現代の住宅のLDKにも、畳のある和室を取り入れているケースはよく見られます。子どもが小さいうちなどは重宝することも多い和室ですが、ライフスタイルの変化にしたがって持て余してしまうことも…。

実際、和室を利用していて不便や手間を感じ、洋室へのリフォームを検討する人も増えています。和室をリフォームするには、どのような工事が必要なのでしょうか。この記事では、和室を洋室にリフォームする方法とともに、費用や工期の目安を紹介します。

和室の管理の難しさ

畳には天然の素材が使用されているため、傷や汚れがつきやすいという問題があります。たしかに、畳の表面のイグサには調湿効果があり、部屋の湿度を適度に保つ効果を期待できるのは大きなメリットです。しかし、長期間水分を溜め込んでいると、いつの間にかカビが発生するケースもあるので注意しなければなりません。ある程度の温かさが保たれている場合、ダニの温床にもなりやすいといわれています。畳の隙間に食べかすやホコリがたまっていればダニの繁殖を促してしまうので、こまめな掃除が必要です。

また、畳の表面は柔らかいため、重い物を長期間置いていると跡が残ります。たとえば、テーブルやタンスを移動させると、くっきりとした痕がついている場合もめずらしくありません。畳に痕を残さないためには、重みを分散させたり、痕を残さないための専用のグッズを使用したりする必要があります。畳に残った痕を消すにはアイロンやドライヤーの熱を当てて目立たなくさせる方法がありますが、かえって畳を傷める恐れもあります。

畳をきれいな状態で保つには、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。とはいえ、日常生活で畳を使用していれば、きちんと掃除をしていても日焼けや擦り切れなどはどうしても生じてしまいます。

畳を長く使用するためには、4~5年ごとの「裏返し」が必要です。裏返しとは、畳の表面をはがし、表面と裏面を逆にして貼り直す作業のことです。また、使用し始めてから7~8年が経過した畳は「表替え」も必要です。このように、畳を使用していると数年おきに裏返しや表替えが必要となるため、メンテナンスに手間がかかって面倒だと感じる人が多いようです。

さらに、和室には畳だけでなくふすまや障子もあります。ふすまや障子は紙でできているので、触ったりぶつかったりするとすぐに破けてしまいます。小さな子どもやペットがいる家庭では、ふすまや障子をきれいな状態で保つのが困難です。破けるたびに貼り直すのは手間がかかるため、和室を洋室へリフォームしたいと考える人も多くなっています。

どこまでリフォームするか

和室から洋室へリフォームするといっても、ピンからキリまでさまざまな方法があります。どこまでリフォームしたいのかによって、必要な作業も大きく異なってくるでしょう。希望するリフォームの内容によって予算や工期にも違いが出るので、あらかじめリフォームのイメージを具体化しておくことが大切です。

場合によってはDIYで済ませられる可能性もありますが、本格的に大掛かりなリフォームを希望するなら専門の業者へ依頼する必要があります。和室に対して抱いている悩みとしっかり向き合い、どのようなリフォームが必要なのかよく考えてみましょう。以下では、和室のリフォームについて具体的な流れを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

第1ステップ:畳をフローリングに

和室を洋室にするには、畳をフローリングにするところから始まります。具体的な方法は以下のとおりです。

畳をはがして木製の床材を敷きつめる

畳をフローリングに替えるための費用は、6~8畳で9~35万円程度

畳の厚みは4~5センチメートル程度あるのに対し、フローリングの厚みは1.2センチメートル程度です。畳をはがしたところにそのままフローリングを張ると隣の部屋や廊下などとの間に段差ができるため、下地材を設置します。

ほかの部屋と高さを合わせれば、リフォームによる違和感も抑えられます。なお、畳の下に断熱材が入っていない場合、フローリングを張る前に断熱材を追加する必要があります。

畳をフローリングに替えるための費用は、6~8畳で9~35万円程度となります。工期は1~2日程度が目安です。ただし、マンションの和室をリフォームする際は、管理規約に則って防音性能の高いフローリング材を使用しなければならないケースもあります。その場合、通常のリフォームよりも費用は高くなります。

畳の上にフローリング風の素材を敷き詰める

より簡単に済ませたい場合は、畳を設置したままの状態で上からウッドカーペットやクッションフロアなどを敷く方法もあります。簡単なうえに費用も安く済ませられるので、気軽に雰囲気を変えてみたい場合におすすめです。

費用は6~8畳で1万2,000円~3万円程度、DIYで行ったとしても半日程度でできるでしょう。ただし、ウッドカーペットやクッションフロアを敷くと、畳に湿気がたまったりほかの部屋との間に段差ができたりする可能性があります。

第2ステップ:ふすま、障子を洋風建具に

床をフローリングにしても、ふすまや障子をそのままにしているとミスマッチな印象になります。ここでは、ふすまや障子を洋風建具にリフォームする方法を紹介します。

引き戸にリフォーム

洋風の引き戸、開き戸にリフォームする場合の費用は3~22万円程度

洋風のドアをつける場合、もともとあるふすまや障子の枠を生かして設置できます。ドアと敷居を交換するだけなので、それほどコストをかけず短時間で作業が完了します。ふすまや障子と同じ要領でドアの開け閉めができるため、家具の配置を変更する必要もありません。

開き戸にリフォーム

ふすまや障子を撤去したうえで開き戸を設置することも可能です。ただし、開き戸にするには、ドアを開けられる余裕がなければなりません。事前に室内のレイアウトを確認し、動線や生活に支障をきたさないか確認しておきましょう。

なお、開き戸を作るには、単に建具を交換するだけでなく壁も新しく作る必要があります。部屋同士の間にわずかな段差も生じないよう、高さをそろえる工事も必要です。そのため、引き戸にリフォームする場合よりも費用は高くなります。

洋風の引き戸、開き戸にリフォームする場合の費用は3~22万円程度かかります。選ぶ建具のグレードによってかかる総額は変化します。

洋風壁紙を張る

ふすまや障子をそのまま残し、洋風壁紙を張って活用する方法もあります。建具を交換する必要がないため、ほかの方法に比べて最も安く済ませられます。好みの壁紙を購入すれば、DIYによるリフォームも可能です。さまざまな壁紙があるので、好みや新しい部屋のイメージにあわせて選びましょう。費用は6,000円~3万円程度、作業にかかる時間は半日程度です。

第3ステップ:押し入れをクローゼットに

通常のリフォームをするには、床材の補強や張替えも必要。かかる費用は6~25万円程度

和室についている押し入れは、布団をしまうのに便利な構造になっています。しかし、衣類などを収納するには、あまり使い勝手がよくありません。そのため、畳や建具とともに、押し入れをリフォームするケースが多いです。ここでは、押し入れをクローゼットにリフォームする方法を紹介します。

簡単なリフォーム

押し入れをリフォームする場合、最も簡単なのは布団を置くための中棚を撤去したうえで、上部にハンガーパイプを取り付ける方法です。コートやワンピースなど丈が長い衣類もつるして収納できるようになります。押し入れは一般的なクローゼットよりも奥行きがあるため、高さを変えてハンガーパイプを2本設置するというのもひとつの方法です。

ふすまは残すので、使わないときはクローゼットの中を隠せます。このような簡易的なリフォームであれば、かかる費用は2~10万円程度です。工期は半日~1日程度であり、その日のうちにクローゼットとして活用できるようになります。

通常のリフォーム

簡易的なリフォームではふすまを残しますが、ふすまを洋風の建具に交換すればよりフローリングにマッチするクローゼットになります。押し入れからクローゼットへリフォームする場合、中棚を撤去してハンガーパイプを取り付けるだけでなく、建具まで変更するケースが多いです。

建具は引き戸でも問題ありませんが、できれば手前に引いて開けられる折れ戸を選ぶとより使い勝手のいいクローゼットになります。天袋に別の扉をつけるなら、真上に向かって開くタイプを選ぶと低い位置からでも物を取り出しやすくなります。通常のリフォームをするには、床材の補強や張替えも必要です。実際にかかる費用は6~25万円程度、工期は3~4日程度となります。

拡張してウォークインクローゼットへリフォーム

広い収納スペースがほしいと考えているなら、押し入れを拡張してウォークインクローゼットへリフォームすることも可能です。押し入れ部分だけでなく、部屋の一部もクローゼットとして使用します。

床材の補強や張替えだけでなく壁に断熱材を入れる必要があるため、大掛かりな工事となります。断熱材を入れないと、クローゼットの内部に結露が生じる恐れもあるので要注意です。押し入れをウォークインクローゼットにするためにかかる費用としては20~50万円程度が必要であり、3~7日程度の工期がかかります。

第4ステップ:壁・天井のリフォーム

和室から洋室へリフォームする際に意外と見落とされがちなのが、壁や天井です。床をフローリングにすると、和風の壁や天井があわない可能性があります。特に和室に多い砂壁は、洋室にはマッチしません。ここでは、和室の壁や天井のリフォームについて説明します。

壁や天井のクロスの張り替えにかかる費用は、6~8畳なら10~20万円程度

クロスの張り替え

壁や天井にクロスが張ってある場合、洋風のものに張り替えるだけでフローリングとの相性がよくなります。業者に依頼すれば、クロスの継ぎ目となる床と壁の間に巾木や廻り縁も設置してもらえます。特に巾木があると、掃除機を壁にぶつけてしまっても傷がつきにくくなるので安心です。

壁や天井のクロスの張り替えにかかる費用は、6~8畳なら10~20万円程度となります。クロスの張り替えのみなら、工期は1日で済むでしょう。なお、フローリングと一緒にクロスの張替えを依頼する場合、両方をあわせて6~8畳で16~35万円程度がかかります。

砂壁のリフォーム

砂壁とは、聚楽土や川砂などを混ぜた材料で塗った塗り壁です。和室の壁として一般的であり、防火性や消臭効果に優れています。ただし、砂壁は和室ならではのものなので、洋風なフローリングの床にはあまり馴染みません。また、劣化すると砂が落ちたりはがれたりするので、和室のリフォームをするなら砂壁も変更する必要があります。

砂壁のリフォーム方法はさまざまあります。砂壁は塗り壁なので、ペンキ、漆喰、珪藻土などによる塗り替えも可能です。ペンキなら少ない費用で簡単に砂壁を塗り替えられます。漆喰や珪藻土を選べば、砂壁のような防火性を維持したまま洋風な雰囲気に変えられます。また、砂壁の上からクロスを張るのもひとつの手です。部屋のイメージにあわせてクロスを選べば、簡単に洋風な雰囲気になります。汚れを防ぐ壁紙や消臭効果がある壁紙もあるので、希望や部屋の用途に応じて選びましょう。選ぶリフォーム方法にもよりますが、かかる費用は6~8畳で4~13万円程度、工期は1~4日程度です。

真壁を大壁にリフォーム

大壁にリフォームする費用の目安は、15~25万円程度

和室の壁は、壁から柱が露出している「真壁」が多いです。一方、洋室は壁で柱を隠す「大壁」となっています。新壁から大壁にするには、耐火ボードを追加して壁の厚みを調整する必要があります。リフォームにかかる費用の目安は、15~25万円程度です。なお、マンションの和室は大壁になっている場合が多いため、このリフォームが必要なのは主に戸建て住宅です。

まとめ

和室から洋室へリフォームする場合、さまざまな方法から自分たちの求めるものを選ぶ必要があります。どのようなリフォームを希望するかによっても、かかる費用や工期は大きく変化するでしょう。たとえば、和室から洋室にする際に床だけでなく、建具、押し入れ、壁、天井などのすべてをフルリフォームする場合、概算で25~100万円前後です。原則として、予算は50万円以上を見込んでおくとよいでしょう。予算と本当に必要としている工事内容を考え、納得のいくリフォームを行えるようにしましょう。

画像提供:リショップナビ

(最終更新日:2020.11.06)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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