過去最低水準ともいえる住宅ローン金利、控除期間が13年に拡充されている住宅ローン減税、新型コロナウイルス感染拡大による経済の低迷で上がりにくくなった不動産価格など、住宅購入に関する現在の外部環境は追い風が吹いているとも言えそうです。しかし、外部環境がいいというだけで住宅購入を実行に移してもよいのかどうか。今回は、住宅購入のタイミングについてまとめます。

何年も準備してきた人にとっては好機の可能性

住宅購入のための準備をしている人としていない人で大きな違いが

筆者は、独立系FPとしてこれまで20年以上の間、住宅ローン金利の推移を見てきましたが、現在の住宅ローン金利は過去最低水準にあると言っていいと思います。

もちろん、これからさらに金利が下がる可能性もありますが、すでに変動金利型で0.5%を切る水準、固定金利型で1%前後という水準に達しています。さらなる金利の低下余地は少ないでしょう。

そして、年末のローン残高に応じて所得税が戻ってくる住宅ローン減税も、消費税が10%に上がって負担が重くなった分を減税で取り戻せる特例措置が採られています。注文住宅で2020年9月末まで、その他の住宅購入やリフォームは2020年11月末までの契約が対象で、住宅ローン減税の期間が10年から13年になります。

さらに、新型コロナウイルスの感染拡大によって日本経済は大きく落ち込みました。政府や日銀の政策もあって株価は戻ってきましたが、実体経済の落ち込みが今後も続くと、不動産を購入しようとする人は減っていく可能性があります。だとすると、不動産価格は上がりにくくなります。

このように考えてみると、いままさに住宅購入を考えている人にとっては、外部環境はかなりいい状況にあると言えそうです。これまで何年もかけて住宅購入のための準備をしてきた人には、まさに絶好のチャンスかもしれません。

一方、これまで住宅購入のための準備をそれほどしてこなかった人は要注意です。

現在の家計の収支状況や貯蓄状況はきちんと把握できているでしょうか。将来の教育資金や老後資金の準備もしながら、安心して返していける返済可能額がいくらなのかを分かっているでしょうか。住宅購入後の家計がどのような状態になるのかをきちんとシミュレーションしましたか。

筆者は20年以上言い続けているのですが、「住宅購入」を目標にはしてはダメです。

目標にすべきなのは、住宅購入後の「ゆとりのある生活」です。自分と家族にとっての理想的な「ゆとりのある生活」を具体的に想像し、その生活をできるようにするためにはどのような物件を選ぶべきなのか、を考えるわけです。

そして、無理のない資金計画を立てていく。そのような準備ができてこそ、安全な住宅購入ができるのです。

単に外部環境がいい状況だからという理由だけで住宅購入を実行に移そうとするのは非常にキケンです。慎重に検討するようにしましょう。

住宅購入のタイミングをライフプランの節目に決める場合のメリット・デメリット

では、あらためて、住宅購入のタイミングはいつなのか。

ひとことで言うと、「あなた自身でライフプラン上のベストタイミングを見つけてほしい」です。

ライフプラン上の節目ともいえるライフイベントが一生の間にいくつも存在します。個人のライフイベントだけでなく、家族のライフイベントもあるでしょう。将来のライフイベントとしてほぼ確実にやってくる節目に合わせて住宅購入を考えるのもひとつの方法です。

例えば、結婚、出産、子どもの幼稚園や小中学校の入学、就職などのタイミングに合わせて住宅購入をするという考え方です。中でも、子どもに小学校での転校は経験させたくないという気持ちから、第一子の小学校入学のタイミングに合わせる人が比較的多いという話を以前聞いたことがあります。

しかし、いずれのタイミングにもメリット・デメリットがあります。考えられる主なものを挙げてみました。

それぞれのメリット・デメリットを確認すると、結局どのタイミングがベストなのかは一概に言えないことが理解できると思います。

重要なのは、「どういう地域に住んで、どういう暮らしをしたいのか」ということを夫婦または家族できちんと話し合い、老後はどこでどのような暮らしをしたいのかも考慮しながら住宅購入を検討していくことです。

2020年のコロナ禍は、あらためて仕事や住まいについて考える転機となったように思います。長期のローンを組んで住宅購入をする人ほど、長期的な視点で冷静かつ慎重に検討するようにしましょう。

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