タワーマンション(タワマン)は眺望が魅力とはいえ、価格や住み心地から実際に暮らすには高層階と低層階どちらを選べばよいか、難しい問題です。ここではタワマンの高層階と低層階のメリット・デメリットと、選ぶポイントを考えてみましょう。

そもそもタワマンのメリット・デメリットは?

厳密な定義はありませんが、高さ60メートル以上、階数にすると20階建て以上のマンションを一般的にはタワーマンション(タワマン)と呼んでいます。2020年以降、全国で10万戸以上の建築が予定され、今やストックもおよそ36万戸あり、憧れのタワマンも身近な存在となってきました。

高さ60メートルを超える建物は、建築基準法上「超高層建築物」と定義され、耐震構造などの基準が厳しくなっています。たとえば、震度6から7の地震でも高さに対する揺れ幅が100分の1以内、すなわち高さ100mのタワマンで揺れ幅1メートル以内といった基準になっています。ほかにも、エレベーターのかごが脱落しない、非常用エレベーターの設置などが義務付けられています。そのため、タワマンは災害に強く、安全性が高い建物といえます。

建物の安全性もさることながら、タワマンは眺望や豪華さで憧れかつ人気の物件です。そんなタワマンに実際住んだ場合のメリットとデメリットを整理しておきましょう。

タワマンといえば、エントランスなどの豪華さ、コンシェルジュサービスやフィットネスクラブ、パーティールームや宿泊施設など共用部分の充実が挙げられます。

駅近の立地が多く通勤や買い物が楽なこと、キッチンにディスポーザーがあり生ゴミの処理が簡単であること、各階の廊下にゴミ捨て場が設置され、部屋にゴミを残さず、臭いも気にならない生活を送ることができる、といったメリットもあります。

また、立地や建物の管理が良ければ値崩れしにくく、将来的に売却するといった場合は安心です。さらに、実際の売買価格に対して相続税の評価額を大きく下げられるため、相続税対策としても効果が高い物件です。相続税評価額は、マンション全体の評価額に対する自分が所有する住戸の持ち分割合となるため、住戸数が多いタワマンでは評価額を大きく下げることができるためです。

逆にデメリットとしては、通勤・通学時間帯のエレベーターの待ち時間や、災害時にエレベーターが止まってしまうリスクといった、エレベーター問題があります。

また、住戸によっては窓が開けられず、全館空調となっていても気分的に息苦しさを感じる、風が強い、洗濯物を外に干せずに一日中部屋干ししなくてはならない、といった声も聞かれます。

さらに、共用施設やサービスが充実していれば管理費は高くなり、住戸の設備が充実していれば、壊れたときの交換費用に意外とお金がかかります。

高層階と低層階暮らすならどっちを選ぶ?

高層階と低層階どちらが暮らしやすいかは家族構成やライフスタイルによって異なってくる

高層階であろうが、低層階であろうが豪華な設備やコンシェルジュサービスなど生活面のサービス、セキュリティなど防犯面でのメリットは同じように受けられます。もちろん、建物の構造や利便性が高い立地も共通です。

では、高層階、低層階ならではのメリット、デメリットは何でしょう。

高層階のメリットは、なんといっても眺望が良い、日当たりが良い、プライバシーが守られている、といったことでしょう。地上の騒音も聞こえず、マンションにありがちな足音や話し声が聞こえるといった問題もありません。大人だけで静かに暮らしたい人にはもってこいの環境です。

また、気になる維持費ですが、国交省のマンション総合調査によれば、タワマンの管理費や修繕積立金は階数ではなく各住戸の面積によって決めているようです。高層階だから管理費や修繕積立金が高いということではないのは安心です。

逆に、通勤・時間帯のエレベーター問題や窓を開けられない部屋も多いこと、洗濯物の外干しができないなどの生活の不便はありそうです。

低層階は眺望や日当たりこそ高層階に劣りますが、ハイスペックのマンションを割安に購入できるのが大きなメリットです。子育て中の家族にとっては、通勤・通学時間帯や災害時にエレベーターが使えないといった事態でも、階段を使って外に出やすいことは大きなポイントです。

また、窓を開けてバルコニーに洗濯物の外干しが可能といった場合もあり、ファミリーにとっては低層階も魅力です。

割安に購入しても豪華な設備やサービスは共通に受けられます。高層階と低層階どちらが暮らしやすいかは家族構成やライフスタイルによって異なりそうです。

静かに暮らしたい人向きの「高層階」、ファミリー向けの「低層階」

では、タワマンの高層階が向いている人、低層階が向いている人はそれぞれどんな人でしょう。

高層階が向いている人は、大人だけで静かに暮らしたい人や、通勤や通学の時間帯が決まっていない人などが挙げられます。プライバシーは守られますが、人の気配がないとさびしい、という人には向いていません。

具体的には、リタイア世代や自宅での仕事時間が長い人、テレワークで静かな住環境を求めている人などです。ただし、リタイア世代は管理費や修繕積立金を払い続けられるか、資金計画は大切です。

また、高層階は購入価格が高い分、時価と相続税評価額との差がより大きくなり、相続税を抑える効果が高くなります。

逆に低層階が向いている人は、子育て世代などファミリーで暮らす人、会社員で通勤時間が決まっている人などです。通勤・通学時間帯のエレベーター問題はある程度解消できますし、家族の洗濯物が多いという場合、外干しできれば乾燥機を使う回数も減り電気代も節約できます。また子どもにお金がかかる世代であれば、タワマンのメリットを割安に受けられる低層階は狙い目かもしれませんね。

同じタワマンといえど、ライフスタイルにより住みやすい部屋は異なります。自分の理想のライフスタイルを実現するために、高層階と低層階どちらがよいのか、眺望だけに気を取られず、冷静に検討しましょう。

参考サイト
国交省:平成30年度マンション総合調査 
株式会社不動産研究所 マンションデータニュース

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
~こんな記事も読まれています~

この記事が気に入ったらシェア

おすすめ記事