分譲マンションの購入を決断するにあたり「自己資金をどれだけ用意すれば購入できるのか」は大きな問題です。まとまった資金が手元にある人も、「頭金は必要なのか、不要なのか」「頭金を入れるなら何割必要か」「手元にいくらお金を残しておけばいいのか」など、悩みは尽きません。無理のない住宅購入計画を立てるために、頭金や諸費用について考えてみましょう。

住宅購入時に必要な「頭金」とは?

ここだけ押さえる!
・「頭金」は住宅を購入する際、最初に払う一定額のお金
・「頭金」を多く入れると、住宅ローンの毎月の返済額が減らせる
・「頭金ゼロ」でも住宅ローンは借りられる

「頭金」とは、住宅ローンを借りて住宅を購入する際、自己資金で支払う部分の購入代金のこと。最近は頭金を入れなくても借りられる住宅ローン商品も数多くありますが、頭金ゼロの場合はそのぶん借りる額が大きくなり、毎月の返済額も増えるため注意が必要です。頭金を多めに準備すれば毎月の返済負担が軽減するだけでなく、住宅ローン金利が優遇される商品もあります。

「頭金」と混同してしまいがちなのが「手付金」。「手付金」は売買契約時、不動産業者などの売り主に一旦預けるお金のことで、買う側(買い主)にとっては「物件を確保できる」、売る側(売り主)にとっては「購入者を確保できる」メリットがあり、いわば保証金のようなものです。不動産事業者によって異なりますが、手付金は物件価格の10%程度が目安です。

「手付金」は本来、双方が契約を解除しない限り、残代金を支払うタイミングで売り主から返金してもらうもの。実際は無事契約まで進むことが多いので、返金手続きを簡略化するため、預かった手付金をそのまま頭金にスライドし、残代金支払いのときに売買代金の一部に充当するケースが一般的です。

 

 

もし、手付金を支払った後、売り主の都合で契約を解除する場合は、売り主は買い主に対して預かった手付金の倍額を支払います。反対に、「他社でもっと良い物件を見つけたため、契約をキャンセルしたい」など、買い主の都合で契約を解除する場合には、支払った手付金は戻ってきません。
なお、手付金には大抵の場合「ローン特約」があり、住宅ローン審査が通らず契約できなかった場合には全額返金されます。

また、かつては手付金を支払った後、残金決済の前に「中間金」を支払う契約もありましたが、マンションの場合は必要としないケースがほとんどです。

 

頭金はいくらぐらい用意すべき?

ここだけ押さえる!
・「頭金」を多く用意すると、金利が優遇されてお得に
・「頭金」の目安は物件価格の10~20%前後
・「頭金」を多く入れると、月々返済額や総返済額が抑えられる

頭金の額が多ければそのぶんだけ借入額が減り、利息を支払う額を減らすことができ、総返済額を抑えることができます。頭金の有無や金額に応じて金利が優遇される住宅ローン商品もあります。金融機関の審査にも通りやすくなるため、ある程度の頭金を用意しておきたいところ。それでは、どの程度の頭金を用意すればいいのでしょうか?

住宅金融支援機構が発表した「2018年度フラット35利用者調査」(P.28)によると、マンションの所要資金は平均4,437.2万円、うち頭金は714.1万円。所要資金額の平均16.1%を頭金として用意しています。

 

 

上の表は、頭金ゼロで住宅ローンを借りた場合と、物件価格の1割を頭金として入れた場合の比較です。「頭金あり」のほうが月々返済額も、利息も抑えることができることがわかりますね。支払利息の差は、100万円ほどです。小さな額ではありませんが、これから頭金を準備しようと考えている場合、資金が貯まるまでの間に支払う賃貸物件の家賃のほうが大きな出費になるのではないでしょうか。

仮に毎月10万円の家賃を払いながら、5万円の貯金をしていくケースでは、頭金500万円を貯まるまでにかかる期間は8年以上となります。その間に支払う家賃の総額は約1,000万円にものぼるのです。

ここ数年は史上最低水準といわれる低金利状態が続いています。頭金を貯めている数年の間に、金利が2%、3%と上昇してしまう可能性もあるのです。
例えば、頭金500万円を準備し、金利2%で4,500万円を借り入れた場合、月々の返済額は14万9,068円(支払利息1,760万8,390円)、3%の場合は17万3,182円(支払利息2,773万6,503円)。利息を減らすための頭金を準備している数年間の間に、支払利息が1,000万円単位で変わる可能性もあります。そのため「住宅ローン金利が低い今のうちに購入してしまったほうが得」という考え方もできます。

 

手元のお金(生活費)はどれくらい残すべき?

頭金を多く入れれば、そのぶんだけ借入額を減らすことができます。しかし、手元の現金をすべて頭金に充ててしまうと、病気やケガ、突然のリストラといった不測の事態に備えることができません。

例えば、会社員などの場合、自己都合で失業してから最初の失業保険が給付されるまでには3ヶ月以上かかりますし、自営業者など失業保険が出ない人は、次の職が見つかるまでにかかる生活費を丸々負担する必要があります。そのため、一般的には、毎月最低限かかる生活費の半年から1年分程度は現金を残しておきたいところです。

 

諸費用は何にどれくらいかかる?

ここだけ押さえる!
・住宅購入時には「頭金」のほかに「諸費用」がかかる
・「諸費用」の目安は物件価格の3~5%前後
・中古マンション購入者は「仲介手数料」に注意

住宅購入時には物件価格に加え、諸費用の準備が必要です。住宅ローンを組むときに支払う事務手数料・保証料、売買契約や住宅ローン契約を結ぶときの印紙税、購入した土地や建物の登記費用、不動産を取得したときにかかる不動産取得税、引っ越し費用、仲介手数料など、物件価格や借入額などにもよりますが、物件価格の3~5%前後は用意しておきたいものです。以下に、おおよその目安をまとめました。

 

 

「住宅ローン保証料」はメガバンクをはじめとする店舗をもつ金融機関で求められることが多く、ネット銀行や住宅ローンを専門に取り扱う金融機関であるモーゲージバンクでは不要とするケースが主流です。保証料が不要な金融機関のほとんどが、代わりに「事務手数料」を必要としますので、どちらが得かは判断が難しいところです。

 

 

新築マンションを購入した場合、軽減措置による恩恵が大きいため、不動産取得税はかからないケースがほとんどです。中古マンションの場合は築年数により建物の控除額が異なり、古い建物ほど不動産取得税がかかります。

 

中古物件は仲介手数料に注意

中古マンションを購入する場合、マンションの物件価格に加え、不動産会社に対して「仲介手数料」を支払う必要があります。仲介手数料を計算する際によく用いられているのが「売買金額×3%+6万円+消費税」という計算式。この金額が上限となり、不動産会社によっては仲介手数料を抑えたり、無料にしたりするケースもあります。

 

 

そのほかにも、引っ越し費用や家具・家電の購入費用などもかかることをふまえて、手元にある程度現金を残しておきましょう。

 

まとめ

分譲マンションを購入する前には、住宅ローンの頭金や諸費用を準備するほか、手元にある程度の現金を残すことも考える必要があります。今の手持ち金で足りるのか、不安に思ってしまう人もいるでしょう。
でも、心配しすぎる必要はありません。最近では過去最低水準の住宅ローン金利も手伝い、頭金ゼロで住宅ローンを組める金融機関が増え、諸費用を借り入れできる金融機関もあります。早めに購入して返済を始めたほうがいいのか、まとまった資金を貯めてから購入したほうがいいのか、その時の状況とともに賢く判断したいですね。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。

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