30代は結婚や子育ての支出が増え、多くのお金が必要になる時期です。そのため、自分の世帯年収は多いのか少ないのかが気になる人も多いのではないでしょうか。世帯年収を比較するときには、平均値だけではなく、より実態に近いといわれる「中央値」も参考にしましょう。この記事では30代の世帯年収を中心に、全世帯年収の平均値や中央値を比較していきますので参考にしてください。

※記事に一部誤りが認められたため、2021年10月19日に掲載内容を修正いたしました。

気になる30代の世帯年収はどのくらい?

30代は結婚、育児、住宅の購入といったような大きなライフイベントが重なりやすい時期です。まとまった出費も多く、家計のやりくりが難しくなることもあるため「自分の年収がほかの人より多いのか、少ないのか」が気になってくる時期でもあります。

そもそも世帯年収とは?

世帯年収とは、世帯を構成する人たちの年収の合計のことをいい、一般的には「同じ住居に住む人の年収を合算した収入のこと」をいいます。たとえば、共働き夫婦や社会人の子どもの収入は、扶養に入っているかどうかにかかわらず、すべて世帯年収に含まれます。世帯年収は税金や社会保険料が差し引かれる前の金額のため、手取りは世帯年収よりも少なくなります。

30代の世帯年収の平均はいくら?

厚生労働省の調査による「2018(平成30)年1月1日から12月31日までの1年間の所得」をみると、30代の世帯年収の平均がわかります。

この調査によると、全世帯の所得の平均値は552万3,000円、中央値は437万円となっています。ただし、「全世帯」には高齢者世帯、子どもがいる世帯、シングルマザーの世帯などすべての世帯が入っているため、より実態を表している数字を知りたい場合は、年代別の所得を確認することが大切です。

年齢別の世帯年収では、世帯主の年齢が30~39歳の世帯で平均614万8,000円となっており、20代の362万6,000円よりもかなり多くなっています。また、40代の世帯収入は694万8,000円、50代の世帯収入の平均は756.0万円となっています。

出典:Ⅱ 各種世帯の所得等の状況 |厚生労働省

世帯年収には平均値と中央値があることに着目しよう!

世帯年収には、平均値と中央値があります。中央値のほうがより実態を表すと考えられているため、自分の年収と比べたいときには、平均値だけでなく中央値も参考にしましょう。

平均値は高額な世帯年収の影響を受けやすい

平均値とは、集団のなかのデータをすべて足し、個数で割った数値のことをいいます。世帯年収の平均値の場合は、すべての世帯の年収を足し、世帯数で割った数値になります。

このように算出する「平均値」は、年収が高い世帯の影響を受けやすく、実態よりも高い数値が出てしまうことがあります。たとえば、上記で紹介した平均世帯年収は552万3,000円ですが、収入がこの年収以下の世帯の割合は61.1%です。つまり、6割以上の世帯が平均年収以下ということになります。

わかりやすい例として、6人の年収をもとに平均値を計算してみましょう。年収300万円、350万円、400万円、500万円、600万円、1,200万円の6人の年収の平均値を計算すると、約558万円となります。しかし、実際は6人中4人、つまり半分以上の人が558万円以下の年収となっています。このように、世帯年収の平均値は年収が高い世帯の影響を受けやすく、実態を正確に反映していないと考えることができます。

中央値のほうがより実態に近い

中央値とは、データを順番に並べたときに真ん中にくる数字のことをいいます。この中央値は高い数字の影響を受けにくいため、より実態に近い数字になることが特徴です。

例として、上記と同じ6人の世帯年収の中央値を計算してみましょう。年収300万円、350万円、400万円、500万円、600万円、1,200万円の6人の年収を順番に並べると、400万円と500万円が真ん中の数字になります。この二つの数字を足して2で割ると450万円になるため、世帯年収の中央値は450万円ということになります。

この中央値である年収450万円以下の人は3人、450万円以上の人も3人となり、バランスが取れた状態となります。このように、中央値は平均値に比べて実態をより反映していると言えるでしょう。

子育て世帯は世帯年収が高めでも出費が多い

世帯年収が平均値や中央値よりも高い場合であっても、子育て世代は生活が苦しいと考える人が多くなっています。その理由にはどういったものがあるのでしょうか。

子育て世帯の半数以上が「生活が苦しい」と回答

厚生労働省の国民生活基礎調査(平成29年)によると、児童がいる「子育て世代」の世帯年収の平均は、全体の世帯年収の平均よりも多く約739万円となっています。しかし、子育て世代の年収がこのように高いにも関わらず、児童がいる世帯の58.7%が「生活が苦しい」と回答しています。

その理由としては、子育てにかかる出費の多さです。内閣府の「インターネットによる子育て費用に関する調査」によると、年間の子育て費用総額は、未就園児の子育てに約84万円、保育所や幼稚園児では約122万円、小学生で約115万円、中学生で約156万円です。また、日本政策金融公庫が2020年10月30日に発表した「教育費負担の実態調査結果」によると、子供1人当たりの大学入学費用は大学が89.7万円となっています。

このように、子育て世帯の出費は大きく、未就園児から大学卒業まで長期にわたることから、生活が苦しいと感じる人が多くなっています。それでは、生活を少しでも楽にするには、どうすればよいのでしょうか。

30代が世帯年収を上げるには?

30代は20代に比べて世帯年収が増える時期ですが、子育てをする世帯も多いため、収入が十分でないと考える人も多くなっています。

世帯年収を上げて生活に余裕を持たせるためには、まず世帯主の収入アップが考えられます。たとえば資格を取得したり、仕事で成果を出したりするなど、社内で昇格や昇給を目指す方法があります。また、給与の条件がよい会社に転職するという選択肢もあります。ただ、思い通りにいかないことも多いので注意が必要です。

30代が世帯年収を上げるには共働きも検討を

世帯年収を上げるためのもう一つの方法として、共働きが挙げられます。日本では2000年以降、専業主婦世帯よりも共働き世帯のほうが多くなっており、多くの世帯で夫婦がともに働いて家計を支えています。

また、国税庁が公表している「民間給与実態統計調査」によると、男性の平均年収は30~40歳にかけて、150万円程度しかアップしません。そのため、短期間で世帯年収を上げるには、共働きをすることが近道となります。

【日本人の平均年収】

年代 男性 女性 全体
19歳以下 160万円 111万円 135万円
20~24 278万円 248万円 264万円
25~29 403万円 328万円 369万円
30~34 470万円 321万円 410万円
35~39 529万円 313万円 445万円
40~44 582万円 318万円 476万円
45~49 629万円 324万円 499万円
50~54 679万円 320万円 525万円
55~59 686万円 301万円 518万円
60~64 522万円 254万円 411万円
65~69 406万円 211万円 324万円
70以上 343万円 205万円 282万円
全体平均 540万円 296万円 436万円

参照元:国税庁「令和元年分・民間給与実態統計調査」

男性の平均年収は全体で540万円です。19歳以下が最も低く、55~59歳でピークとなり、60歳以降は年収が下降していくという特徴があります。

女性の場合の平均年収は296万円です。男性とは違い25~29歳が平均年収のピークではありますが、30~54歳は320万円前後でほぼ横ばいとなっています。

男性の給与と合わせれば世帯年収800万以上も可能となり、30代の平均世帯年収614万8,000円を大きく上回ることができます。

まとめ

30代の世帯年収の平均値は約614万8,000円となっていて、全世帯の所得の平均値よりも高い数値となっています。

しかし、30代は子育て中の世帯も多く出費が増える時期であることから、生活が苦しいと感じる世帯も多くなっています。そのため、生活にゆとりを持たせるためには家計管理や節約だけでなく、共働きをするなどの世帯収入を上げる方法も検討すると生活に余裕が生まれるようになるでしょう。

(最終更新日:2021.10.19)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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