「家のメンテナンス実態」築11年過ぎると年間費用が4倍近くなっている理由

念願のマイホームを手に入れたら、できるだけ長く快適に住み続けたいところですよね。しかし、家は定期的にメンテナンスをしないと徐々に劣化していきます。築年数にともなう家の状態に合わせて、どのようなタイミングでどういったメンテナンスをすればよいのでしょうか。

実施率が高いメンテナンスは「庭の手入れ」「外壁塗装と補修」

シェアリングテクノロジー株式会社が「おうちのメンテナンスの実態調査」に関するアンケート調査を実施。まずは過去5年の間に実施した家のメンテナンスの種類について調べました。最も票を集めたのは「庭の手入れ」。日常的なメンテナンスとして、庭木の剪定や草むしりをしている家庭が多いことが伺えます。次いで、メンテナンスとして比較的高額になる「外壁塗装および補修」が挙がりました。

一方「防蟻処理(シロアリ予防)」に関しては、あまり票が集まりませんでした。シロアリの薬剤の効果が持続する期間が一般的に5年と言われているため「5年に一度」防蟻処理が必要です。つまり「築5年未満」のユーザーを除いた81.2%の回答者にとって、防蟻処理は必要なメンテナンスです。しかし、実際に実施している回答者はわずか16.5%にとどまり、かなり少ない結果となりました。

グラフ:過去5年の間に実施したおうちのメンテナンスの種類

出典:シェアリングテクノロジー株式会社「おうちのメンテナンスの実態調査」(n=208名、複数回答。2020年10月24~26日に実施したインターネット調査による)

家のメンテナンスにかける平均年間費用は、24万7,673円

続いて、家のメンテナンスにかかっている「過去5年の平均年間費用」について調べました。全体平均は「24万7,673円」でしたが、築年数によってかかるメンテナンスの年間費用も異なります。そのため、築年数ごとに区切って年間平均費用を集計しました。概ね、築年数が経過するにつれ、年間のメンテナンス費用が上がっていくことがわかります。

ただし、「築10年未満」の住宅に関してはメンテナンスの年間費用が極端に少なく、「築11~20年」の住宅はメンテナンス費用が大幅に上がっています。これは、ハウスメーカーの長期保証制度が「築10年」を区切りに有償化することが関係していると考えられます。主要な大手ハウスメーカーでは「最長60年」などの長期保証制度が用意されていますが、そうした多くのハウスメーカーは築10年が経過したタイミングで、長期保証制度を継続するために有償の保証延長工事をおこなうことになります。この工事が外壁塗装など数十~百万円程度の工事費用になることが多いことから、「築11~20年」の層は年間費用が上がる一因となったものと考えられます。

また、外壁塗装のメンテナンスは10年で保証延長工事の項目となることから、前述の「外壁塗装および補修」のメンテナンスを「築11~20年」に実施した人が多いことも予測できます。

グラフ:おうちのメンテナンスにかかっている「過去5年の平均年間費用」

出典:シェアリングテクノロジー株式会社「おうちのメンテナンスの実態調査」n=208名。2020年10月24~26日に実施したインターネット調査による)

メンテナンスの施工は「個別の専門業者」が最多。内容次第でDIYも有効

続いて、こうしたおうちのメンテナンスをどこに依頼しているのか質問したところ「個別に専門業者に依頼している」が43.8%で最多となりました。主要なハウスメーカーで家を建てた家庭は、長期保証制度を継続して家のメンテナンスをおこなうケースが主流です。

しかし、今回の調査によると、ハウスメーカーの長期保証を継続せず、個別の専門業者に依頼している実態が明らかになりました。ハウスメーカーの長期保証制度は専門業者に直接依頼するよりも割高になることが多く、工事のボリュームが増える傾向にあることが影響しているのかもしれません。

また、DIYでメンテナンスをしている人も意外と多く、22.6%を占めました。外壁塗装や水回りのリフォームなどは専門家の手を借りないと難しいですが、庭の手入れや網戸・障子の張り替えなどはDIYでも十分可能です。そうした軽めのメンテナンスは自分でやってしまうという人も一定数確認できました。

グラフ:おうちのメンテナンスを施工しているのはだれか?

出典:シェアリングテクノロジー株式会社「おうちのメンテナンスの実態調査」(n=208名。2020年10月24~26日に実施したインターネット調査による)

家のメンテナンスを十分に行っている人は、わずか22.1%

最後に家のメンテナンスをどの程度実施しているか、改めて問うと「やらなければならないし、出費は惜しまず必ず行うようにしている」と回答した人はわずか22.1%という結果に。8割弱の人が、家のメンテナンスを十分に実施できていないことが分かりました。

「やらなければいけないが、そのときの状況によってメンテナンスを怠ってしまうことがある」人が最も多く47.1%を占め、家のメンテナンスは家計の都合やタイミング次第と考えている様子がうかがえます。

グラフ:おうちのメンテナンスへの実施状況

出典:シェアリングテクノロジー株式会社「おうちのメンテナンスの実態調査」(n=208名。2020年10月24~26日に実施したインターネット調査による)

まとめ

家のメンテナンスを最適なタイミングで完璧に実施することは簡単ではありません。特に、屋根や床下など見えないところのメンテナンスはつい後回しにしてしまいがちです。しかし、普段は意識しない箇所ほど適切なメンテナンスを継続することで、大切なマイホームを守り、長く快適に過ごすことができます。この機会に、家のメンテナンスについて考えてみてはいかがでしょうか。

【調査概要】
「おうちのメンテナンスの実態調査」
調査対象:一般生活者208名
調査方法:インターネット調査
実施期間: 2020年10月24~26日
実施機関:シェアリングテクノロジー株式会社

ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:シェアリングテクノロジー株式会社

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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