除湿とカビ対策はどうすればよい? 部屋の場所別に徹底解説

秋の長雨は梅雨と同じくらい除湿とカビ対策が必要です。何もせずに放っておくと、気がついたときにはあちこちカビが発生していたということになりかねません。
新型コロナウイルス(以下「新型コロナ」と略)の影響で、自宅で過ごす時間も多い2020年の秋は、お部屋で快適に過ごしたいもの。ここでは基本的なカビ対策と、おしゃれで手軽に作れる除湿グッズのアイデアを紹介します。

要注意! 秋にカビが発生しやすい!?

秋は台風 による大雨や長雨の影響もありカビ対策が大切になります。特に、気密性の高い住宅ではカビが発生しやすい室温、湿度になり、建築材料やホコリを栄養源にカビが発生します。在宅勤務導入や新型コロナの影響で、外出自粛など、おうち時間が長い昨今、快適な生活を送るためにもカビ対策をしっかりと行いましょう。

秋の長雨の季節は梅雨より雨量が多い!

気象庁の平年値(1981~2010年)のデータを見ると、東京では梅雨の時期に当たる6、7月よりも秋の長雨の季節である9、10月のほうが降水量が多く、相対湿度も70%前後と高い状態です。

参考:東京 平年値(年・月ごとの値)主な要素(気象庁)

梅雨の時期は徹底したカビ対策を行っていても、秋の長雨の時期は、ムシ暑さをさほど感じないせいか、対策を意識する人は少ないのではないでしょうか。梅雨と同様、秋の長雨にもカビ対策が必要です。

カビ発生! 原因は?

室内の空気1立方メートルの中には、常に数個から数千個ものカビの胞子が存在しているといわれています。

住まいの環境で空気中に浮遊するカビの胞子がカビを発生させやすい理由は以下が挙げられます。

【住宅内にカビが1年中発生可能な理由】
・5~35度程度の温度、空気、栄養、水分がそろうことで繁殖する
・カビは室内の建築材料を栄養源として生育が可能
・建材の表面に汚れやホコリがあればさらに成長が促進される
・一般住宅の室温や湿度が1年を通してカビが発生する条件を満たしている

参考:「微生物の基礎知識」カビQ&A(株式会社 衛生微生物研究センター)

以上の空気、温度、湿度、栄養がそろった場所はカビにとって絶好の環境にあります。室内で手が届かず水やホコリが溜まりやすい場所、押し入れに長くしまったままのものなどは、カビが発生しやすく繁殖しやすい条件を満たしているといえるでしょう。

徹底! カビ対策

カビの栄養源となるホコリや食品クズなどを掃除・除去する

どんなに室内を清潔にしていても、常にカビの胞子が浮遊していると思うとぞっとしますね。カビは人体の健康に害をおよぼすだけでなく、家や物を傷める原因にもなります。

正しいカビ対策を行い、できるだけカビの胞子を増やさないこと、カビを発生させないことが重要です。ここでは、カビが発生しやすい場所別に効果的なカビ対策の方法について紹介します。

カビ対策! 基本セオリー

気密性の高い住宅は、1年を通してカビが発生しやすい環境にあります。カビの発生を防ぐためのコツをご説明しましょう。

【カビの発生を防ぐコツ】
1. 室内の湿度を下げる
2. 建材や家具、布製品などが水分を吸収することや結露を防ぐ
3. カビの栄養源となるホコリや食品クズなどを掃除・除去する
4. カーテンや家具などを定期的に洗濯や拭き掃除する

水回りカビ対策!

浴室や洗面所は、カビが発生しやすい場所です。

皮脂汚れや石鹸カスが溜まりやすく、湿気を含んだ温かい空気がこもります。洗面所で髪の毛を乾かすときも湿度は上がります。浴室も洗面所も換気をしっかりと行い、温度と湿度を素早く下げましょう。目についた汚れはすぐに掃除してカビの栄養源を取り除きましょう。

キッチンもカビが好む条件を満たすことがあるため、気をつけなければなりません。調理することで湿度が上がり、室温も高くなるため必ず換気扇を使いましょう。また、食品カスやホコリに気をつけ、常に清潔にすることを心がけましょう。

【水回りのカビ対策ポイント】
1. 浴室や洗面所の皮脂汚れや石鹸カスの清掃・除去
2. キッチンの食品カスやホコリの清掃・除去
3. 換気で温度と湿度を下げる

寝具のカビ対策!

秋の長雨の時期は布団を天日干しできず、寝ている間の汗や湿気を吸って布団がじっとりと重くなりがちです。ベッドマットの裏や壁と接している面にカビが生えるケースもあります。

起きた直後は布団やマットが体温で温まって湿気もこもっているため、しばらく広げておき少しでも乾かしましょう。寝具は湿気が溜まれば寝心地も悪いものです。日中、天日干しできない時期は必要に応じて布団乾燥機を使ったり、押し入れを開けて扇風機の風を当てたりして湿気をなくすことがカビ対策につながります。

【寝具のカビ対策ポイント】
1. 起床したら掛け布団を広げて寝具を乾かす
2. 布団乾燥機を使う
3. 押し入れの換気をする

クロゼットや押入れのカビ対策!

クロゼットや押し入れは閉め切っている時間が長いため、通気性が悪く湿度や温度が上がりやすい場所です。掃除が行き届かないことが多く、目に見えないところにホコリが溜まっているかもしれません。カビにとっては好都合のため、定期的に掃除をして風通しをよくすることが大切です。物をぎゅうぎゅうに詰め込みすぎず、壁や床との間に空間をつくるなどして湿気がこもらないようにしましょう。

【クロゼットや押し入れのカビ対策ポイント】
1. 溜まったホコリを定期的に清掃・除去して換気
2. 詰め込みすぎに注意
3. 壁や床との間に空間をつくる

家具の裏側もカビ対策を!

タンスや本棚、冷蔵庫や食器棚の裏側は、なかなか目にすることはないでしょう。重くて動かせず手も届かなければ掃除もできません。家具や家電の裏はホコリが溜まりやすく風通しも悪い場所です。気がついたら壁や家具の裏にカビが生えてしまうことがあります。

家具を設置するときはできるだけ壁から離して空気の通り道を確保しましょう。また、窓を開けて換気をするなどして空気を動かし、湿気がこもらないようにすることがカビ対策になります。

【家具の裏側をカビ対策するポイント】
1. 設置時に壁から離して通気できるようにする
2. 換気をこまめにする

手軽におしゃれにエコ除湿!

市販の除湿剤は使い切りタイプのものがほとんどで、たっぷり水分を吸い込んだらあとは捨てるだけです。特に湿度の高い時期はあっという間に買い替えなければならずコストがかさむでしょう。

そんな悩みを解消してくれるのが、私たちの身の回りにある天然素材を使って除湿する方法です。少しのアレンジで手軽にエコ除湿が可能で、おしゃれなインテリア雑貨として置いておくだけで除湿や脱臭効果が期待できます。季節やイベントに合わせた飾り付けで、おしゃれにカビ対策をしてみませんか。

炭を和風の器に入れておくだけで、脱臭と除湿効果のあるディスプレイコーナーのできあがり

炭でおしゃれに除湿!

炭の表面や内部の細孔は、不純物や臭い、湿気などを吸着する性質をもっています。特に「竹炭」は細孔が他の炭よりも多く、脱臭効果や除湿効果に優れているため、除湿グッズとして適した天然素材。

除湿機のようにパワフルな除湿はできませんが、臭いや湿度が気になる靴箱やトイレなどの狭い空間にぴったりです。

炭を和風の器に入れておくだけで、脱臭と除湿効果のあるディスプレイコーナーのできあがり。炭は天然素材で半永久的に使えるため、市販の除湿剤と比べてもコスパ抜群でおしゃれな空間を演出できますよ。

重曹でインテリア除湿!

家中の掃除に使えるエコな洗剤として人気の重曹も、除湿と脱臭効果があることを知っていますか。

広口の瓶や小さめの容器に重曹を入れて、フタ部分を通気性のよいガーゼやペーパーナプキンなどで覆い、こぼれないように紐やリボンでくくれば手軽にお手製の消臭除湿剤が作れます。透明の瓶なら、重曹の上に多肉植物のフェイクグリーンや、ビー玉などをのせてもおしゃれですね。

秋にはハロウィーンのジャック・オー・ランタンのカボチャ容器がたくさん100円ショップに並んでいます。その中に重曹を入れておけば、季節感のあるインテリア雑貨として楽しめるでしょう(小さなお子様がいるご家庭では誤って食べないよう、手の届かない場所に設置することをお勧めします)。

重曹が十分に吸湿したあとは、掃除に活用してくださいね。

珪藻土で奥まった場所も除湿!

珪藻土(けいそうど)はみるみる水分を吸い込んでいきます。天然の植物である珪藻の化石でできた珪藻土の歴史は古く、熊本城籠城の折には壁に珪藻土を詰め、非常時の食用としたようです。

100円ショップにも珪藻土を使った商品がたくさんあります。グラスの下に敷くコースター、靴の中に敷くインソール、歯ブラシスタンドやスポンジトレイなど、除湿や水切りに特化した商品がさまざまです。

水回りや湿度の高い場所、クロゼットや靴箱など狭い場所や手の届かない奥まった場所でも手軽に除湿ができ便利です。

まとめ

秋の長雨シーズンのカビ対策をご説明しました。

お部屋のカビが発生しづらくなるように、湿度を管理しましょう。カビが発生しやすい水回り、寝具、収納、家具の裏側などは、カビの栄養となる汚れを除去し、風通しをよくすることがポイントです。

お部屋の換気は新型コロナの感染防止にもなります。ご自宅で過ごす時間が多くなった2020年の秋は、カビ対策の徹底とご紹介したエコ除湿を試してみてください。

(最終更新日:2020.11.19)
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