「実家」のご近所付き合いどうすれば? トラブルやストレスを防ぐコツ

実家で暮らしていた頃は、近所の方と良好な関係を築いていた人もいるのではないでしょうか。実家を離れても、何かの折に実家の近所付き合いは生じるものです。

実家を離れてまで近所付き合いが続くのを面倒に感じる人もいるかもしれませんが、良好な関係を維持するためにも最低限の付き合いは必要です。今回は、実家の近所付き合いの必要性や、良好な関係を築くコツなどについて解説します。

実家の近所付き合いはどの程度まで必要?

おすそ分けで近所付き合いが円滑になり、関係性が深まることも多いもの

近所付き合いは、地方や古くからある地域のほうが関係性が深い傾向があります。「遠くの親戚より近くの他人」というように、何かとお世話になることもあるでしょう。自分の実家や配偶者の実家の近所付き合いはどの程度必要なのか解説します。

おすそ分け

実家の近所の方と、「おすそ分け」をやり取りした人も多いのではないでしょうか。親戚から送られてきた野菜や果物などを、いっぺんには食べ切れないからと、隣家や周辺の近所の方におすそ分けとして贈り合う風習は昔からありました。また、庭の果樹が大量に実を付けたので、収穫して近所に配ることもあるでしょう。

おすそ分けで近所付き合いが円滑になり、関係性が深まることも多いものです。おすそ分け程度なら贈る側もいただく側もお返しの心配をすることもなく気軽に手渡しでき、世間話のきっかけにもなるでしょう。

物の貸し借り

結婚すれば同居でなくても配偶者の実家の近所付き合いも始まります。その土地の慣習に驚かされることもあるものです。スーパーやコンビニなどの商業施設が遠い場所では、近所の方と物の貸し借りが普通に行われていることがあります。

ただし、物の貸し借りはトラブルに発展することもあるため、できれば避けたいものです。親は、気軽に貸せるものとそうでないものを区別しているかもしれません。親が不在のときに近所の方から貸してほしいと頼まれても、一度確認してから対応したほうが無難です。

お祝いの授受

近所付き合いが長く、子どもの頃からよく知る間柄の場合、結婚や出産などのお祝いをもらったり、帰省した際に手渡されたりするケースもあるでしょう。お祝いを受け取ったら必ず親に報告して、後日内祝いのお返しを贈るのが基本です。

近所で同じ年格好の子どもがいる場合も多く、相手にお祝い事があった場合も、親と相談して相手方の迷惑にならない程度にお祝いを贈るとよいでしょう。親世代だけでなく、子ども世代同士でも実家の近所付き合いが続くこともあるものです。

実家の近所付き合いの注意点

実家の近所付き合いに子どもがどこまで介入してよいのか悩む人もいるでしょう。まして、嫁ぎ先の場合は、土地の風習や近所付き合いの様子がまったくわからないものです。どのようなことに注意すればよいのか解説します。

親の意向に従う

結婚をして配偶者や自分の実家で親との同居が始まるような場合は、それまでの近所との関係性を踏まえた付き合い方が重要になります。早く馴染みたいばかりに、勝手に積極的に近所付き合いをはじめてしまうことは避けましょう。

同居ではなく、お正月やお盆に帰省するだけの場合も、親の承諾もなく手土産などを配るのはもってのほかです。近所同士もらったもらわないなどのトラブルになることもあり、親の人間関係にも影響するため、第一に親の意向に従うことが大切です。

地域の慣習に合わせる

新興住宅地とは異なり、古くから代々続く土地では近所付き合いの関係が深く、地域独特の風習が根強く残っていることが多いものです。冠婚葬祭や日常生活において自分の常識が通用しないことも多く、カルチャーショックを受けることもあるでしょう。

古くからの格言「郷に入っては郷に従え」は現代でも通用する処世術です。それまでに培った価値観では理解できないこともあるかもしれませんが、今後長く関わることになる土地であるならなるべく地域の慣習に合わせることが大切です。

適度な距離を保つ

いくら仲が良くてもプライバシーにまで深く踏み込まれることに抵抗がある人は多いでしょう。近所付き合いを良好に保ちたいときは、お互いの家の家族関係や家計のことなどプライバシーに踏み込んだ話題は避けるのがコツです。

その場にいないご近所さんの噂話や悪口もタブーです。自分は無関係でも、その場にいたことで悪口に同調したと捉えられ近所トラブルの元になってしまいます。話を振られたときは、話に乗らずにさり気なく話題を変えましょう。

実家に帰省した際に気を付けたいこと

静かな土地に家族で帰省すれば、少なからず近所の生活環境に変化をもたらします。振る舞いひとつで歓迎されないケースもあるため、迷惑にならないよう十分な配慮が求められます。以下に、実家に帰省した際に気を付けたいことを紹介します。

騒音

実家へ帰省したときは、近所の生活環境に影響を与えることもあるため、迷惑にならないように配慮する必要があります。マンションなどの集合住宅では、足音やドアの開閉音、話し声や笑い声などが騒音となることがあります。

普段は静かな環境なのに急に騒がしくなると、体調の悪いときなどは不快に感じることもあるでしょう。特に、じっとしていられない幼児と一緒に帰省するときは、前もって断っておいたり、付き合いのある間柄なら帰省の挨拶に立ち寄ったりするだけでも印象は変わります。

ゴミ出し

配偶者の実家でゴミ出しをすることもあるでしょう。自分の実家の場合でも、以前住んでいた頃とはゴミ出しのルールが変更になっていることもあるため、地域のゴミ出しルールを確認しておきましょう。

不燃ゴミと可燃ゴミの区別や、資材別に細分化された地域のルールがあるかもしれません。普段と異なるゴミ出しをしている家庭があれば目立ってしまいます。地域によってはゴミ出しの監視が厳しいこともあります。

ゴミの出し方は自治体のホームページでも確認できますので、不安な場合は一度目を通しておくとよいでしょう。

駐車

車で帰省する際は、立ち寄りで一時的に駐停車するのとは異なり、しばらく留め置くことになるため、駐車スペースの確保が必要です。交通量の少ない道路でも、路上駐車は通行の妨げになり危険です。近隣住民の土地に無断で駐車しないよう気を付けましょう。

集合住宅なら、来客用駐車場を事前に申し込んだり、近隣のコインパーキングを利用したりするのが安心です。また、空き室の分の駐車場を借りられないか交渉するか、日割り利用可能な月極駐車場を契約するなどの方法も検討しましょう。

実家の近所付き合いを円滑にするコツ

なかなか実家に帰省できなくても、安心できる近所関係が築けていれば何かと心強いものです。以下に、実家の近所付き合いを円滑にするコツを紹介します。

近所の人に会ったら挨拶をする

実家に出入りしている様子を見かければ、近所の方は子どもが帰省しているものとわかります。自分が顔を知らない人でも、親世代が仲良くしている場合もあるため、近所の方を見かけたら挨拶しましょう。簡単に「おはようございます」や「こんにちは」と明るく声をかけるだけでも好印象です。

地域のルールを守る

一時的な帰省でも、自治体や町内会で決められた規則や暗黙のルールなどには従いましょう。ゴミ出し、駐車・駐輪場所、掃除当番など、地域によりさまざまなルールが存在します。ゴミ出し可能な時間や分別方法などのルールを守らないと、ゴミ集積所で回収車に回収してもらえず残置物として集積所の清掃当番が持ち帰ったり、開封して身元を特定して返却されたりします。

よその家庭のゴミ袋の中身を見ることは気分のよいものではありませんし、見られた側も気まずいものです。実家で暮らしている家族に迷惑がかかる可能性もあるため、くれぐれも気を付けましょう。

近所の人に親切にしてもらったら報告する

実家に帰省して、親に代わって庭の草むしりや周囲の清掃などを手伝うこともあるでしょう。外で作業をしていれば、近所の方と顔を合わせる機会も多いものです。隣家の方が実家前の歩道を掃いてくれた、雪かきを手伝ってくれた、外回りの掃除道具を貸してくれたなど、何かと気遣ってくれることもあるかもしれません。

親切にしてもらったときは、忘れずに親に報告しましょう。善意でしてくれたこととはいえ、親が後日顔を合わせたときに何も知らないでは失礼に当たります。親の近所付き合いを円滑にするためにも、近所にお世話になったときはきちんと報告しましょう。

地域活動に参加する

実家で親と同居している場合は、自治会や町内会の地域活動へ参加することも検討してみましょう。会合やPTAなど地域社会の活動に参加することにより、地域住民や近所の人と良好な関係が築けるものです。

勤務先や趣味の集まりの人間関係だけでなく、近隣に住む人と交流を持つことは視野と知見が広がりプラス面もあります。地域住民の一員としての自覚も生まれ、住む土地に愛着を持つ人も多いようです。一時的な帰省でも、積極的にお祭りやイベントに参加してみるとよいでしょう。

まとめ

同居でも別居でも、実家の近所付き合いは大切にしておくことをおすすめします。近隣関係が良好な地域は、外での挨拶が行き交い、まちの美化が保たれ、犯罪なども起きにくい傾向があります。生活環境がよく安心して住める地域は活気があり、結婚して実家を離れたファミリーが戻ってきやすいともいえます。

そのような土地柄なら、たとえ親と離れて暮らしていても、必要以上に心配することもないでしょう。良好な近隣関係を築くためには、気配りや互助の精神を忘れずに、感謝の気持を持つことが大切です。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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