ウォークインクローゼットは2畳で大丈夫? レイアウトと暮らし方から考える

ウォークインクローゼットは住む人によって適切な広さが異なります。現状、もしくは今後住む物件におけるウォークインクローゼットの広さに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

ウォークインクローゼットの広さが2畳というケースは多く、限られたスペースを有効的に活用することが重要です。この記事では、2畳のウォークインクローゼットにおける効果的な収納方法や利用方法を解説します。

2畳はどれくらいの広さか

2畳の広さは、文字通り畳2枚分です。不動産公正取引協議会が決めたルールでは、1畳=1.62平方メートルとなっており、畳2枚分は約1坪になります。

そうはいっても、漠然と2畳といわれてもどれくらいの広さなのかピンとこない人も多いでしょう。実際、畳2枚を並べたとおりの形をしているウォークインクローゼットは少なく、あくまでも広さの換算である点には注意が必要です。

クイーンサイズのベッドがおおよそ2畳

イメージとして参考になるのはクイーンベッドのマットレスの大きさです。宿泊施設では、カプセルホテルやキャビンルームなどが2畳ほどの広さに該当します。正方形の部屋だと約1.8メートル四方です。正方形のラグでは1.8メートル四方のものが多く販売されているため、家具店などに足を運んで見てみるといいでしょう。

2畳のウォークインクローゼットは、イメージしていたよりも狭いと感じる人が多いのも実情です。一部屋丸ごとクローゼットにするわけではなく、部屋の一角に衣類を収納できるスペースを設けている場合もあります。

2畳のウォークインクローゼット

家族構成はウォークインクローゼットの広さを決める重要な要素です。現状の人数はもちろん、将来的に家族が増える予定の場合は、その後の生活も含めて検討する必要があります。2畳のウォークインクローゼットは、どのような家族に適しているかを見ていきましょう。

夫婦2人でピッタリ
夫婦2人の生活であれば、2畳のウォークインクローゼットはちょうどいい広さです。収納する衣類や荷物が少ない場合は中で着替えることも可能です。狭いと感じることは少なく、快適に使えるでしょう。

収納するものが多く、レイアウトが壁1面で済まない場合は、中で着替えるには少し手狭になります。寝具などもウォークインクローゼットの中に保管したいとなれば、たとえ夫婦2人でも2畳では狭いと感じるでしょう。

現状のウォークインクローゼットが2畳の場合は、手持ちの衣類や荷物を減らしたりレイアウトを変更したりすることで使いやすくなります。これから物件を検討する人でウォークインクローゼットの広さが2畳だとあらかじめわかっている場合は、持ち込む衣類や荷物の量を検討しましょう。

ファミリークローゼットならばもっと広さを
子どもがいる家庭や将来的に子どもを持つ予定の場合、2畳のウォークインクローゼットを家族で使用するのは難しいと考えましょう。

子どもは成長とともに着用する衣類がどんどん変わっていきます。その都度、小さくなった衣類を処分することができれば問題ありませんが、処分にも限度があるのが現実です。子どもが増えれば、さらに衣類の数は増えていくでしょう。

そのため、ファミリークローゼットにしたい場合は、2畳よりも広いウォークインクローゼットが望ましく、ひとりひとりの衣類を個別に保管できる広さを確保するほうが賢明です。どうしてもウォークインクローゼットに使えるスペースが2畳以下の場合は、子どものクローゼットは子ども部屋に設置するなどの工夫が必要です。

どんなレイアウトにするべきか

限られたスペースを有効的に使うためには、レイアウトの工夫が不可欠です。一見、使いやすそうだと思えるレイアウトでも、2畳のウォークインクローゼットには向いていない場合もあります。狭くても使いやすいレイアウトを考えてみましょう。

ウォークインクローゼットのタイプ
ウォークインクローゼットのレイアウトは主に、Ⅰ型、Ⅱ型、L字型、コの字型の4タイプがあります。

Ⅰ型は、壁面の片側1面のみに収納を配置したタイプで、人の可動域を広く取れるというメリットがあります。ポイントは長さがある壁面に収納を配置することです。細長いウォークインクローゼットでは、壁面の長さが収納力に影響します。クローゼットが真四角の場合は、収納するものの量を調整しましょう。

Ⅱ型は、向かい合った壁面2面に収納を配置したタイプで、奥行きを確保しつつ、Ⅰ型よりも多くのものを収納できます。問題点としては人の可動域が狭いことです。そのため、ウォークインクローゼットの中での着替えは難しい場合もあります。収納力を重視する場合に検討するといいでしょう。

L字型は、隣り合った壁面2面に収納を配置したタイプで、収納スペースを個別に分けることや、ハンガーラックとチェストを異なる面に配置することも可能です。一方で、引き出し型のチェスト2つでL字型のレイアウトは組めないといったケースも多く、使い方にコツが必要です。

コの字型ウォークインクローゼット

コの字型は、入口以外の壁面3面に収納を配置したタイプで、収納力の高さが魅力です。デメリットは広いスペースが必要なことで、2畳のウォークインクローゼットでは物理的に無理が生じます。

それぞれのメリットとデメリットを考慮したうえで、自分の生活に適したレイアウトを選びましょう。

2畳のウォークインクローゼットに向くレイアウト

L字型は2畳のウォークインクローゼット向き

2畳のウォークインクローゼットは広さが限られるため、Ⅰ型かL字型がおすすめです。Ⅰ型では上部にハンガーラック、下部に収納スペースを設けるといいでしょう。L字型では、1面をハンガーラック、もう1面を収納スペースにすると効率的に使えます。

仮に約1.8メートル四方のウォークインクローゼットだとすると、ハンガーラックと棚として使用する幅が60cmで通路部分は120cmになります。着替えのスペースにも余裕があり、使わない壁面に鏡を配置することも可能です。

実際には、ウォークインクローゼットの中で着替えるとなれば、冷房、暖房器具を入れたり、照明器具が必要になったりということもあります。その分も考慮して、できるだけ余裕のあるレイアウトを組むことが大切です。

間取りを総合的に考える

クローゼットにこだわりを持つ人は多く、中には靴もウォークインクローゼットで保管したいというケースも少なくありません。一方で、ウォークインクローゼットは、収納力や利便性を追求すればするほど居住スペースを圧迫する要因にもなります。ウォークインクローゼットありきで広さを決める前に、間取りを総合的に考えることも大切です。

収納量を優先させるなら
ウォークインクローゼットは、通路部分に広いスペースを使います。クローゼットとしての機能のみを考えた場合、通路部分は無駄になってしまいます。そのため、収納量を優先させるのなら、通常のクローゼットにしたほうがいいでしょう。

たとえば、毎日仕事にはスーツを着て行き、普段着は2着でローテーションしているという人であればウォークインクローゼットは非常に適しています。一方、仕事着も普段着も数が多く、衣替えを定期的に行う人は、通常のクローゼットのほうが使い勝手がいい場合もあります。ウォークインクローゼットは、あくまでも「一目で何がどこにあるか見渡せる」ことがメリットであり、収納するものの総量は少ないに越したことはありません。

子どもの衣類は数が多く、子ども自身が管理することは容易ではありません。子どもの小さな衣類はハンガーラックにかけるよりも、チェストで保管するほうが楽な場合もあります。また、着替えのたびに子どもをウォークインクローゼットに連れていくことは意外に難しいものです。子どもがいる場合は、そのような特性も考えて通常のクローゼットを検討してもいいでしょう。

割り切りも必要
住宅面積には限りがあります。どれほどウォークインクローゼットが魅力的でも、居住スペースの快適性を犠牲にしてまでウォークインクローゼットのスペースを確保するのは賢明ではありません。

また、収納する場所が広ければ広いほど、ものの量が増えていく可能性もあります。衣類や荷物が多いためにウォークインクローゼットが物置になってしまい、別にチェストやハンガーラックを購入したというケースも少なくありません。

ウォークインクローゼットは家族共有の場所であることにも注意が必要です。女の子がいる家庭では、いずれ「父親とは一緒の場所で着替えたくない」というときがやってくるかもしれません。そのとき、広いウォークインクローゼットが必要か否かは容易に想像がつきます。「ウォークインクローゼットは2畳まで、それ以上荷物を増やさない」と割り切ることも大切です。

まとめ

2畳でもウォークインクローゼットを快適に使うことは可能です。一方、手狭であることは事実で、それをカバーするための工夫は必要だと心得ましょう。間取りを決めるうえで大切なのは「生活スタイルは変化していくものである」と認識することです。今、必要だと思うものが数年後必要かどうかをよく考えて、後悔しない間取りを実現しましょう。

~こんな記事も読まれています~

この記事が気に入ったらシェア