コロナは防災意識の何を変えている? 食料品の備えは2倍近くに増加傾向

世界中を一変させた新型コロナウイルスの感染拡大。現在も先行き不透明な状況が続いており、生活者の意識・行動にも大きな影響がおよんでいます。それは「防災」に関しても例外ではありません。感染が拡大した前後で、防災意識や行動はどのように変化したのでしょうか。

災害リスクのみならず、避難所での感染リスクにも注意が必要

日本製紙クレシア株式会社が「防災の日」を迎えるにあたり、「新型コロナウイルス感染拡大以降の防災意識と対策」に関する調査を実施。新型コロナウイルスの感染拡大以降、災害への不安が高まったか聞くと、87%の人が「高まった」と回答。

「災害自体だけでなく、避難所で感染するのではないかという不安があり、二重に怖い」(56歳・女性)といった声が多く挙がりました。

そこで、災害が起きて避難が必要になった場合、移動時や避難先での新型コロナウイルス感染を不安に感じるか問うと、91%もの人が「不安に感じる」と回答。

「避難先は密集が想定されるので感染リスクが高まりそう」(55歳・男性)、「手洗いなどの対策が十分にできるか不明」(43歳・女性)、「避難所では除菌グッズなどの物資も不足しそう」(23歳・男性)などの声が挙がっています。

出典:日本製紙クレシア株式会社「『新型コロナウイルス感染拡大以降の防災意識と対策』に関する調査」

こうした背景から、避難時に持ち運ぶ「防災グッズ」にも変化が生じているようで、新型コロナウイルス感染拡大以降、「防災グッズに除菌・消毒アイテムを新たに追加した」という人が33%という結果に。「ウィズコロナ」状況下の防災対策において、「除菌・消毒アイテム」の重要度が今まで以上に高まってきているといえそうです。

出典:日本製紙クレシア株式会社「『新型コロナウイルス感染拡大以降の防災意識と対策』に関する調査」

コロナ以降、各家庭の「備蓄・ストック量」が増加傾向

新型コロナウイルス感染拡大以降は「防災グッズ」だけでなく、外出機会を減らすためのまとめ買いや、ネットでのまとめ注文が進み、飲料・食料・生活用品などの「備蓄・ストック量」も増加傾向にあると言われています。実際に、今回の調査でも、新型コロナウイルス感染拡大以降、自宅における備蓄・ストック量が「増えた」人が25%にのぼりました。

出典:日本製紙クレシア株式会社「『新型コロナウイルス感染拡大以降の防災意識と対策』に関する調査」

そこで、備蓄・ストック量が増えた人に対し、新型コロナウイルス感染拡大の前後(昨年と今年)で、「家に備蓄・ストックしてあるもののみで生活ができる日数」がどれくらい変わったかを聞くと、以下のような結果に。「飲料・食品」「日用品」ともに、新型コロナウイルス感染拡大前と比較して、備蓄・ストック量が大きく増えていることがわかります。

家に備蓄・ストックしてあるもののみで生活ができる日数
【飲料・食品】コロナ前(昨年):平均「約4.7日」→コロナ後(現在):平均「約8.7日
【日用品】コロナ前(昨年):平均「約15.5日」→コロナ後(現在):平均「約25.5日

また、昨今は、不要なものは持たず、最小限のもので暮らす人をあらわす「ミニマリスト」というワードが浸透していますが、新型コロナウイルス感染拡大以降は、「もともとミニマリスト志向がある(あった)が、コロナをきっかけに以前よりストックや備蓄をするようになった」という人が25%にのぼりました。新型コロナウイルスは、生活者の価値観にも大きな影響を与えていることがわかります。

防災グッズや備蓄・ストックの「置き場所」に困った経験がある人は4割超

一方で、防災グッズや備蓄・ストックが増えた際に気になるのが、これらを収納するスペースです。これまでに、防災グッズや災害用の備蓄・ストックの置き場所に困った経験があるか聞くと、41%の人が「ある」と回答しています。

出典:日本製紙クレシア株式会社「『新型コロナウイルス感染拡大以降の防災意識と対策』に関する調査」

具体的には、「マンションのため、スペース的に狭くて困っている」(56歳・女性)という声が多く、収納先に困って「車に積んでいる」(27歳・男性)、「玄関に置いている」(47歳・女性)などの回答もみられました。また、置き場所が決まらず「普段邪魔にならず、かつ非常時すぐに持ち出せる場所を、今も探している最中」(52歳・女性)という人もいるようです。

日常時も非常時も使える「フェーズフリー」の観点でストックを

こうした中で、いま注目を集めているのが「フェーズフリー」という考え方です。これは、“日常時”と“非常時”という社会のフェーズ(社会の時期・状態)を取り払い、普段利用している商品やサービスを非常時にも適切に使えるようにするという考え方を指します。

非常時にのみ使用するアイテムのために広い収納スペースを確保する必要がなくなるため、防災グッズや備蓄・ストックの「置き場所問題」の解決にもつながると注目を集めており、実際に「フェーズフリー」の考え方を取り入れた商品も増えているようです。

今回の調査でも「フェーズフリー」の考え方を取り入れた商品を購入してみたいと思うか聞いたところ、59%の人が「購入したい」と回答しており「フェーズフリー」の商品は、今後ますます広がりを見せていきそうです。

出典:日本製紙クレシア株式会社「『新型コロナウイルス感染拡大以降の防災意識と対策』に関する調査」

まとめ

今回の調査により、新型コロナウイルス感染拡大以降は、避難所での感染リスクにも注意が必要と考える人が多いこと、避難時に持ち運ぶ防災グッズとして、「除菌・消毒アイテム」を準備する人も増えていることがわかりました。飲料・食料・生活用品などの「備蓄・ストック量」も増加傾向にありますが、「フェーズフリー」の考え方を取り入れ、普段遣いできる防災グッズや備蓄・ストックを常備することで、限られた収納スペースを有効に使いながら非常時に備える人が増えていきそうです。

【調査概要】
「『新型コロナウイルス感染拡大以降の防災意識と対策』に関する調査」
調査対象: 20~50代男女500名(年代・性別均等割付)
調査方法:インターネット調査
実施期間:2020年7月22日~27日
実施機関:日本製紙クレシア株式会社

ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:日本製紙クレシア株式会社

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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