは、具体的なデメリットを解説します。

窓が結露する恐れ

結露はカビの温床になる

ウォークインクローゼットに窓を設置すると、外気との気温差があるときに結露が生じる可能性があります。結露が生じれば、カビや雑菌の繁殖につながります。湿気を防ぐために窓を設けたとしても、結露が生じては本末転倒です。

ただし、窓にペアガラスや樹脂サッシなどを採用すれば、ある程度は結露を防止できます。どうしてもウォークインクローゼットに窓をつけたいと考える場合は、窓の種類にも配慮して結露対策をしましょう。

日差しにより、服が日焼けする

窓を設ければウォークインクローゼットに日が差し込むため、服が日焼けして色褪せるリスクもあります。特に、日当たりのいい南側や、西日の差し込む西側にウォークインクローゼットの窓を配置する場合には注意が必要です。

ウォークインクローゼットに窓を設置するなら、カーテン、ブラインド、シェードなどをつけて日焼けを防止しましょう。日が当たりにくい北側に窓を設けるのもひとつの方法です。衣類にカバーをかけたり収納ボックスにしまったりするなど、収納方法も工夫する必要があります。

窓のスペース分、収納が減る

窓を設置した箇所には、衣類をかけたり収納ボックスを設置したりできません。そのため、窓の大きさの分だけ収納に割けるスペースは少なくなります。

基本的にウォークインクローゼットは収納スペースが広いものの、窓を設置する場合は予想よりも使えるスペースが狭くなる可能性があるため気をつけましょう。

なるべく多くの収納スペースを確保するためには、ウォークインクローゼットの使い方をイメージし、邪魔にならない位置に窓を配置する必要があります。

費用がかかる

一般的には、ウォークインクローゼットには窓を設置しないパターンが多いです。そのため、注文住宅で家を建てる場合、ウォークインクローゼットに窓を設置するには追加の費用がかかる恐れがあります。

注文住宅の間取りやデザインに希望を反映していくと、予算が足りなくなるケースも少なくありません。他のオプションを優先すれば、ウォークインクローゼットの窓の設置をあきらめざるを得ない可能性もあります。

窓の設置以外の方法

湿気対策のために換気する方法としては、窓の設置以外にもさまざまあります。ここでは、窓の設置以外に取り入れられる方法を解説します。

換気扇を取り付ける

換気扇をつければ換気の問題は解決する

換気を目的としている場合、換気扇をつければ窓をつける必要はなくなります。小型の換気扇を設置して定期的に回す習慣をつけると、ウォークインクローゼットに湿気を溜めずに済みます。換気扇の設置はにおい対策としても有効です。衣類の日焼けや結露の心配もありません。

ウォークインクローゼットに換気扇があればドアを閉め切っていても換気ができるため、常にすっきりとした見た目を維持できます。

壁、ドアにガラリを取り付ける

「ガラリ」とは、壁やドアに取り付ける換気口のことです。数枚の羽根板を平行に取り付け、外からの視線を遮断しながら風を通します。

ウォークインクローゼットの壁やドアにガラリをつけておけば、ドアを閉めていても常に換気が可能です。換気している最中もウォークインクローゼットの内部は見えないため、急な来客時にも困りません。

ただし、長く使用しているとガラリにほこりが溜まるため、定期的な掃除が必要です。

調湿作用のある建材にする

ウォークインクローゼット内の湿度を適切に保つためには、建材にこだわって調湿作用があるものを選ぶのもおすすめです。たとえば、ウォークインクローゼットの壁には、桐の無垢、珪藻土、漆喰、調湿ボードなどを採用すると自然に湿度を調節できます。

ただし、完全に湿気をなくすことはできません。調湿建材のウォークインクローゼットであったとしても換気は必要です。

また、調湿作用のある建材は高価な場合がほとんどです。予算を考慮しながら、取り入れられるかどうか検討しましょう。

除湿剤を使用する

除湿剤は手軽な湿気対策

家を建てる際に湿気対策を取り入れられなくても、除湿剤を使用すればウォークインクローゼットに湿気を溜め込みにくくなります。環境に合わせて除湿剤を取り入れれば、しっかりとした効果を感じられるでしょう。

塩化カルシウムの置型除湿剤や除湿シートなど、さまざまなタイプの除湿剤があります。定期的な交換が必要ですが、後からでも取り入れられる湿気対策として押さえておきましょう。

まとめ

ウォークインクローゼットに窓を設置すれば、メリットもあります。しかし、デメリットもあるため、両方についてあらかじめ検討しておくと安心です。窓を設置する目的を念頭に置きつつ、実際の使い勝手を細かくイメージする必要があります。窓を設置した場合の効果とかかる費用もしっかり比較しながら、自分たちにとってどちらが最適か考えましょう。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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