パントリーで実現するキッチン収納革命! 設置メリットとタイプ別の特徴

日本では、パントリーを設置している住宅はまだそれほど多くありません。とはいえ、キッチンの近くにパントリーがある住宅に憧れている人も多いのではないでしょうか。パントリーがあれば、キッチン回りの収納が増えて便利です。この記事では、パントリーとはどのようなものか説明したうえで、パントリーの特徴や種類について解説します。

パントリーとは

パントリー (pantry)とは、食料品や調理器具などを保管するためのスペースです。場合によっては「食品庫」や「キッチンパントリー(kitchen pantry)」と表現されることもあります。一般的にはキッチンの近くに配置し、作業中に必要なものをすぐに取り出せるようにしているケースが多いです。

食料品も保存するため、直射日光が当たらない涼しい場所に配置します。大きさは特に決まっておらず、用途にあわせて設置可能です。狭いスペースをパントリーとして活用するときは、キャビネットを置いて代用するケースもあります。

なお、ホテルやレストランにもパントリーが設けられています。ただし、ホテルやレストランのパントリーは貯蔵庫や配膳室などを表している場合がほとんどです。

パントリーの種類

パントリーにはさまざまなタイプがあります。ここでは、パントリーの種類のそれぞれについて、特徴を確認しましょう。

壁面収納型

壁面収納型のパントリー

壁面収納型は、キッチンの一部の壁に棚を取り付けるタイプのパントリーです。食器棚に似た形状をしていたり、棚にキャスターがついていて動かせるようになっていたりします。キッチンのなかでデッドスペースになっている部分に配置すれば、限られた空間を有効活用できます。

ただし、キッチンの背面にパントリーを設置する場合、キッチンの広さによっては注意が必要です。キッチンが広ければ、わざわざ移動してものを取るのが面倒に感じる可能性があります。背面収納型のパントリーを選ぶなら、キッチンの広さや動線をよく考えて設置しましょう。

ウォークイン型

ウォークイン型パントリー

ウォークイン型は、キッチンにつながる小部屋を活用するタイプのパントリーです。人が入ることができる広さがあるため、壁面収納型よりもたくさんのものを収納できます。棚を配置すれば、さまざまなものを収納してもすっきり片付けることが可能です。

ウォークイン型は最初からある程度広めのスペースを確保しなければならないため、住宅の間取りを考える時点であらかじめ検討しておく必要があります。ウォークイン型のパントリーを後から設置するのは難しいので、最初からしっかり計画しておきましょう。

回遊型(ウォークスルー型)

回遊型(ウォークスルー型)も、キッチンにつながる小部屋を活用するタイプのパントリーです。ただし、ウォークイン型とは違い、出入り口が2ヶ所についていて両方から出入りできるようになっています。たとえば、キッチン側と玄関側の2ヶ所に出入り口をつけると、食品の買い物をして帰ってきたときはパントリーを通ってすぐにキッチンに到達できます。回遊型(ウォークスルー型)を選ぶなら、ドアの配置にもこだわるとより使いやすいです。

2ヶ所に扉があると通気性もアップするため、パントリーに湿気が溜まるのを防げます。回遊型(ウォークスルー型)のパントリーは、特に使い勝手を意識して設置しましょう。

パントリーを設けるメリット

自宅にパントリーを設けると、さまざまなメリットがあります。ここでは、パントリーのメリットについて具体的に解説するので、ぜひ参考にしてください。

収納力が上がる

長持ちする食品の備蓄に最適

キッチンには食料品や調理器具などさまざまなものを置く必要があるため、収納が足りなくなる場合も多いです。しかし、パントリーを設ければ、必要な収納スペースをしっかり確保できます。

よって、パントリーがあると、食品を買い溜めしてストックしておくことも可能です。たとえば、賞味期限が長い粉ものなら、安く売っているときにまとめて購入して保管するのもひとつの方法です。また、普段はあまり取り出す機会のない非常用食料や水なども、パントリーに保管しておけば邪魔になりません。

さらに、こだわりの食器類をたくさんもっていても、収納力の高いパントリーがあればすべてをきちんと収納できます。もちろん、整理整頓することが前提となりますが、パントリーがあればさまざまなものを収納できるので便利です。

キッチンがすっきりする

パントリーには、キッチン回りで使用するものをすべてひとまとめにして収納できます。キッチンの見える部分に食料品や調理器具などを置く必要がなくなるため、キッチンがすっきりした印象になります。

ものが見えないだけでもかなり広々とした印象になるので、キッチン回りの片付けにあまり自信がない人にもおすすめです。パントリーにまとめて収納するルールを設けるだけで、簡単にきれいなキッチン回りを維持できます。

パントリーを設けるデメリット

キッチンの近くにパトリーを設ける場合、デメリットといえることもあります。ここでは、パントリーを設ける際の具体的なデメリットを解説するので、あわせて参考にしてください。

大きなスペースが必要

パントリーを設けるためには、その分のスペースを確保する必要があります。壁面収納型であれば比較的狭いスペースでも有効活用できますが、ウォークイン型や回遊型(ウォークスルー型)を希望するならある程度の面積が必要です。スペースを確保できないと、わざわざパントリーを設けても期待していたほどの収納力を実現できない可能性もあります。

また、パントリーを設けるには、間取りの配置も慎重に考えなければなりません。パントリーはキッチンの近くに配置するのが一般的ですが、家全体の大きさや他の部屋との位置関係によっては難しい可能性もあります。他の部屋に割くスペースを圧迫しすぎないよう、全体的な間取りを考慮しながら決めることが大切です。

動線が悪いとストレスになる

パントリーにはキッチンで使用する食料品や調理器具を収納するので、キッチンからなるべくスムーズに到達できる必要があります。キッチンからパントリーまでの距離が遠かったり、行きづらかったりすると、パントリーを使いにくいと感じる恐れがあります。

パントリーがあると便利ですが、設置するときは実際に使ううえでストレスが生じないよう配慮することが重要です。キッチンとパントリーを行き来する際の動線に配慮し、スムーズに使用できるようにしましょう。

パントリーのちょっとしたアイデア

パントリーを設置するときは、さまざまなアイデアを取り入れることで使い勝手をさらに向上させられる可能性があります。ここでは、パントリーに取り入れたいちょっとしたアイデアを紹介するので、パントリーを設置する目的や用途にあわせて取り入れてみて下さい。

可動棚の設置

可動棚の設置で収納を柔軟に

パントリーに可動棚を設置しておけば、将来的に収納するものが変わってもそれぞれにあわせて空間を有効活用できます。可動棚とは、後から棚板を取り外して高さを自由に変えられるタイプの棚です。簡単に高さを調節できるので、わざわざ工具を使わなくても自由に棚をアレンジできます。

長く暮らしていれば、ライフスタイルがパントリーを作った当時から変化する可能性もあるでしょう。可動棚を採用していれば、さまざまなものにあわせてパントリーの状態を整えられるため便利です。ウォークイン型や回遊型(ウォークスルー型)のパントリーなら、棚をすべて取り外してちょっとした小部屋としても使用できます。

換気扇・小窓の設置

パントリーには食料品も収納するため、衛生的に保つ必要があります。通気性が悪ければ湿気が溜まり、カビが生える原因にもなるため要注意です。そのような状況を防ぐためにも、換気扇や小窓を設置することをおすすめします。

しっかり換気できる仕組みがあると、キッチンで発生したにおいがパントリーにこもるのも防止できます。掃除する際も換気のための仕組みがあったほうが何かと便利です。パントリーもキッチン回りの設備のひとつなので、衛生的に保つための工夫も忘れずに取り入れましょう。

ワークスペースに

パントリーの広さにある程度以上の余裕がある場合、ワークスペースとしても活用できます。たとえば、棚の一部を利用してノートパソコンを置けば、ちょっとした作業なら問題なくこなせるでしょう。料理や家事の合間にパソコンをチェックしたい場合も、パントリーを活用すれば便利です。

ウォークイン型や回遊型(ウォークスルー型)のように小部屋になっているタイプであれば、パントリーを仕事部屋として活用することも可能です。たとえば、在宅勤務に集中するための場所としても活用できます。ドアで仕切られているため、家族の声などもあまり気にせず作業に集中できます。

まとめ

パントリーを設置する場合、住宅の広さにある程度の余裕が必要です。パントリーを上手に活用できれば家事動線もスムーズになり、暮らしやすさがアップします。パントリーには複数のタイプがあるので、住宅の広さや設置する目的にあわせて選びましょう。ぜひパントリーを使いこなして、キッチン回りの利便性を高めてください。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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