30代は結婚や子育ての支出が増え、多くのお金が必要になる時期です。そのため、自分の世帯年収は多いのか少ないのかが気になるという人も多いのではないでしょうか。世帯年収を比較するときには、平均値だけではなく、より実態に近いといわれる「中央値」も参考にしましょう。この記事では、30代の世帯年収を平均値や中央値、男女別に比較していきますので参考にしてください。

気になる30代の世帯年収はどのくらい?

30代は結婚、育児、住宅の購入といったような大きなライフイベントが重なりやすい時期です。まとまった出費も多く、家計のやりくりが難しくなることもあるため「自分の年収がほかの人より多いのか、少ないのか」が気になってくる時期でもあります。

そもそも世帯年収とは?

世帯年収とは、世帯を構成する人たちの年収の合計のことをいい、一般的には「同じ住居に住む人の年収を合算した収入のこと」をいいます。たとえば、共働き夫婦や社会人の子どもの収入は、扶養に入っているかどうかにかかわらず、すべて世帯年収に含まれます。世帯年収は税金や社会保険料が差し引かれる前の金額のため、手取りは世帯年収よりも少なくなります。

30代の世帯年収の平均はいくら?

厚生労働省の調査による「2018(平成30)年1月1日から12月31日までの1年間の所得」をみると、30代の世帯年収の平均がわかります。

この調査によると、全世帯の所得の平均値は552万3,000円、中央値は437万円となっています。ただし、「全世帯」には高齢者世帯、子どもがいる世帯、シングルマザーの世帯などすべての世帯が入っているため、より実態を表している数字を知りたい場合は、年代別の所得を確認することが大切です。

年齢別の世帯年収では、世帯主の年齢が30~39歳の世帯で平均614万8,000円となっており、20代の362万6,000円よりもかなり多くなっています。また、40代の世帯収入は694万8,000円、50代の世帯収入の平均は756万円となっています。このようなことから、年齢が上がるにつれて世帯年収も上がっていくと予想することができます。

出典:Ⅱ 各種世帯の所得等の状況 |厚生労働省

世帯年収には平均値と中央値があることに着目しよう!

世帯年収には、平均値と中央値があります。中央値のほうがより実態を表すと考えられているため、自分の年収と比べたいときには、平均値だけでなく中央値も参考にしましょう。ここでは、平均値と中央値の違いを詳しく解説していきます。

平均値は高額な世帯年収の影響を受けやすい

平均値とは、集団のなかのデータをすべて足し、個数で割った数値のことをいいます。世帯年収の平均値の場合は、すべての世帯の年収を足し、世帯数で割った数値になります。

このように算出する「平均値」は、年収が高い世帯の影響を受けやすく、実態よりも高い数値が出てしまうことがあります。たとえば、上記で紹介した平均年収金額は552万3,000円ですが、収入がこの年収以下の世帯の割合は61.1%となっています。つまり、6割以上の世帯が平均年収以下ということになり、実態を正確に表しているとはいえない状態になっています。

わかりやすい例として、6人の年収をもとに平均値を計算してみましょう。年収300万円、350万円、400万円、500万円、600万円、1,200万円の6人の年収の平均値を計算すると、約558万円となります。しかし、実際は6人中4人、つまり半分以上の人が558万円以下の年収となっています。このように、世帯年収の平均値は年収が高い世帯の影響を受けやすく、実態を正確に反映していないと考えることができます。

中央値のほうがより実態に近い

中央値とは、データを順番に並べたときに真ん中にくる数字のことをいいます。この中央値は高い数字の影響を受けにくいため、より実態に近い数字になることが特徴です。

例として、上記と同じ6人の世帯年収の中央値を計算してみましょう。年収300万円、350万円、400万円、500万円、600万円、1,200万円の6人の年収を順番に並べると、400万円と500万円が真ん中の数字になります。この二つの数字を足して2で割ると450万円になるため、世帯年収の中央値は450万円ということになります。

この中央値である年収450万円以下の人は3人、450万円以上の人も3人となり、バランスが取れた状態となります。このように、中央値は平均値に比べて実態をより反映しているということができます。

30代の年収を中央値と平均値で比較してみよう

30代の年収をより詳しく知るためには、中央値と平均値を比較してみることも大切です。ここでは厚生労働省が公表している「令和元年賃金構造基本統計調査」をもとに、30代の男女別の年収を中央値と平均値に分けて解説していきます。

30代の平均値は約247~328万円

30代の平均年収は男女で異なり、30~34歳の男性の平均値は290万8,000円、女性の平均値は247万4,000円となっています。35~39歳の男性の平均値は328万4,000円、女性の平均値は256万2,000円となっており、30代前半から後半にかけての年収の伸び率は男性のほうが大きいことが特徴です。このように、30代の男性の平均年収は女性よりもかなり高いといえます。

厚生労働省のデータをみると、50代後半までは、年齢が上がるにつれて男女の年収差が大きく開いていくことがわかります。

出典:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」

男性の平均年収は全体で338万円です。19歳以下が最も低く、50~54歳でピークとなり、55歳以降は年収が下降していくという特徴があります。

女性の場合の平均年収は251万円です。男性と同様に50~54歳が平均年収のピークではありますが、男性ほど賃金は大きく伸びず、ほぼ横ばいに推移しています。

このように、30代の年収は20代よりも増えていますが、男女によってかなりの差があります。

中央値は約236~305万円と平均値より低め

それでは、次に年収の中央値をみてみましょう。30代の年収の中央値は平均値よりやや低めで、30~34歳の男性の中央値は275万2,000円、女性の中央値は236万1,000円となっています。また、35~39歳の男性の中央値は305万9,000円、女性の中央値は241万円となっており、30代前半に比べて後半の方が、年収が増えていることがわかります。

出典:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」

このように平均値と中央値で差がありますが、中央値の方が、30代の年収の実態をより反映しているということができます。

年収のピークは、男性は平均値、中央値ともに50~54歳となっています。ただし、ピークの年収の金額は、平均値は400万円台前半ですが、中央値は300万台後半にとどまっています。

女性の場合は、平均値における年収のピークは50~54歳ですが、中央値では40~49歳となっています。また、年収の金額は、平均値に比べて中央値のほうが20万円ほど低くなっています。

このように、年収の平均値と中央値では違いがあります。自分の年収が多いかどうかを比較するときには、高めの数字が出る平均値ではなく、より実態を表すとされている中央値を参考にするとよいでしょう。

30代くらいから男女の差が顕著に

20代の年収は男女ともに低めですが、30代に入ると男性の年収は平均値、中央値ともに増えてきます。逆に、女性は30代にはいっても年収があまり伸びません。その原因としては、出産休暇や育児休暇で一定期間収入が減ったり、離職する人が増えたりすることが挙げられます。また、女性の昇格スピードが男性よりも遅く、昇給が遅いことも一因と考えられます。

40代、50代になると男女間の年収差はますます広がる傾向にあります。この原因としては、女性の管理職が少ないことが挙げられます。厚生労働省の雇用均等基本調査によると、日本の管理職に占める女性の割合が11.8%と、非常に低くなっています。

男性であれば40代、50代はキャリアアップをして給与も増えていく年代です。しかし、女性は管理職が少なく給与の伸び幅も少ないことから、40代、50代の年収が伸び悩むと考えられています。

出典:平成30年度雇用均等基本調査(確報)|厚生労働省

子育て世帯は世帯年収が高めでも出費が多い

世帯年収が平均値や中央値よりも高い場合であっても、子育て世代は生活が苦しいと考える人が多くなっています。その理由にはどういったものがあるのでしょうか。

子育て世帯の半数以上が「生活が苦しい」と回答

厚生労働省の国民生活基礎調査(平成29年)によると、児童がいる「子育て世代」の世帯年収の平均は、全体の世帯年収の平均よりも多く約739万円となっています。また、2007年と2017年を比較すると、世帯年収が1,000万円以上の世帯が大きく増加しています。これは、共働き世帯の増加が要因です。しかし、子育て世代の年収がこのように高いにも関わらず、児童がいる世帯の58.7%が「生活が苦しい」と回答しています。

その理由としては、子育てにかかる出費の多さです。内閣府が公開している子育て費用の調査によると、未就園児の子育てに約84万円、保育所や幼稚園児では約122万円、小学生で約115万円、中学生で約156万円の子育て費用がかかるとされています。また、大学受験をする場合は塾や予備校の費用がかかり、年間30万円から100万円程度が必要となります。

このように、子育て世帯の出費は大きく、未就園児から大学卒業まで長期にわたることから、生活が苦しいと感じる人が多くなっています。それでは、生活を少しでも楽にするには、どうすればよいのでしょうか。

出典:インターネットによる子育て費用に関する調査|内閣府

30代が世帯年収を上げるには?

30代は20代に比べて世帯年収が増える時期ですが、子育てをする世帯も多いため、収入が十分でないと考える人も多くなっています。

世帯年収を上げて生活に余裕を持たせるためには、まず世帯主の収入アップが考えられます。たとえば資格を取得したり、仕事で成果を出すなど、社内で昇格や昇給を目指す方法があります。また、給与の条件がよい会社に転職するという選択肢もあります。ただ、思い通りにいかないことも多いので注意が必要です。

世帯年収を上げるためのもう一つの方法として、共働きが挙げられます。日本では2000年以降、専業主婦世帯よりも共働き世帯のほうが多くなっており、多くの世帯で妻が働いて家計を支えています。

まとめ

30代の世帯年収の平均値は約614万8,000円となっていますが、より実態に近いといわれる中央値についても考える必要があります。30代の世帯年収の中央値についての公的な統計はありませんが、30代の男女別の年収の中央値を参考にすることができます。

30代前半の年収の中央値は男性が約275万、女性は約236万円、30代後半では男性が約306万、女性は約241万円となっており、これらの中央値は平均値よりも低くなっていることから、「世帯年収の中央値」も平均値よりも低いと考えられます。

30代は子育て世代で出費が多い時期であり、生活が苦しいと感じる世帯も多くなっています。生活にゆとりを持たせるためには家計管理や節約だけでなく、共働きをするなどの世帯収入を上げる方法も検討するようにしましょう。

(最終更新日:2021.01.20)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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