全国の「関係人口」調査、東京より多い3つの地域とは? 4割以上が毎年1回以上訪問

総務省は、移住した「定住人口」でもなく観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のことを「関係人口」と定義し、地域外の人材が地域づくりの担い手となることに期待を寄せています。どの地域に、どれだけの「関係人口」が存在するのでしょうか。

関係人口が最も多いのは福島県で、居住人口の6.8倍!

株式会社ブランド総合研究所が、地域活性化の切り札として注目されている、各都道府県の出身者や応援者による「関係人口」に関する意識調査を実施。

関係人口の多い都道府県を調べたところ、1位は福島県で1,229万人という結果に。これは、福島県の人口182万人の6.8倍にあたります。同県の関係人口の特徴は、ボランティア活動や寄付、産品購入などの意欲のある人が多いことが挙げられます。

2位は沖縄県で950万人。人口146万人の6.5倍にあたり、観光意欲がある人は62.2%と全国で最も高いほか、移住意欲も24.5%と全国で2番目に高い結果となりました。

3位は北海道の756万人で、人口523万人の1.4倍にあたりますが、6位の熊本県は人口173万人の2.4倍に達しており、この倍率は全国で5番目にあたります。なお、欄外ではありますが、人口に対する関係人口の割合が福島県、沖縄県に次いで高いのは島根県で3.3倍、次いで鳥取県の2.4倍でした。

なお、居住地以外に出身都道府県があると回答した人は30.4%。居住地や出身地以外に「応援したい」と感じる都道府県がある人は55.2%でした。これらの結果をもとに出身者と同様に応援者の人口を推定しました。

出典:株式会社ブランド総合研究所「関係人口の意識調査2021」

特定の都道府県を応援する理由は、親族や友人の存在や観光地としての魅力

居住地や出身地を除く、応援したい都道府県とはどのような関係があるかと聞いたところ、「これまで特に関りがない」または無回答とした人が全体の32.8%を占め、特別な関係がなくても「応援したい」と感じている人が多いようです。

何らかの関係がある人の中で最も多かった回答が「家族や親せきがいる」で22.7%。次いで「観光で何度か訪れた」が16%でした。「過去に住んでいた」、「友人や知人がいる」などの居住系と、観光系の回答が目立ちます。

観光面で「何度か訪れた」が16%であるのに対し、「一度だけ観光で訪れた」は4.6%と少なめ。一度だけではなく何度も観光で訪れることにより、「応援したい」という気持ちが高まり、関係人口となっていることを表す結果となりました。

出典:株式会社ブランド総合研究所「関係人口の意識調査2021」

関係人口の4割以上が、毎年1回以上訪問

関係人口のうち、関係している都道府県への訪問状況を聞いたところ「ほとんど毎月」が7.8%、「年に数回程度」が19.8%、「年に1回程度」が13.7%で、合わせて41.3%の人が年に1回以上の訪問をしています。一方で、「ほとんどない」「ない」という回答が合計37.9%もあり、必ずしも定期的な訪問をしているわけではないようです。

訪問率が最も高い都道府県は「埼玉県」で66.1%と、およそ3人に2人が年に1回以上訪問しています。次に高いのが「大阪府」と「兵庫県」の順。訪問率が10位以内の都府県はすべて関東圏、中京圏、近畿圏に位置しているが、その中で4位の「群馬県」、6位の「静岡県」は「ほとんど毎月」の割合が少ない代わりに、「年に数回」の訪問が多くなっています。

出典:株式会社ブランド総合研究所「関係人口の意識調査2021」

関係人口の17%が「移住したい」という意欲あり

関係人口が、関係している都道府県へ移住したいという意欲については「すぐにでも移住したい」が4.9%、「いつかは移住したい」が12.1%で、合わせて17%の人は移住の意欲があります。この数字を「移住意欲度」としました。

このほかに「住んでもよい」と回答した20.1%を加えた37.1%が、移住に対して肯定的な考えを持っており、移住・定住対策として関係人口が重要なステークホルダーであることがわかります。ただし、「あまり思わない」との回答がほぼ同数の35.7%もいることから、必ずしも関係人口が移住・定住につながるわけではないようです。

出典:株式会社ブランド総合研究所「関係人口の意識調査2021」

関係人口の移住意欲が最も高い都道府県は「福岡県」

都道府県の中で、関係人口の移住意欲が最も高いのは「福岡県」で「すぐにでも移住したい」人が9.5%、「いつかは移住したい」人が18.9%で、合わせて28.4%の人が移住意欲を表明しています。

次いで高いのは「沖縄県」で「すぐにでも移住したい」人が5.3%なのに対し、「いつかは移住したい」人が47都道府県の中で最も多い19.2%もいることが分かりました。なお、3位から6位は首都圏および近畿圏の都府県が占めましたが、7位に「長野県」、9位に「富山県」、10位に「静岡県」と中部地域の県がランクインしています。

出典:株式会社ブランド総合研究所「関係人口の意識調査2021」

まとめ

「親しい人が住んでいる」「かつて住んでいた」「観光で訪れた」など、特定の都道府県に興味をもつきっかけは様々ですし、「遊びに行きたい」「移住したい」「ふるさと納税などを通じて応援したい」など、どのように関わりたいかも千差万別です。コロナ禍で直接の訪問が難しい現状がありますが、気になる都道府県に対してどのようなアクションを起こしたいか、考えてみてはいかがでしょうか。

【調査概要】
「関係人口の意識調査2021」
調査対象:18歳~79歳の登録調査モニター20,508名から年代および男女別にほぼ均等に回収
調査方法:インターネット調査
実施期間:2021年2月17日~2月23日
実施機関:株式会社ブランド総合研究所

ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:株式会社ブランド総合研究所

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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