ご先祖さまや大切だった人を供養し、手を合わせる「お墓参り」。できるだけ足を運びたいと思っていても、「遠方でなかなかお墓参りができない」「家族が少ないため管理が難しい」といった人が多いのではないでしょうか。また、最近は新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、外出を控えた人もいることでしょう。そうしたなかで、すでにお墓や納骨堂に納めた遺骨を他のお墓や納骨堂へ移す「改葬」に注目が集まっています。

お墓の引っ越し理由は「墓参りの身体的負担」「次世代への継承問題」

厚生労働省「衛生行政報告例」によると、2000年には6万6,643万件だった改葬件数が、2009年は7万2,050件、2018年は11万5,384件と、10年間で約1.6倍まで増加しています。

出典:株式会社メモリアルアートの大野屋「お墓の引っ越し『改葬』アンケート調査」

そこで、仏事関連総合サービスの株式会社メモリアルアートの大野屋が、「改葬」を同社で行った人を対象としたアンケート調査を実施。お墓の引っ越しを考えた理由について質問したところ、「墓参りの身体的負担が大きい」が301件、「将来、子や孫にお墓の維持管理の負担をかけたくない」が267件、「お墓を守ってくれる人がいなくなった」が117件という結果になりました。高齢化にともない墓参りに行きたくても難しい人や、お墓の継承について見通しが立たない・子どもたちの負担となるのが心配だと考える人が多い様子が伺えます。

出典:株式会社メモリアルアートの大野屋「お墓の引っ越し『改葬』アンケート調査」

実際に移転先を選んだ理由として多かったのが、「霊園の環境」の312件と、「交通の便が良い」の303件。 お墓の引っ越しを行う人は、先祖供養を大切に考え、よりお参りや墓の維持管理をしやすい場所に移転しています。その結果、移転後のお墓参りの回数については、約6割の方が「増加した」と回答しています。

出典:株式会社メモリアルアートの大野屋「お墓の引っ越し『改葬』アンケート調査」

お墓の移転先は宗教不問の「民間霊園」、遺骨のみの移転が人気

移転前のお墓は「寺院墓地」が167件と最多で、移転先は「宗教不問の民間霊園」が311件で最も多い結果となりました。移転元の墓所は、古い時代に建立されたものが多く、その時代には寺院墓地や共同墓地と言われる地域に根付いた墓地形態が多かったことが要因です。移転先として最も多い「宗教不問の民間霊園」は宗教不問で、広さや墓石の形の自由度も高く、施設・設備環境が整備されているところが多いため、改葬に限らず新規に墓地を取得するケースでも最も人気の墓地形態です。

出典:株式会社メモリアルアートの大野屋「お墓の引っ越し『改葬』アンケート調査」

また、「何を移転させたか」を質問したところ、「遺骨のみ」が62%、次いで「遺骨と墓石」が31%という結果になりました。特に両親や祖父母が墓石を建立した経緯を知る方は、墓石に対する思い入れが深く、引っ越しの際、遺骨と一緒に墓石も移転したいと希望することが多い傾向にあります。ただし、古い墓石を持ち込むことができる霊園は限られ、墓石の移転費用も高額になることが多いため、最終的には条件や費用を考慮する必要があります。

出典:株式会社メモリアルアートの大野屋「お墓の引っ越し『改葬』アンケート調査」

お墓の移転で苦労したことは「行政手続き」「移転先の墓地選び」

移転を終えて実際に苦労したことを問うと、「行政手続き」が176件、「移転先の墓地選び」が171件と多く、以下「お寺との調整」が100件と続きます。郷里など、移転元墓地のある役所で手続きを行う必要があるため、苦労する方は多いようです。

また、移転にあたって心配なことについては「費用」「行政手続き」「業者選び」「遺骨の移動」「何からはじめるか」など、費用面や手続き関連が上位に挙がりました。

出典:株式会社メモリアルアートの大野屋「お墓の引っ越し『改葬』アンケート調査」

移転費用は減少傾向、平均金額は275.2万円に

お墓の引っ越しにかかる費用については、移転先墓地形態が「一般墓地」の場合、平均281.7万円でした。2014年の同調査では299.5万円で、17.8万円下がっています。主に交通費や手続きにかかる費用といった「その他費用」が下がっており、主に元のお墓の撤去工事代となる「移転元費用」と、主に新しいお墓の取得費用となる「移転先費用」は大きく変化していません。また、2020年に改葬した人の、一般墓地以外も含む全体の平均金額は275.2万円となりました。

出典:株式会社メモリアルアートの大野屋「お墓の引っ越し『改葬』アンケート調査」

この他、2020年の移転先墓地形態別の平均金額は、建物内の納骨スペースに遺骨を保管する「納骨堂」が169.8万円、寺院や霊園が契約者に代わり故人の遺骨を供養、管理するしくみの「永代供養墓」が145.2万円、墓石の代わりに樹木を墓標とし、遺骨を地中に埋葬する「樹木葬」が138.9万円でした。納骨堂、永代供養墓、樹木葬のいずれの取得費用も一般墓と比べて安価なため、改葬費用全体も低い結果となりました。

出典:株式会社メモリアルアートの大野屋「お墓の引っ越し『改葬』アンケート調査」

お墓を移転した人の約6割が「お墓参りの回数が増えた」

移転後のお墓参りの回数について質問したところ、「増えた」と回答した人が59%と約6割の人がお墓参りへより訪れるようになったことが分かりました。

出典:株式会社メモリアルアートの大野屋「お墓の引っ越し『改葬』アンケート調査」

その回数は「年間5回」が48人、「12回」が41人となりました。お墓を移転した理由が「身体的負担」「交通の便」だったことからも分かる通り、お墓の立地環境が改善されると、墓参りの回数も増えるようです。

出典:株式会社メモリアルアートの大野屋「お墓の引っ越し『改葬』アンケート調査」

まとめ

先祖代々受け継いできたお墓を引っ越しするためには、お金も時間も手間もかかります。しかし、お墓が遠ければ自然と足が遠のいてしまいますし、誰かにお墓を継承するにしても、先延ばしにしていると、遺された人に苦労をかけるかもしれません。これを機に、お墓の今後について考えてみてはいかがでしょうか。

【調査概要】
「お墓の引っ越し『改葬』アンケート調査」
調査対象:2014年1月~2019年12月にメモリアルアートの大野屋でお墓の引っ越し(改葬)を行った関東・関西の496名
調査方法:郵送で質問票を送付し回答を回収
実施期間: 2020年4月22日~2020年5月31日
実施機関:株式会社メモリアルアートの大野屋

ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:株式会社メモリアルアートの大野屋

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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